「卑屈」という言葉をご存知ですか?卑屈な人の話を聞くのって疲れますよね。今回は「卑屈」について正しい意味や使い方を例文付きで紹介します。また類語や対義語、英語表現も紹介します。そして「卑屈な人」の特徴・心理を解説します。是非参考にしてみてください。
「卑屈」は<ひくつ>と読みます。 意味は、「自分自身を必要以上に卑しめること、意気地のない態度を取ること」です。 自己評価を必要以上に低くし、いじける様子のことです。 周りはそのように思っていないのに「どうせ私なんて出来損ないだから」などと、自分で自分を必要以上に蔑む(さげすむ)ことを言います。
日常的にも、社会的にも卑屈な方っていますよね。 男性や女性、年齢や職業などに関わらず卑屈なことを言っている人に対して、なんて答えればいいか分からないこともあります。 また、どうしても卑屈なことを話してしまう人もいるかもしれません。 そんな「卑屈な人」の特徴や心理についてまとめてみました。
「卑屈な人」は、あえて自分を否定したり自己評価を低くすることで、他人に「そんなことないよ」と自己否定を否定し褒められたいという心理があります。 大体の人が、誰からが自己否定をしていると「そんなことないよ」と声をかけますよね。 そう言われることで、安心するのでしょう。 褒められたいという願望が強いあまりに、卑屈な発言をしてしまいます。
「卑屈な人」は臆病でとても傷付きやすい人が多いです。 そのため、周りから批判されたり否定される前に、自分自身で批判や否定をし『予防線』を張っています。
寂しさが故に構われたく「卑屈」な発言をしてしまうことがあります。 先程の褒められたい、と同様、自己否定をすることで誰かが話しを聞いてくれます。
「卑屈な人」は協調性があまりありません。 本来、他人にとって「卑屈な人」の話を聞くのは楽しくもなく、「そんなことないよ」と気を使うのはとても大変です。 ましてや職場などで、みんなで頑張ろうという時に卑屈なことを言っていると士気が下がります。 そういったことが配慮出来ずに、卑屈なことをばっかり言っている人は協調性がないと言えます。
「卑屈な人」の中には、自分にだけではなく周りに対しても否定的であったり嫌味を言う人がいます。 自分のことだけをグチグチ言っているならまだしも、他人に対しても嫌味なことをネチネチ言ってきます。 自分に対しても、周りの言動に対しても素直になることができません。
「卑屈な人」は嫉妬心が強く、他の人が褒められいてるのを見ると嫉妬しています。 そのため、他の人が褒められていることに対する悔しさや怒りが生まれてしまいます。そして反発するかのように「どうせ私は出来ないからな〜」と卑屈なことを話したりしてしまいます。 また、それを言うことで「そんなことないよ、できてるよ」と自分も同じように褒めてもらいたくて卑屈なことを言います。
劣等感を持っていると、「卑屈な人」になってしまうことがあります。 周りと比べたり、自分の成績などを見て劣等感が募り「どうせ私になんて無理だ」などといった発言をしてしまいます。 実際に数字などで結果が出ないと、なかなか劣等感は拭えずにどんどん卑屈になってしまいます。
「卑屈な人」は承認欲求がとても強いです。 とにかく、他人に認めてもらいすごいと言われたい気持ちが強く、卑屈なことを言ってしまいます。 何度も出てきていますが、卑屈なことを言っている人ってそれを否定されたい人が本当に多くいます。 褒めてもらえないジレンマから、卑屈なことを言って否定してもらうことで自分を認めてもらった気持ちになっています。 ただ、承認欲求を持つことは悪いわけではありません。 その欲求を満たすべく、努力し成果を残している人もいます。 しかし、承認欲求だけ強く頑張ることをせずに卑屈なことばかり言っている人は「卑屈な人」として低い評価を得てしまいます。
「卑屈な人」は何かトラウマを抱えている場合があります。 その場合は、否定されたくて卑屈なことを言っているというよりも、本当に自分自身に対するコンプレックスなどを抱えています。 過去に蔑まれたり、大きな失敗を経験したことから自分に自信を持つことができず卑屈になってしまっています。
「卑屈」は人の言動や態度を指して使う言葉です。 主な言い回しは 「卑屈な」 「卑屈さ」 「卑屈になる」 などです。 詳しい使い方は例文を参考にしてください。
「彼は卑屈になって、何をするにも周りに決定させる」 「人と比べて卑屈になっている暇があったら努力しろ」 「卑屈なことばかり言っている人は、正直面倒くさいから放っておきます」 「さすがの彼も今回のことに関しては卑屈な笑みを浮かべることしか出来ないようだった」 「彼女はいつも卑屈なほどの低姿勢だ」 「部長の褒め方はいつも卑屈さがあった」
「卑屈」と「謙虚」の違いについて説明します。 まず「謙虚」の意味は、「控えめであり、慎ましいこと」「自分自身の能力・地位などにおごるおとなくへりくだり、相手に対して素直に意見を受け入れ接すること、またそのさま」です。 「謙虚な人」は、相手をしっかりと立て、素直な態度で接します。 それに対して「卑屈な人」は、自己評価を低くしいじけて、相手のことは考えていません。 「謙虚」とはひねくれたり自己評価を下げるわけではなく、控えめにし謙ることです。 「謙虚な姿勢」はとても大切ですが、「卑屈さ」があってもいいことは一つもありませんので気をつけましょう。
「卑屈」と「傲慢」の違いについて説明します。 まず「傲慢」の意味は「調子づいて人を馬鹿にすること、人を見くびって礼を欠くこと」です。 「傲慢な人」は、人を馬鹿にしたり見くびったりすることです。 それに対して、「卑屈な人」は、「卑屈な人」は自己評価を低くし、いじけることです。 全く真逆の意味を持っています。 ただ、どちらも他人に対してマイナスでしかありません。 どんな相手にも「傲慢」になったり「卑屈」になったりしないよう注意しましょう。
● 自嘲 意味:自分で自分のことを嘲ること、軽蔑すること ● 自虐 意味:自分で自分を責め立てて苦しめること ● 卑下 意味:自分で自分を人より劣っていると謙ること
● 尊大 意味:偉そうな態度をとること、見下すこと ● 横柄 意味:威張ったり、人に対して無礼なであること ● 高飛車 意味:他人に対して威圧的な態度をとること、そのさま
「卑屈」に一番近い英語は「servility」です。 形容詞は「servile」です。 発音は「サーバル」という感じになります。
As a salesman, you need to please your customers but don't be servile.
セールスマンとして顧客を満足させる必要はあるが、卑屈にはなるな。
「卑屈」について理解できたでしょうか? ✓「ひくつ」と読み、「自分自身を必要以上に低く評価し、いじけること」といった意味 ✓「卑屈な人」は、卑屈なことを言っている自分を否定し褒めてほしいか、トラウマや劣等感などを抱えてネガティブなっている ✓類語は「自嘲、自虐」など、対義語は「傲慢、尊大」など