「よんどころない」の意味は「そうする他にどうしようもない、仕方がない」です。「よんどろない事情で」など耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。今回は「よんどころない」の意味と語源、使い方を解説します。また「よんどころない」の類語表現や英語表現も合わせて紹介しますので是非参考にしてください。
「よんどころない」の意味は「そうする他にどうしようもない、仕方がない」です。 それ以外に取るべき方法がない・やむを得ないということを言い表わす言葉です。 「よんどころない」の漢字は「拠ん所無い」「拠無い」です。 「よんどころない」は方言ではなく、全国で使用されている言葉です。 「よんどころない」の語源は「拠り所(よりどころ)」という言葉です。 「拠り所」とは「支えとするところ・頼るところ」という意味です。 「拠り所なし」で、「頼りにするところがない・支えがない」という意味になり「他にどうすることもできない」という意味で使用されるようになりました。 さらに、「拠り無し」が音便化され「よんどころない」と言われるようになりました。 「音便化」とは、単語中の1音が別の音に変化することです。
「よんどころない」は、何か理由があるため仕方なくそのことをする、そうする他にやりようがないことを相手に伝えるときに使用されます。 例えば、飲み会などに誘われた時に「よんどころない」を使用して、「本当は行きたいけれど、断らずを得ない」と伝えることで、相手に角が立ちません。 「よんどころない」は、ビジネスシーンなどかしこまった場面で使用することができます。 ただし、「よんどころない」は敬語ではありません。 上司など敬意を示すべき相手に使用する場合は、前後を敬語表現に変えて敬意を示す必要があります。 「よんどころなく」の形で副詞に使うことができます。 「いやいや」「しぶしぶ」という意味です。
例文
「やんごとない」の意味は「身分や地位が高い、極めて尊いこと、高貴であること」です。 ただ「身分が高い」ではなく、「地位が高くて近寄りがたい」というニュアンスが含まれます。 「やんごとない」は漢字で表すと「止ん事なら無い」となります。 元々「やんごとない」は「やむ事無し」という言葉で、「放っておけない」「なおざりにできない」という意味がある言葉でした。 そこから、だんだんと「大切にするべき、重んじるべき」という意味で使われるようになりました。 「やんごとない」は、とても身分や地位が高くて、高貴な人を表すときに使用されます。
例文
「のっぴきならない」の意味は「引き下がることも逃げることもできないこと」です。 思い通り行動することができない、逃げることができなくてどうしようもないことを表します。 「のっぴきならない」は漢字で表すと「退っ引きならない」となります。 「退いたり引くこと」を意味する「のっぴき」+「ならない」で成り立っています。二つを組み合わせることで、「身動きが取れない状態」を意味します。 「のっぴき」単体で使うことはなくて、主に「のっぴきならない」という形で使います。 「のっぴきならない用事」「のっぴきならない状況」「のっぴきならない状態」といったように使います。
例文
和英辞典を引くと「よんどころない事情」が「unavoidable circumstances(避けることができない状況)」と出てきます。 これはあまりに直訳すぎます。ネイティブはあまりこのような表現は使用しません。 それよりも下記の表現が自然です。
I'm sorry, but I have already plans, so I can't make it on that day.
申し訳ないですが先約があり、その日は伺うことができません。
I'm not available on that day.
その日は都合が悪いです。
I've got to do something else today, so could you please change the date?
今日はやることがあるので、日にちを改めてもらえますか。
「よんどころない」の英語は「reluctantly」です。
He reluctantly agreed to step down as Prime Minister.
彼は首相を辞任することによんどころなく同意した。