1. TOP
  2. 日本語
  3. 敬語
  4. 「ご教示いただければと存じます」の意味と使い方を例文つきで解説

「ご教示いただければと存じます」の意味と使い方を例文つきで解説

「ご教示いただければと存じます(ごきょうじいただければぞんじます)」は、教えてもらえればと思いますという意味です。ビジネスメールで知識や方法などを教えてほしいとお願いをするときに使います。

意味と敬語

ご教示

「ご教示」は「ごきょうじ」と読みます。 「ご教示」の意味は「教え示すこと」です。 具体的にどうしたらいいかを教えることをいいます。 「教示」についている「ご」は尊敬を表す接頭辞です。

接頭辞「ご(お)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。

  • 相手の動作を高めて敬意を示すためにつける接頭辞「ご」は、尊敬語
  • 自分の動作をへりくだって相手に敬意を示すためにつける接頭辞「ご」は、謙譲語
  • 言葉をただ丁寧にいうだけにつける接頭辞「ご」は、丁寧語

この場合の接頭辞「ご」は、相手が教示することに対してつけているので尊敬語ですが、「ご〜いただく」で一つの謙譲表現として解釈する場合もあります。

いただければと

「いただければと」の意味は、「もらえればと」です。 「いただければと」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に仮定を表す「れば」と接続助詞「と」をつけた敬語表現です。 仮定を表す「れば」を使うことで、直接的な表現を避け「〜してもらえたら」という柔らかいニュアンスの依頼表現になります。

存じます

「存じます」は、「ぞんじます」と読みます。 「存じます」の意味は「思います」です。 「存ずる」は、「思う」の丁重語です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で通常の謙譲語と同じですが、動作の対象ではなく聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「存じます」の「ます」は、丁寧語です。 したがって「ご教示いただければと存じます」で「教えてもらえればと思う」という意味になります。

使い方と例文

ビジネスメールで質問をするときに使う

「ご教示いただければと存じます」は、ビジネスメールなどで知識や方法を教えてもらいたいと依頼をするときに使います。 例えば、見積書の作成方法など仕事上必要な知識を教えてもらいたいときです。 また、目上の人のスケジュールや意見を聞きたい場合にも使うことができます。 文中で使われることがほとんどですが、「ご教示いただければと存じます。よろしくお願いたします」などと文末に結びの言葉として使うこともあります。

ビジネスメール例文

採用情報の詳細を教えてほしいとき

【件名】 募集職種についてのお問い合わせ 【本文】   アイウエオ株式会社  ご採用担当者様                      突然のご連連絡失礼いたします。 現在○○大学経済学部経営学科の斎藤と申します。 貴社の採用情報を拝見しご連絡させていただきました。 技術開発職を募集とのことですが、応募をする際に必須の資格などはあるでしょうか。 詳しい情報をご教示いただければと存じます。 ご多忙の折恐縮ですが、ご返信くださいますようお願い申し上げます。 〒123−4444 東京都○○区○○1234 電話番号:090−1111−2222 メールアドレス:chikuwa@chikuwa.com 斎藤一代

アポイントをとるとき

【件名】 弊社製品に関する説明の日程に関して 【本文】 タチツテト株式会社営業部 三ツ谷様 いつもお世話になっております。 株式会社マミムメモ物産営業部の麗日です。 先日お問い合わせいただきました弊社製品の取り扱いについて、ご要望いただいた通り私どもから直接ご説明させていただきたく存じます。 私が担当者に同行し2名で貴社へ伺います。 下記の日程のご都合はいかがでしょうか。 9月8日(水)11:00〜12:00 9月10日(木)14:00〜15:00 9月15日(水)14:00〜15:00 ご都合の良い日程をご教示いただければと存じます。 上記日程で差し障りがございましたら、お手数ですがご都合の良い日をお知らせください。 ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。 麗日

商品に関する問い合わせ

【件名】 貴社製品に関するお問い合わせ 【本文】 あいうえお株式会社 営業部 高田様 突然のご連絡失礼いたします。 株式会社かきくけこの丸山と申します。 この度貴社のカタログを拝見しご連絡いたしました。 貴社製品「△△△」の購入を社内で検討しております。 つきましては、使用方法など詳しくご教示いただければと存じます。 ご多用の折恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。 丸山

上司に相談するとき

【件名】 商品値引についてのご相談 【本文】 林部長 お疲れ様です。営業部の遠藤です。 取引先である株式会社ABC様より、商品の値引きについての交渉がありました。 株式会社ABC様は、10%の値引きを希望されております。 承諾すれば月間の注文数を増やすというお話もいただいております。 このような場合、どうすれば良いのでしょうか。 先方への対応についてご教示いただければと存じます。 お忙しいところ恐縮ですがお時間いただければ幸いです。 よろしくお願い申し上げます。 遠藤

類似表現との違い

「いただきたく存じます」との違い

「ご教示いただければと存じます」と似た敬語表現に、「ご教示いただきたく存じます」があります。 「いただきたく存じます」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に、願望を表す「たい」と、「思う 」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご教示いただきたく存じます」で、「教示してもらいたいと思います」という意味になります。 「いただきたく存じます」と「いただければと存じます」は、どちらも謙譲語、丁重語、丁寧語を使用した敬語表現であり丁寧の度合いは同じですが、「ご教示いただければと存じます」のほうが仮定形なので、謙虚な響きがあります。

「いただけたらと存じます」との違い

「ご教示いただければと存じます」は、「ご教示いただけたらと存じます」ということもできます。 「いただけたらと存じます」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に仮定を表す「たら」と接続助詞 「と」、「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「いただけたらと存じます」で、「してもらえたら嬉しいと思う」という謙虚な言い回しになります。 「いただければと存じます」と「いただけたらと存じます」は、どちらも謙譲語、丁重語、丁寧語を使った敬語表現なので丁寧の度合は同じです。

「賜わりたく存じます」との違い

「賜りたく存じます」は、「もらう」の謙譲語「賜る(たまわる)」に、願望を表す接続助詞「たく」と、思うの丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「賜りたく存じます」で、「もらいたいと思います」と依頼をする丁寧な表現になります。 「ご教示いただければと存じます」と「ご教示賜りたく存じます」は、どちらも謙譲語と丁重語、丁寧語を使った敬語表現ですが、「賜る」が、「いただく」より一段と恐れ多いという気持ちを込めた謙譲語として用いられるため、「ご教示賜りますと幸い」のほうが丁寧でよりかしこまった表現です。

併用する語

クッション言葉

「ご教示いただければと存じます」は、クッション言葉を併用することでより丁寧になります。 クッション言葉とは、相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことです。ビジネスシーンでは様々な状況で使われます。 クッション言葉を使うことで直接的な表現をさせることができ、丁寧で柔らかい印象を与えることができます。 クッション言葉には、

  • お忙しいとは存じますが
  • 恐れ入りますが
  • 恐縮ですが
  • ご迷惑をおかけしますが
  • お手数をおかけしますが
  • 勝手を申し上げますが
  • ご無理を申し上げますが

などがあります。

敬語の言い換え

ご教示ください

「ご教示ください」は、「教示」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「くれ」の尊敬語「ください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、目下の人や同等の立場の人に対して使うのは問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。 「ご教示くださいませ」とすると柔らかいニュアンスになります。 「くださいませ」は、「ください」に「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」とすることで、「くれ」を丁寧にするだけでなく柔らかい印象を与えることができます。

ご教示いただけますか

「ご教示いただけますか」は、「教示」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 「ご教示ください」では丁寧さに欠けますが、「教示してもらえるか」と疑問形にすることで、柔らかい依頼の表現になります。 「ご教示いいただくことは可能でしょうか」は、「教示してもらうことはできるだろうか」と可否を確認する表現で、依頼をするときに使用される正しい敬語表現です。 しかし、やや強意的であるためビジネスシーンでは使用を避ける人もいます。

ご教示願います

「ご教示願います」は、「教示」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「願う」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご教示願います」も正しい敬語表現ではありますが、「願います」が「願う」という言葉の丁寧語であるという点で丁寧さに欠ける(謙虚な態度が感じられない)表現であるため、親しくない上司や社外の人に対して使うは避けた方が無難です。 上司や社外の人に使用する場合は、「お願いいたします」などより丁寧な敬語表現を使用しましょう。

ご教示のほどよろしくお願いいたします

「ご教示のほど」は、「教示」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、婉曲表現の「ほど」をつけています。 「ほど」は、断定を避ける表現です。 「ご教示のほどよろしくお願いいたします」で、相手に強制することなくお願いをすることができます。 「ほど」は漢字で書くと「程」ですが、漢字にはしません。 「程」の本来の意味は、「物事の経過に伴う様子、程度」です。 そこから転じて断定を避ける表現として用いられています。 このように、本来の意味とは違う使い方をする場合は、漢字ではなくひらがな表記にします。 「お願いいたします」は「お願いする」という意味の依頼表現です。 「お願いいたします」は、「お願いする」の謙譲語+丁重語+丁寧語です。 「お」は謙譲語で、動作の対象を敬う接頭辞です。 「いたす」は丁重語で、聞き手・読み手を敬う補助動詞です。 「お願いいたします」の「ます」は丁寧語です。 「いたす」は漢字で「致す」と書きますが、補助動詞は平仮名で表記するという決まりがあるので、「お願いいたします」と書くのが正しいです。

ご教示くださいますようお願い申し上げます

「ご教示くださいますようお願い申し上げます」の「ご教示くださいますよう」は、「教示」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「くださいますよう〜」とすることで、断定を避けた柔らかい依頼表現になります。 「お願い申し上げます」は、「お願いする」の謙譲語です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 「お願い申し上げます」の「ます」は丁寧語です。 「申し上げる」も補助動詞なので「お願いもうしあげます」と書くのが正しいですが、慣用的に「お願い申し上げます」と漢字で書かれることが多いです。 「ご教示いただきますようお願い申し上げます」とすることもできます。 「いただきますよう」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語の「ます」と婉曲表現の「よう」をつけています。

ご教示いただけると幸いです

「ご教示いただけると幸いです」は、「教示」に尊敬を表す接頭辞「ご」と「もらうと」の謙譲語「いただけると」と、「幸い」に丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 「幸いです」は、そうしてもらえれると幸せですという気持ちを表します。 よって「ご教示いただけると幸いです」は、「教示してもらえると嬉しいです」という意味の丁寧な表現になります。 「ご教示いただければ幸いです」としても、意味は同じです。 「いただければ〜」には仮定のニュアンスがあり、「してもらえれば嬉しい」という願望を表す丁寧な言い回しになります。 「ご教示いただけますと幸いです」も、「もらう」の謙譲語「いただく」にさらに丁寧語「ます」をつけた丁寧な敬語表現です。 また、「幸いです」は「幸甚です(こうじんです)」とすることもできます。 「幸甚」は、この上なく嬉しい気持ちやありがたく思っている気持ちを表すかしこまった表現 です。

「ご教示」の類語

ご教授

「ご教授」は「ごきょうじゅ」と読みます。 「ご教授」の意味は「学問・技術・技能などを教えること」です。 訓練や鍛練が必要なものを継続的に教えて欲しいとお願いをするときなどに使います。

ご指導

「ご指導」は「ごしどう」と読みます。 「ご指導」の意味は、「知識・技術などを習得できるように教え導くこと」です。 目上の人に知識や技術を教えてほしいとお願いをするときなどに使います。

「ご指導のほど」の意味と使い方、言い換え、漢字「程」を例文つきで解説

WURK

ご指示

「ご指示」は、「ごしじ」と読みます。 「ご指示」の意味は、「それと指さすこと・指図すること」です。 「ご指示を仰ぐ」などと使われることも多いです。 「ご指示を仰ぐ」は、上司などに何らかの指導を受ける・指示を求めることをお願いすることを表します。

「指示を仰ぐ」の意味と使い方、敬語、類語、対義語、英語を解説

WURK

ご指南

「ご指南」は「ごしなん」と読みます。 「ご指南」の意味は、「南を指すこと・教えを示すこと」です。 「指南」は「武術・芸能などを教え示すこと」を意味していて、「剣道を指南する」「将棋のご指南願います」といったように使います。

「ご指南」の意味と使い方、類語「ご教授」「ご教示」「ご指導」との違い

WURK

ご提示

「ご提示」は「ごていじ」と読みます。 「ご提示」の意味は「相手に差し出してみせること・考えなどを相手に示すこと」です。 例えば免許証や保険証などの身分を証明する為のものを見せてもらいたいときや、特定の成果物を提出する場面で多く使われます。 また、「都合のいい日程をご提示ください」などと、考えや意見を求めるような場面でも使うことができます。

「ご提示」の意味、使い方!「ご呈示」「ご教示」との違い、類語、英語

WURK

ご助言

「ご助言」は、「ごじょげん」と読みます。 「ご助言」の意味は「役に立つような言葉を添えて助けること、その言葉」です。 「口添え」という意味合いで、主に目上の相手にアドバイスを求めるときに使います。 ただし、「ご助言ありがとうございます」というようにお礼の気持ちを伝える場面では使用することはできないので注意してください。

「ご助言」の意味とお礼・社外への使い方!類語「ご教示、ご鞭撻」、英語も解説!

WURK

トレンド

カテゴリーランキング

  1. TOP
  2. 日本語
  3. 敬語
  4. 「ご教示いただければと存じます」の意味と使い方を例文つきで解説