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「ご指南」の意味と使い方、類語「ご教授」「ご教示」「ご指導」との違い

「ご指南」の意味は「教え導くこと」です。ただ「教える」ということではなく、剣道や華道などといった武術や芸能を教え示すことを意味しています。今回は「ご指南」の正しい意味と使い方を例文つきで紹介します。また「ご指南」の類語や英語表現も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。

「ご指南」の意味と敬語

「ご指南」の意味は

「ご指南」は「ごしなん」と読みます。 「ご指南」は、「指南」に接頭語の「ご」をつけた言葉です。   「指南」の意味は、

  1. 南を示すこと
  2. 教えること。教え示す人

です。 「ご指南」は二つ目の「教えること。教え示す人」という意味で使用されます。 「指南」はただ「教える」ということではなく、剣道や華道などといった武術や芸能を教え示すことを意味しています。

「ご指南」は尊敬語

「指南」についている「ご」は尊敬を表す接頭語です。 接頭語「ご」の敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにでもなりえます。 「ご指南」の「ご」も同様です。 目上の人が指南するならば「ご質問」の「ご」は尊敬語です。 自分が指南するならば「ご」は謙譲語になります。 「指南」という言葉をただ丁寧にいうだけなら「ご」は丁寧語です。 「ご指南」は、目上の人に指導してもらうことを言い表す言葉なので、接頭語の「ご」は尊敬語になります。

「ご指南」の語源は指南車

「指南」は「指南車」に由来しています。 「指南車」とは、歯車の仕掛けによって人形の指が南に向くように作られたものです。 古代中国では道に迷うことがないように指南車を車に備え付けていました。 指南車が、人を南の方向へ導くということから転じて「人を正しい道や方向に教え示す」という意味で使用されるようになり、だんだんと「指南」と略されて使用されるようになりました。

「御指南」とも

接頭語の「ご(お)」は漢字で「御」と表記することができます。 したがって、「御指南」と表記することが可能です。 一般的に接頭語の「ご(お)」は平仮名で表記されますが、かしこまった文章では漢字で表記することもあります。

「ご指南」の使い方と例文

依頼

「ご指南」は、「教え導いてほしい」と目上の人に依頼をするときに使用することができます。 目上の人に依頼をする言い回しとしては、

  • ご指南ください
  • ご指南いだきたく存じます
  • ご指南いただけますと幸いです
  • ご指南いただけませんか
  • ご指南いただければ幸甚の至りに存じます
  • ご指南のほどよろしくお願い申し上げます

などがあります。 「ご指南ください」は、「指南」に尊敬を表す接頭語の「ご」と「くれ」の丁寧語の「ください」をつけています。 正しい敬語表現ではありますが、「ください」が命令形「くれ」の丁寧語であるため一方的に要望・要求するようなニュアンスになってしまいます。目上の人に使う場合はより丁寧な表現にした方がよいでしょう。 「してもらう」の謙譲語である「いただく」を使用するとより丁寧な敬語表現になります。 「〜してもらえると嬉しい」という意味の「幸甚の至」や、「お願いします」をより丁寧にした「お願い申し上げます」を使用することで、より丁寧な敬語表現にすることも可能です。 「ご指南を仰ぐ」などの使い方もあります。 「ご指南を仰ぐ」とは「目上の人に指導を求めること」です。 この場合の「仰ぐ」は「下の者が上の者からの働きかけを求める」という意味で使用されています。 「○○を仰ぐ」の他の表現は「指示を仰ぐ」「協力を仰ぐ」「判断を仰ぐ」「助力を仰ぐ」などがあります。

例文

  • こちらで料理のノウハウについてご指南いただきたく存じます。
  • 華道に関しまして、ご指南を賜りますようお願いいたします。
  • 是非私に、茶道の作法をご指南ください。
  • 今後とも先生に変わらぬご指南を賜りますよう生徒一同お願い申し上げます。

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感謝

「ご指南」は、目上の人に何か教え導いてもらったときのお礼を伝えるときに使用することもあります。 お礼を伝えるときの言い回しとしては、

  • ご指南ありがとうございました
  • ご指南を賜りありがとうございました
  • ご指南賜りまして、感謝申し上げます。
  • ご指南いただきまして誠にありがとうございます
  • ご指南いただき心より感謝申し上げます

などがあります。

例文

  • お忙しい中ご指南を賜りありがとうございました。
  • 長年にわたり息子に柔道をご思案いただき心より感謝申し上げます。
  • 初心者の私にご丁寧にご指南いただきまして誠にありがとうございます。
  • 先生にご指南いただいたおかげで、上手くいくことができました。

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自分に対して使うと意味的に不自然

「ご指南」を自分に対して使うことは、敬語的には可能です。 接頭語「ご」は謙譲語にもなるからです。 「ご指南します」「ご指南いたします」なら、目上の人に対する自分の動作として使うことができます。 ただし、「指南」は「教え導く」という意味なので、そもそも目上の人に「指南」するというのは意味的に不自然です。 目上の人に何かを教えるときは、「お教えいたします」「ご説明します」「お伝えします」などと表現するのがよいでしょう。 よって、「ご指南」を自分に対して使うのは避けた方がよいでしょう。

「ご指南」の類語

ご教授

「ご教授」は「ごきょうじゅ」と読みます。 「ご教授」は、「教授」という言葉に、尊敬を表す接続語の「ご」をつけた言葉です。 「教授」の意味は、学術、技芸などを教えること。養護、訓練とならぶ教育上の基本的な活動、作用です。 「ご教授」は、「教え授ける」という漢字からできている通り、「指し示す」という意味の「教える」ではなく、「専門的な知識や技術を教え授けてください」というような意味で使用され、専門的な知識や技術をある程度の期間、継続的に教えてほしい場合に使います。 「ご教授」は、短時間でさっと教えられるような内容に使うものではないため、例えばメールなどで、「ご教授いただきたいのですが」と軽く質問してしまうと失礼にあたる場合があります。 したがって、メールや文章で使用する場合は注意が必要です。

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ご教示

「ご教示」はごきょうじと読みます。 意味は「知識や方法などを教え示すこと」です。 「ご教示」は仕事内容や物事のやり方を教えてもらう時に使用することができます。 「ご教示」の「ご」は尊敬を表す接頭語です。 「ご教示いただきたく存じます」など謙譲語を使うことで、目上の相手にも使うことのできるフレーズです。

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ご指摘

「ご指摘」は、「ごしてき」と読みます。 「ご指摘」は、「指摘」という言葉に、接続語の「ご」をつけた言葉です。 「ご指摘」の意味は「重要な点や問題となる点を取り上げて示すこと」です。 何か重要なミスを相手に「ここが間違えている」というように示すなど問題に焦点をあてて指し示すことを「指摘」といいます。

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ご指導

「ご指導」はごしどうと読みます。 意味は「目的に向かって教え導くこと」です。 「ご指導」は、「ご指導ご鞭撻」とも使われます。 「ご鞭撻」は「おこたらないようにと強く励ますこと」を意味します。 「ご指南ご鞭撻」とは普通言わず、正しくは「ご指導ご鞭撻」です。

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ご教導

「ご教導」は「ごきょうどう」と読みます。 「ご教導」は、「教導」に接頭語の「ご」をつけた言葉です。 「教導」の意味は「学問的な理念や宗教思想などに基づいて、教え導くこと」です。 「教え導く」という点では「ご指南」の類語であると言えますが、ビジネスシーンで「ご教導」はあまり使いません。

ご指示

「ご指示」は「ごしじ」とよみます。 「ご指示」は「指示」に接頭語の「ご」をつけた言葉です。 「指示」の意味は、 それとゆび示すこと 指図すること となります。 「指示」とは”指導する”・”指揮をとる”というようなイメージです。 「指示」はよく「ご指示を仰ぐ」と使います。 「ご指示を仰ぐ」とは、”上司などに何らかの指導を受ける・指示を求めることをお願いすること”を表します。 他にも、「ご指示いただく」「ご指示願います」などと使われます。

「ご指南」の英語

「ご指南ください」の英語表現を考えてみましょう。 かなりシンプルに考えると「Pleace teach me.」になってしまいますが、ビジネスシーンでは少し言葉足らずな印象を与えてしまうと思います。 代わりに下記のようなフレーズを使うとよいでしょう。

It would be greatly appreciated if you could explain the details.

詳細をご教授いただけると幸いです。

Is it possible to have your advice on this?

この件に関してアドバイス頂くことは可能でしょうか?

Could you please let us know about that?

その件について教えてくれませんか。

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