「傲慢」という言葉をご存知でしょうか。「傲慢」は、「相手を見下すこと」という意味の言葉です。みなさんも人と関わっていくなかで、「この人傲慢だな」と感じたことがるのではないでしょうか。今回は、「傲慢」の意味と使いかたや「傲慢な人の特徴」を中心に「傲慢な人間」について解説していきます。ぜひ参考にしてください。
「傲慢」は、「ごうまん」と読みます。
「傲慢」の意味は「調子づいて人を馬鹿にすること、人を見くびって礼を欠くこと」です。 偉そうにしていて、人を見下すような態度や行動をすることを表していて、自分よりも下の人物を馬鹿にしたり、自分が優れていると思い上がっている人を表す場合に使います。 つまり、「傲慢」はマイナスなイメージを伴って使用する言葉であり、いい意味で使用されるころはないと言えます。
「傲慢」は、「傲慢な〜」というように、主に偉そうに振る舞う人の態度を表現する言葉をして使用されます。 例えば、 ・傲慢な◯◯ ・傲慢で ・傲慢さ ・傲慢だ ・傲慢になる ・傲慢無礼(ぶれい) ・傲慢不遜(ふそん) といった言い回しで使用されます。 「傲慢無礼」「傲慢不遜」は「人のことを見下して、自分が優れているかのように行動すること」を意味した四字熟語となります。
例文 ・あの人は自分より立場が上の人には媚を売り、下の人には傲慢な態度で振る舞う。 ・彼は他人を見下すことに何も感じない傲慢な男なので、人の気持ちを理解することはできないだろう。 ・傲慢な人というのは自信過剰でプライドが高いため、人の意見を聞かない傾向がある。
横柄(おうへい) (意味:人を見下して威張ること) 「彼女はいつも横柄な態度をとっているから苦手だ」 横風(おうふう) (意味:人を見下すように偉そうに振る舞うこと) 「横風な口をきいてくる人とは関わらない方が良い」 見高(けんだか) (意味:プライドが高くて人を見下す態度をとること) 「見高に色々と言ってくるのは勘弁してほしい」 尊大 (意味:威張って人を侮る態度をとること) 「尊大な態度をとっていると周りから見放されるよ」 不遜(ふそん) (意味:偉そうに構えていること) 「なんで彼はあなんい不遜な態度をしているのだろう」 驕傲(きょうごう) (意味:態度がでかいこと) 「驕傲な振る舞いをしていてもあとで後悔する」 高飛車(たかびしゃ) (意味:偉そうに相手をおさえること) 「高飛車な女は嫌いだ」 居丈高(いたけだか) (意味:人を見下すような態度を取ること) 「居丈高に指図されると腹が立つ」 過信 (意味:才能や人物を実際よりも高く評価すること) 「君は自分の能力を過信しているようだね」 慢心を持つ (意味:実際の能力よりも高く評価して良い気になること) 「彼女は慢心を持っているから気をつけた方が良い」 白々しい (意味:心の中で思っていることが見え透いている) 「彼は白々しい事ばかり言う」 図々しい (意味:人に迷惑をかけても何とも思っていないこと) 「人が並んでいる列におばさんが図々しく割り込んできた」 厚かましい (意味:人に迷惑をかけていることに対して遠慮がないこと) 「彼女は本当に厚かましくて嫌になる」 ちょこざい (意味:わがままであるこ) 「ちょこざいな子供に手を焼く」
謙虚 (意味:控え目で素直に人の言うことを聞くこと) 「常に謙虚でいるように心がける」 謙遜 (意味:思ったまま行動するのではなく、控えめに振る舞うこと) 「彼女は謙遜することを得意としている」 卑屈 (意味:自らを劣ったものだといじけること) 「彼女は卑屈で、何事もマイナス思考だ」 卑下(ひげ) (意味:自らを劣ったものだとへりくだること) 「そんなに卑下する必要はない」 控えめ (意味:思ったまま行動するのではなく、とどめて事を行うこと) 「何事も控えめにした方が上手くいく」 謹慎(きんしん) (意味:行動をつつしむこと) 「あなたはしばらく謹慎した方が良い」 遠慮がち (意味:行動をつつしむ傾向があること) 「彼はいつも遠慮がちで、おどおどしている」 低姿勢 (意味:相手に対して態度や行いをへりくだること) 「彼は相手が誰であろうと低姿勢を貫いている」
「傲慢」な人は、「自分が一番正しい」と思っている傾向があります。 何も根拠もないのに、自分が正しいことをしている・言っていると信じているの相手に自分の意見を押し付け、自分の意見を曲げることがありません。 周りの意見を聞かないがために周りの人と対立してしまうということもしばしばあります。
「傲慢な人」は、やたらとポジティブ思考です。 だからこそ、何も根拠もないのに「自分が一番正しい」と言わんばかりに自分勝手な発言をしてしまうのでしょう。 周囲が何を言っても自分の都合の言いようにしか物事をとらえないので、何か失敗をしてしまったとしても自分の行動を振り返り反省をするということはありません。
「傲慢な人」は基本的にとてもプライドが高いです。 プライドが高いので、相手より自分が下という状況を許すことができません。 自分以外の人が評価されていることが気にくわないので、相手より優位な立場で入れるように相手を見下した態度をとることで去勢を張ってしまうのです。
「傲慢な人」は負けず嫌いです。 「傲慢な人」は「競争心」や「対抗心」を常にもっていて、どんなことでも「勝ち負け」を判断しがちです。 例えば、「私最近、○○ていうアーティストが好きなんだ」と話をして、「え、私なんて前からファンだからCDいっぱい持ってるよ」というように、勝手に対抗心を燃やしてきたりなど、別に比べているわけではないのに「自分のほうが・・・」と返して来る人っていますよね。 このようなタイプの人は、とにかく何に対しても対抗心をもやしてくる「傲慢な人」といえるでしょう。
「傲慢な人」は、何からなにまで自分のほうが「優れている」と見せたいと思っているで、ブランド物を身に着けて自分を着飾ったりします。 また、SNSをが好きで、「リア充の自分」をアピール。 ただ、見栄を張っているだけで実は「ローン地獄」「周りが思うような華やかな生活ではない」という場合も少なくありません。
「傲慢な人」は、人の話を聞きません。 相手が話てくれていても、自分に関係のない話であれば上の空であったり適当な返事をしてごまかします。そもそも、「傲慢な人」は「他人の意見」を受け入れることがないので、他人の話は聞く必要がないのです。 何かがあれば「相手のほうが変わればいい」と思っています。 全く人の話を聞かない「傲慢な人」にお手上げ状態の人おも多いのではないでしょうか。
「傲慢な人」は、「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えることができない人が多いです。 他人にあれやこれや手を焼いてもらうのが「当たり前」だと思っているので、そもそも他人に対して感謝の気持ちがないのです。 何かをしてもらった時に「お返しをする」ということもありません。 それなのにも関わらず、自分が相手に何かをしてあげた人に対しては「感謝しろよな」という態度をとってくるのが「傲慢な人」の特徴です。
「傲慢な人」は、他人に興味がないので、他人に気を遣うことがありません。 自分の思ったままに発言をし、行動をするので周りからは「自分勝手な人だな」という印象を与えてしまいます。 しかし、相手が自分の傲慢な態度によって不快な思いをしているということに気がつけません。 「傲慢な人」にとって「世界の中心にいるのは自分」なのです。
上述しているように、「傲慢な人」の世界の中心は自分であるため「他人に合わせよう」「自分とは違う考えの他人に歩み寄ろう」という気持ちはありません。 「傲慢な人」は、「自分のやり方・考え方」が一番正しいと信じているので集団で何かをするといった場面ではマイルールを押し付けがちです。 つまり、「傲慢な人」協調性がなく集団行動に不向きであると言えます。 また、そもそも誰かの下に就くということをひどく嫌うので、会社など何かの組織の一員になるということすらも嫌います。
「傲慢な人」は、マイルールで相手に従わせるくせに「責任」をとることを避けようとします。 責任転嫁が上手く、何か問題が起きてしまっとしても自分の非を認めることはありません。 むしろ本気で「自分が悪いのではない」と思っていることも少なくありません。 「ありがとう」という感謝の気持ちが言えないばかりではなく、「ごめんなさい」と素直に謝ることもできないのです。
「傲慢な人」は、自分のしてしまったミスに対しては責任転換をしたり、開き直るなど気にすることがないのですが、「自分以外には厳しい」という性質があります。 自分以外の人のミスには、どんな些細なことでも固執して、いつまでもネチネチと嫌味を言い続けることも少なくありません。 「傲慢な人」の前でミスをすると、ここぞとばかりに見下されてしまいます。
「傲慢な人」は、基本的に他者を小馬鹿にしています。 「自分が一番すごい」と思っているので、アドバイスなどすべて上から目線で物を言ってきます。 自分は選ばれし人間だから、どんなことを言っても許されると思っているため、そういった考えが自然と人を小馬鹿にした態度や言葉となってでてきてしまうのです。
「傲慢な人」は、いつでも注目されていたいという心理が働くので、1対1の会話をしているときでさえも声が大きくなってしまいます。 また、声の大きさは自己主張の一種で、伝えたいと思う気持ちが大きいほど大きくなるとも言われています。 つまり、「〜だよね!絶対そうだよね!」といったように、周りの意見には耳をかさずに自分の意見を強く主張しているということです。
「傲慢な人」は、口調がきつく、また言葉が汚いことが多いです。 ・「うわ、まじでありえねぇ〜」など平気で人を否定するようなことを口にする ・「うざい」「むかつく」などの悪口を平気で言う ・何においても「やばい」と言う といったように人目を気にすることなく、自分より下であると判断した他人に愛想よくすることがありません。
「傲慢な人」は、誰よりも物事を知っていて、他人より優れていると思っています。 なので、相手が知っていて自分は知らないという状況が許せないので、例え全く知らないことであったとしても ・「名前は良く聞くけど、詳しくはまだ知らないな〜」 ・「あ〜!なんとなくわかるよ!」 など知ったかぶりな対応をしてしまうことも少なくありません。
「傲慢な人」は、最後に一言ポロッと人を「イラっ」とさせるような余計な一言を言ってくることも少なくはありません。 「傲慢な人」は、自分が一番優位でいたいと思っているのでマウンティングをとって、自分のほうが優位であることをアピールします。 一見ごく普通に会話をしているように見せかけて、馬鹿にするような発言を入れて、遠回しにうっすらと「私のほうがすごいですアピール」をしてくるのです。
「傲慢な人」は、身近な人だけではなく、飲食店などの店員さんに対しても横柄な態度をとります。 「お客様は神様」という言葉があるように、お店の人が自分のために色々としてくれているという感謝の気持ちをもつことはありません。 「お金を出している自分が偉い」と思っているので店員にたいして見下した態度をとってきます。 頑張って自分のために働いてくれている店員さんはもちろん、一緒にいる人までも不愉快な気持ちにさせていることに気がついていないことが特徴です。
「傲慢な人」の中には、両親が立派ま職業についている・豪邸で何不自由なく暮らしてきたなど、家庭環境がすごかったなどの影響で、「自分もすごい人間なんだ」と思いこんでいるということもあります。 わかりやすくいうと、 ・俺のお父さん総理大臣なんだから俺に逆らうことは許されないよ ・私のお母さん警察官だから、私の前で悪いことしないほうがいいよ など、よく考えると「凄いのはあなたではないよね」という感じがしますが、本人は本当に自分が「凄いんだ」と思い込み、「傲慢な態度」をとってきます。
「傲慢な人」は、自分より下であると判断した相手には、自分勝手な言動を繰り返しますが、自分が尊敬している人の話だけはちゃんと聞く傾向にあります。 自分が優位な立場であり続けるために、偉い人を味方につけよう、気にいられようと媚を売るのです。 なので、割と年上の人からは好かれているといった減少も少なくありません。
「傲慢な人」は自分のことが大好きです。 自分のことが大好きなので、他の人が自分のために犠牲になったとしても気にすることがありません。 信じられるのは自分だけと思っていて、他人のことを気にすることなく理不尽な傲慢さで周りに迷惑をかけていきます。 どうしても欲しいと思ったものは手にいれなければ気がすまないなど、相手が否定をしてもどんどん押してくるのも自分のことが大好きで、妥協ができないからだと言えるでしょう。
幼少期の育った環境や両親の価値観が原因で「傲慢」になってしまう可能性があります。 例えば、両親の愛情を受けることなく育ってしまった場合、「愛されたい・注目されたい」という気持ちが強くなり、周り人の気をひくために「傲慢な態度」をとるという人もいます。 誰よりも優位の立場にたって称賛されることに快感を覚えているのです。
自分に対してどうしても隠したいコンプレックスがある場合に、「傲慢」な態度になってしまう可能性があります。 「傲慢な人」は、自分に自信があるというようなことを述べてきましたが、逆に「自分自身に自信がない」という場合にも、「弱いところを見せたくない」というプライドの高さから、わざと多きな声を出して強さをアピールするなど、自分の弱さを悟られまいと大きな態度をとってしまうのです。
過去に経験した成功体験によって、自分を過大評価していることが原因で「傲慢」な態度になっている人もいます。 「前の自分は、こんなに凄いことができたのだから、自分はすごい人間なんだ」と思い込んでしまい、いつまでも武勇伝のように過去の栄光を語り続け、偉そうな態度をとってしまいます。
「傲慢」な人は、過去にバカにされて悔しい思いをしたといった経験がある可能性があります。 元々プライドが高いのにも関わらず、他人からバカにされたという経験をしてしまうと、「もうあんな思いをしたくない」という思いから、傲慢な態度をとって、相手より弱い立場になることを避けようとします。 つまり、「傲慢な態度」をとることで自分を守ろうをしているのです。
「傲慢な人」は、「プライドが高い」ということを上述しましたが、「プライド」とは「自尊心」であり自分自身で自分のことを評価しているものであり、周りからの意見を取り入れているものではありません。 つまり、自分のことを主観的に見ているということなので、自分を見つめなおすこともできず、プライドが暴走して「傲慢な態度」となってしまうのです。
「部長」や「社長」というような役職についている人を見て「傲慢な人だな」と感じたことがあるのでしはないでしょうか。 ドラマや漫画などでも、暴言をはいたり横柄な態度をとっている上司にペコペコしている部下の様子が描かれていることがよくありますよね。 実際に、立場が上になっていくにつれて「傲慢」になっていく人も少なくありません。 組織から認められて昇進しているということで、それだけ自分に自信がついていていくので部下といった自分より目下の人間に対して傲慢な態度になってしまうのです。
「傲慢な人」の物の言い方や、態度に傷ついてしまう人もいるかと思いますが、気にすることはありません。 「言い方がきつい人なんだ」ということを頭にいれて、言葉の一つ一つを重く受け止めるのをやめましょう。 明らかに自分に非がある場合は素直にあやまり、同じミスを繰り返すことのないよう意識して今後取り組めば、その後ネチネチ言われたとしても「また言ってるな・・・」をさらっとスルーしても問題ありません。 真摯に受け止めすごないことが大切なのです。
「傲慢な人」は、「自分が一番すごい・正しい」ということをアピールしたいので、とにかく「すごいえですね!」など褒めるようなことを言っておだてておきましょう。 会う度に褒めればいいというわけではありませんが、「武勇伝を語りだした」といった場合など「すごいって言われたいんだな」と感じる場面ってりますよね。 そういった場合は褒めてとりあえず相手を満足させましょう。
「傲慢の人」はプライドが高いので、反論されることを嫌います。 変に対抗してしまうとめんどくさいことになりかねませんので、よっぽど指摘しなければいけないこと以外は、ぐっと堪えたほうが無駄にイライラすることなく平和に過ごせます。 とにかく気にしないのが一番です。
「傲慢な人」と一緒にいるのは、ストレスをためてしまう原因になり得ることです。 職場の上司であれば、プライベートで関わる必要はありませんし、きちんと割り切って必要最低限の関わりに留めておきましょう。 挨拶をする・業務連絡をきちんとするなど基本的なことをしていれば、十分です。
「傲慢な人」になってしまわないために、周りの人の声に耳を傾ける癖をつけましょう。 「自分の意見だけがすべてではない」ということを頭に入れて、例え違った意見の人がいても「否定されているわけではない」という気持ちがあれば「反論しやがって!」というイラだちを抑えることができます。 とくに会社など組織に属してい場合では、協調性をもつこで周りの人との関係性も良くなっていくことでしょう。
「自分はすごい人間だ」と思い込み過ぎると、他人を下にみてしまいがちですが、どんなときでも、どんな相手にも「感謝の気持ち」をもつことは大切なことです。 例えば、自分が上司で部下が自分のために何かをしてくれたときは「そうするのが当たり前」と思わないことです。 きちんと感謝の気持ちをもって、相手に「ありがとう」と伝えましょう。
特に部下など、あきらかに自分より下の立場であると判断できるような相手にはついつい高圧的な態度をとってしまうという人も多いかと思いますが、それでは相手はあなたと一緒にいることに苦痛を感じてしまいます。 逆に自分が高圧的な態度をとられたり、高圧的な発言をされたらどうでしょうか。 相手の立場になって発言をする思いやりの気持ちをもつことを心がけるべきだと言えます。
「傲慢な人」はすぜに自分が「優れている」と思い込んでいる場合が多いので、口先だけという印象をあたえてしまいがちです。 もし「優れている」と周りからも思われたいという勘定があるならば、実際に誰よりも努力をするべきです。 周りの人のお手本になるぐらい努力することができていれば、自然と評価されていくものです。 他人に傲慢な態度をして白い目でみられるくらいなら、「まだまだ自分は成長していける」という自尊心をもちましょう。
「傲慢」の英語は「arrogance(名詞)」です。 形容詞は「arrogant」です。
She is such an arrogant person that no one trusts her.
彼女はとても傲慢な人なので、誰も信じない。
「bossy」という単語はよく使われます。 「boss(上司)」という名詞の形容詞形です。
Don't be so bossy!
そんなに傲慢な態度はやめて!
「傲慢」について理解していただけましたか? ✓「傲慢」の読み方は「ごうまん」 ✓「傲慢」の意味は「相手を見下すこと」 ✓「傲慢」は「傲慢な」「傲慢で」「傲慢だ」などの形で使う ✓傲慢」の類語は「横柄」「横風」「見高」など ✓「傲慢な人」は、自分を優れていいる人間だと過大評価しすぎる傾向にある など