「思う」と「想う」は、どちらも「おもう」と読みます。「思う」の意味は、「頭の中で考えること」という意味です。「想う」の意味は、心の中でイメージするという意味です。例えば「好きな人をおもう」であれば「想う」が適しています。ただし「想う」は表外読みなので、新聞などでは「思う」を使うのが一般的です。
「思う」と「想う」は、基本的にどちらを使用しても問題ないとされています。 しかし、「想う(おもう)」は表外読み(表外音訓)と呼ばれる読み方で、公的文章では使用されません。 よって新聞や公的文章では、「思い」を使います。 「想い」は、心の中でイメージすること表し、小説などで少し情緒的な雰囲気を醸し出したい場合に使われることが多いです。 「思う」は「想う」を内包しているので、どちらを使うか迷った場合は「思う」を使うのが無難です。
「思う」の意味は「頭の中で考えること」です。 「思」という漢字は、分解すると「田」と「心」という二つの漢字からできており、「田」は幼児の脳のを表し、「心」は心臓を表しているといわれています。 よって、「思」は「頭で考えたり心で考えること」を意味しているということになります。 「思う」は、対象について『これこれだ』『こうなるだろう』と心を働かせること・あれこれと心に掛けてわずらい、または嘆くことを表します。
「思う」は、考え・空想・回想・希望・願望・心配・感銘・興味・恋情・執念などと、広い意味での主観的な感情的な心の動きとして使用されます。 「私はこう考えます」ということを、「私はこう思う」と表現します。 「思います」と表現すると、敬語として成り立っているので公的な文章でも使用することができます。
「思う」を用いた例文 「あなたのその行動はとても素晴らしかったと思います」 「交流を深める為に食事に誘おうと思う」 「バンジージャンプを飛ぶ直前で思いとどまってしまった」 「彼は何か思い違いをしてしまっているようだ」
「想う」の意味は「心の中でイメージすること」です。 「想」という漢字は、「相」と「心」という二つの漢字からできています。 この「相」と「心」は「木を対象として見ること」を表しているとされていて、心でその姿を見るということを表現しています。 「心の中でイメージするという」というような意味合いをもつということです。 例えば、「あなたを想う」という使い方をすると、「あなたの容姿などを具体的にイメージしています」いう意味合いになり、頭で考える「思う」よりも強い感情を表していることになります。
「想」という漢字には、「心に思い浮かべる。まだできていない作品などに関する具体的なイメージ」という意味が含まれます。 「想」を用いた言葉には、「想像」「妄想」「発想」「構想」などがあります。 つまり、「想う」は心に思い浮かべた感情・物事や人に対してある感情を抱くときに使用する言葉です。 例えば、「思い出」を「想い出」と書き表すと、「当時の情景や気持ちをイメージしている」というような意味合いになります。 「想い」は日常的によく使われる表現ではありませんが、小説・歌詞・ポエムなどの創作物においてよく使われます。 『懐かしい』『憧れる』『恋している』といった心情を「想う」と表現します。 このように、頭で思い浮かべたイメージの人物や情景だったりを表すときに使うことが多いです。
「念う」は「おもう」と読みます。 「念う」の意味は、「一心に思うこと」です。 「念」という漢字には、「いつまでも心にとどめる。 思い詰めた考えや気持ち」という意味が含まれます。 「一念発起」「自責の念」「畏敬の念」などと使われているように、強い気持ちを表す場合は「念い」を使います。
〇「念い」を用いた例文 「初詣に行き、今年1年健康であることを念う」 「必死に勉強してきたので志望校に合格するように念う」 「そんなことは嘘であてほしいと念う」
「憶う」は「おもう」と読みます。 「憶う」の意味は「深くおもうこと」です。 「憶」という漢字は、音読みで「おく」訓読みで「おもう」と読みます。 「記憶」という言葉の漢字として使用されているように、「心にとどめて忘れない」という意味があります。 つまり、「憶う」とは「心にとどめて忘れないほど深いおもい」という意味合いがあります。
〇「憶う」を用いた例文 「高校時代の楽しかった頃を憶う」 「ふと、故郷の母親の笑顔を憶うときがある」 「今は大変だけれど、いつかこの日のことを懐かしく憶う日がくるだろう」
「感じる」は、「刺激を受けてある感覚をもつ」という意味のある言葉ですが、「物事に対してある感情や気持ちをもつという意味もあります。 例えば、「寂しさを感じる」という場合は「寂しいという感情をもった」ということであり、「寂しいと思った」ということです。
〇「感じる」を用いた例文 「家事に手を抜く妻に対して怒りを感じた」 「表情を見れば、感動を感じていることは一目瞭然だった」 「彼は風邪をひいてしまい、一人暮らしの寂しさを感じることになった」
「胸懐」は「
〇「胸懐」を用いた例文 「ついに、彼女の胸懐を聞き出すことに成功した」 「彼の胸懐を知っていたたまれない気持ちになった」
「意中」は「いちゅう」と読みます。 「意中」の意味は、「心の中で思っていること」です。 「意」には「心に思うこと・気持ち・考え」という意味があります。 「中」は、音読みで「ちゅう」訓読みで「なか」と読み、「あるものの内部にあること」を意味しています。 つまり、「意中」とは、「こころの中の思い・考え」という意味になります。
〇「意中」を用いた例文 「思い切って意中の人にアタックをしてみることにした」 「かれが発したその言葉の意中は誰も理解できなかった」 「あなたの意中をお話していただけませんか?」
英語では日本語の「思う」と「想う」のような違いは言い表すことは難しいです。どちらも「think」を使えばOKです。
「思う(おもう)」と「想う(おもう)」は、同じ意味です。 多くの場合に使うのが「思う」であり、対象を心の中でイメージするという場合に適しているのが「想う」です。
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