誰でも「理不尽だな」と思ったことはあると思います。 そんな時どのように対処していますか? ストレスを溜め込んだり、逆上して生活しにくくなっていませんか? 今回は「理不尽」な言動への対処方法も含めて、「理不尽」について説明していきます。 まず「理不尽」の正しい意味、語源、使い方を例文付きで解説します。 また類語「不条理」との違いも説明します。 その他の類語や対義語、英語表現も紹介します。 そして、「理不尽」な言動の対処方法も紹介します。
「理不尽」は「りふじん」と読みます。 意味は「道理を尽くさないこと、道理に合わないこと」です。 物事の筋道が通っていないこと、納得のいかないことを表す言葉です。
「理不尽」が使われ始めた時期などは分かりませんが、元々の言葉があったわけではなく、漢字の意味が組み合わさりできた言葉です。 そのため、それぞれの漢字について説明します。 「理」は「物事の順序や法則、物事や整える」「物事の道理、当然であるさま」などの意味があります。 「不」は打ち消しの語であり「否定」を表す漢字です。 「尽」は「尽きる(なくなる)」「尽くす(出し切る、きわめる、果たす」「ことごとく」といった意味があります。 「理不尽」は「理」と「不尽」で分かれています。 「不尽」は「尽きない(尽くさない)こと、十分ではないこと」といった意味になります。 そこに「理」がくっつき、「十分ではない道理、尽くさない道理」ことを表しています。
「理不尽」は主に他人の言動や企業の対応などに対して使われることが多くあります。 誰かの故意による道理に合わない言動を「理不尽だ」とよく言います。 そのため日常生活においても、ビジネスシーンにおいても使われている言葉です。 ただ、「理不尽だ」と相手に伝える際にひとつ注意しなくてはならないのが、自分自身にとっての道理と相手(または他人)の道理が全く同じものではないということです。 「理不尽」だと思うことも、相手にとっては「理不尽」ではなく道理にかなっているとことかもしれません。 「理不尽である」と思ったことを相手に伝える際には注意しましょう。 また「理不尽」の言い回しは「理不尽な」が主に使われています。 「理不尽な話」「理不尽な出来事」「理不尽な扱い」などと名詞と組み合わさって用いられています。 他にも「理不尽である」「理不尽さ」などとも使われています。 詳しくは例文をいくつか紹介するので参考にしてみてください。
「前の職場はあまりに理不尽なことを言う上司ばかりだったので退職した」 「最近の教育の場では、一部の保護者が学校に対して理不尽な要求をすることも少なくない」 「最近振られたばかりの彼女は、幸せそうな人に理不尽な怒りをぶつけていて惨めだ」 「こんなにも理不尽な扱いを受ければ、いくら新人とはいえ思うことはたくさんある」 「部長は理不尽なことばかり言うので『理不尽おじさん』と呼ばれている」
よく似た意味を持つ二つの言葉にの違いについて説明します。 まずは、それぞれの意味を比較してみます。 「理不尽」は、「道理を尽くさないこと、道理に合わないこと」 「不条理」は、「物事の筋道が立たないこと、道理に合わないこと」 どちらも「道理に合わないこと」を表す言葉です。 しかし、使う場面が異なります。 「理不尽」は他人の言動が理屈に合っていなくて納得できない場合に用いられ、それに対して「不条理」は意思によらない出来事や境遇などがどうにもならない場合に用いられることが多くあります。 微妙な違いですが、状況などに合わせて使い分けましょう。
○「不条理」を用いた例文 「不条理にも、戦争は今もなお世界のどこかで起こっている」 「世の中は不条理なことばかりで、それでも生き抜いていかなければならない」 「彼は不条理な境遇にいながらも、必死に努力している姿にみんなが感動した」
○無理無体 意味:相手の意向に構わず強いて物事を行うこと、無法に強制すること ○筋違い 意味:道理にかなわないこと、条理にはずれていること ○不合理 意味:道理に反していること、論理にかなっていること ○非論理的 意味:論理的ではないこと、論理に合っていないさま、筋道が通っていないさま ○背理 意味:道理に背くこと、理にもとること ○無茶 意味:筋道がたたないこと、道理に合わないこと ○滅茶苦茶 意味:まったく筋道のたたないこと、前後を考えずに事を行うこと
○正当 意味:道理にかなっていること、正しいこと、理の当然であること ○適正 意味:適当で正しいこと、またそのさま ○道理 意味:物事の当然の筋道、物事のそうあるべきこと、正しい論理 ○合理 意味:道理にかない正当であること、論理の法則にかなっていること
ビジネスシーンでは「理不尽」な場面に遭遇することがあります。 例えば上司による「理不尽な言動や扱い」、また顧客や取引先からの「理不尽なクレームや注文」などがあります。 他人(相手)による言動であるため、完全に避けて通ることは難しいです。 しかし「理不尽」な言動への対処方法を知っておけば、ストレスを軽減したり仕事がスムーズに進んだりすることができます。 いくつか紹介しておきますので、頭に入れておいてみてください。
まず大事になってくるのが、「理不尽」なことで頭に血が上っても「冷静さ」を保つことです。 反抗したり逆上してしまっては、自分が不利な立場になってしまいます。 どんなことを言われたり、されたりしたとしてもまず「冷静」になりましょう。 その上で「私はこうだと思う」「今のは間違っているのではないか」と伝えましょう。 また、「理不尽」な言動をする人に「正当」な言葉は通用しないことが多くあります。 むしろ通用するのであれば「理不尽」な言動はしませんよね。 「何言っても無駄だな」と、冷静に対応するようにしましょう。
対処方法のひとつとして「ひとつの意見として受け入れる」が挙げられます。 「理不尽」であっても、本人からしたらそれが道理なのかもしれません。 そういった意見もあるんだなぁ、と受け入れてみましょう。 その時はおかしいな、と思っても後にその意見がなんかのヒントになることもあります。 寛容な心と柔軟性を持ち、相手の言葉に耳を傾けてみましょう。
「理不尽」な言動をする人の中には、あえて理不尽な言動をしている場合があります。 何か他に伝えたいことがある場合や、逆上させて相手を不利な立場に陥れようとしている場合、はたまた他のことで怒っているが言えずに怒りをぶつけている場合などがあります。 いかなる場合であっても「理不尽」な言動をすることは間違っていますが、ただそのまま「理不尽」な言動を受け入れてストレスを溜めたり逆上したりしないよう注意しましょう。 なぜ今そのようなことを言ったのか、そのようなことをしたのか、を考えてみましょう。
感情的に「理不尽」な言動をしている人もいます。 まずは冷静になってもらうようにしましょう。 例えばクレームの場合、電話などで繋がる前にアナウンスで「この電話は録音しています」と流れるだけで、理不尽な言い方や攻撃的な言い方ではなくなるといいます。 また、「理不尽」なことをすごい勢いで言ってくる人に対して「大きな声を出さないでください」などと伝えると、はっとして言い方が変わるといいます。 人は、感情的になると理性が保てずに、本来なら羞恥や良くないと感じることを後先考えずに行ってしまいます。 しかし、そういった言動が逆鱗に触れヒートアップする場合もありますので、時間を置いたり対応する人を変えたりなど、対処するようにしましょう。
「理不尽」の英語表現は結構色々なパターンが考えられます。 「理不尽」に一番近い英単語は「unreasonable」です。 「un+reason+ble」が単語の成り立ちです。 「reason」は「理由」という意味で、そこから転じて「reasonable」は「合理的、理にかなっている」という意味になります。商品に対して使うと「価格がお手頃」という意味になります。日本語でも「リーズナブル」と言いますよね。 その「reasonable」を「un」で打ち消して「理不尽、道理に合わない」という意味になります。
It's unreasonable to expect a kid to understand it.
子供にそんなことを理解するよう求めるのは理不尽だ。
He is such an unreasonable boss that no one likes him in the company.
彼は理不尽な上司なので、社内の皆が彼を好んでいない。
「unreasonable」以外にも「理不尽」というニュアンスを英語で表現することは可能です。 ネイティブは日常会話では下記のような表現をよく使います。
などです。
What she is saying does not make any sense.
彼女の言ってることは全くの理不尽だ。
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「理不尽」について理解できたでしょうか? ✔「りふじん」と読む ✔意味は「道理を尽くさないこと、道理に合わないこと」 ✔主に他人の言動や企業での対応について「理不尽」と使う ✔類語の「不条理」とほぼ同じ意味を持つが、使う場面が異なる ✔「理不尽」な言動への対処は、「冷静になること、冷静になってもらうこと」が第一 まずは、自分が「理不尽」にならないよう日々の言動には注意しましょう。