「お勤めご苦労様」は仕事をした人や、任務・義務を果たした人に対する労いの言葉です。主に公務員の定型句として使用されます。今回は「お勤めご苦労様」の意味や使われ方を解説します。「お勤めご苦労様」の類語や英語表現も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「お勤め」は「勤め」に接頭語「お」をつけた言葉です。 「勤め」の意味は
です。 「ご苦労様」は「仕事や作業などに従事した人への苦労をねぎらう言葉」です。 したがって「お勤めご苦労様」は仕事をした人や、任務・義務を果たした人に対する労いの言葉です。
「ご勤めご苦労様」は、「勤め」に接頭語の「ご」をつけています。 接頭語「ご(お)」の敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにでもなりえます。 「お勤め」の「お」も同様です。 目上の人が勤めるならば「お勤め」の「お」は尊敬語です。 自分が勤めるならば「お」は謙譲語になります。 「勤め」という言葉をただ丁寧にいうだけなら「お」は丁寧語です。 「お勤めご苦労様」は、相手の勤めを労う言葉なので「勤め」につく接頭語は尊敬語になります。
「お勤めご苦労様」は目上の人に使用することはできません。 なぜなら、「ご苦労様」は、目上の人が目下の人に対して使う言葉だからです。 「ご苦労様」は時代劇などでよく見聞きする、殿様から家臣に対しての言い回し「ご苦労であった」が転じたものとされています。 このことから「ご苦労」は立場が上の人が目下の人に使う言葉ということが分かります。 「よく頑張った」というニュアンスがあり、目上の人に使ってしまうと上から目線な印象を与えてしまうため、目上の人に使用するのは避けるべきです。
「お勤めご苦労様」は、相手の努力や尽力をねぎらう表現で、例えば、お願いした仕事を終えた相手に対して「ありがとう。お勤めご苦労様です」と言ったりします。 上述したように、基本的には目下の相手に対して使用する労いの言葉です。 ただし、「お勤めご苦労様」は警察官や役所など公務員の間では定型句として使用されていて、この場合上下関係は関係なく使用されます。
「お勤めご苦労様です」は、ヤクザ映画でよく聞くセリフです。 主に、刑期を終え出所してきた仲間に対する労いの言葉として使用されます。 ヤクザの世界においても上下関係は関係なく使用されます。 一般人でもシャバに出てきたときにいうことがあります。 この時の「おつとめ」は「お勤め」ではなく「お務め」で、義務を果たしたことに対する労いの言葉であると考えられます。
「お勤めご苦労様」と言われたら、「ありがとうございます」とお礼を伝えたり「またよろしくお願いします」などと返事をすれば良いでしょう。 「お勤めご苦労様で」は労いの言葉なので、労いの言葉をかけてくれたことに対してまずは「ありがとうございます」とお礼を伝えます。 そして、明日も勤務があるのであれば「明日もよろしくお願いします」など返事をするのが丁寧で良いでしょう。
「お疲れ様です」は、「相手の労苦をいたわる、労う」という意味です。 「お疲れ様です」も、相手を労う言葉なので本来目下の人に対して使用する言葉です。 しかし、現代では立場関係なく「お疲れ様です」を使用している人が多く、目上の人に対して使用しても問題ありません。 間違った使い方でも多くの人が使用することで常用化されることはよくあります。 日常的に使うのであれば「お勤めご苦労様です」よりも「お疲れ様です」のほうが自然です。
退職をする人にかける「お勤めご苦労様です」は、「ご退職おめでとうございます」と言い換えることができます。 「ご退職おめでとうございます」は、部下や上司など上下関係なく使用することができる言葉です。 これまで勤めてきたことに対する労いや、お世話になったことに対する感謝の気持ちを「ご退職おめでとうございます」で伝えることができます。