「ご教示いただけると幸いです(ごきょうじいただけるとさいわいです)」は、教えてもらえると嬉しいですという意味です。ビジネスメールで知識や方法などを教えてほしいとお願いをするときに使います。
「ご教示」は「ごきょうじ」と読みます。 「ご教示」の意味は「教え示すこと」です。 具体的にどうしたらいいかを教えることをいいます。 「教示」についている「ご」は尊敬を表す接頭辞です。
接頭辞「ご(お)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。
この場合の接頭辞「ご」は、相手が教示することに対してつけてるので尊敬語ですが、「ご〜いただく」で一つの謙譲表現と解釈する場合もあります。
「いただけると」の意味は「もらえると」です。 「いただけると」の「いただく」は、「もらう」の謙譲語です。 「ご教示いただけると」で「教示してもらえると」という意味になります。
「幸いです」は「さいわいです」と読みます。 「幸いです」は、そうしてもらえるとありがたい・幸せだという気持ちを表します。 「幸い」に丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 したがって「ご教示いただけると幸いです」で、「教示してもらえると嬉しいです」という意味になります。
「ご教示いただけると幸いです」は、ビジネスメールなどで知識や方法を教えてもらいたいと依頼をするときに使います。 例えば、見積書の作成方法など仕事上必要な知識を教えてもらいたいときです。 また、目上の人のスケジュールや意見を聞きたい場合にも使うことができます。 文中で使われることがほとんどですが、「ご教示いただけると幸いです。よろしくお願いたします」などと文末に結びの言葉として使うこともあります。
【件名】 募集職種についてのお問い合わせ 【本文】 アイウエオ株式会社 ご採用担当者様 突然のご連連絡失礼いたします。 現在○○大学経済学部経営学科の斎藤と申します。 貴社の採用情報を拝見しご連絡させていただきました。 技術開発職を募集とのことですが、応募をする際に必須の資格などはあるでしょうか。 詳しい情報をご教示いただけると幸いです。 ご多忙の折恐縮ですが、ご返信くださいますようお願い申し上げます。 〒123−4444 東京都○○区○○1234 電話番号:090−1111−2222 メールアドレス:chikuwa@chikuwa.com 斎藤一代
【件名】 弊社製品に関する説明の日程に関して 【本文】 タチツテト株式会社営業部 三ツ谷様 いつもお世話になっております。 株式会社マミムメモ物産営業部の麗日です。 先日お問い合わせいただきました弊社製品の取り扱いについて、ご要望いただいた通り私どもから直接ご説明させていただきたく存じます。 私が担当者に同行し2名で貴社へ伺います。 下記の日程のご都合はいかがでしょうか。 9月8日(水)11:00〜12:00 9月10日(木)14:00〜15:00 9月15日(水)14:00〜15:00 ご都合の良い日程をご教示いただけると幸いです。 上記日程で差し障りがございましたら、お手数ですがご都合の良い日をお知らせくださいますようお願い申し上げます。 麗日
【件名】 貴社製品に関するお問い合わせ 【本文】 あいうえお株式会社 営業部 高田様 突然のご連絡失礼いたします。 株式会社かきくけこの丸山と申します。 この度貴社のカタログを拝見しご連絡いたしました。 貴社製品「△△△」の購入を社内で検討しております。 つきましては、使用方法など詳しくご教示いただけると幸いです。 お忙しいとは存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。 丸山
【件名】 商品値引についてのご相談 【本文】 林部長 お疲れ様です。営業部の遠藤です。 取引先である株式会社ABC様より、商品の値引きについての交渉がありました。 株式会社ABC様は、10%の値引きを希望されております。 承諾すれば月間の注文数を増やすというお話もいただいております。 このような場合、どうすれば良いのでしょうか。 先方への対応についてご教示いただけれると幸いです。 ご多忙の折恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。 遠藤
「ご教示いただけると幸いです」と似た敬語表現に、「ご教示いただければ幸いです」があります。 「ご教示いただければ幸いです」の「ご教示いただければ」は、「教示」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と仮定を表す「れば」をつけた敬語表現です。 「ご教示いただければ幸いです」で、「教示してもらえれば嬉しいです」という断定を避けた依頼表現になります。 「ご教示いただけると幸い」と「ご教示いただければ幸い」は、どちらも目上の人に使える丁寧な敬語表現ですが、仮定の表現を使った「ご教示いただければ幸いです」のほうが謙虚で丁寧な響きがあります。
「ご教示いただけると幸いです」は、「ご教示いただけましたら幸いです」とすると、より丁寧になります。 「ご教示いただけましたら幸いです」の「ご教示いただけましたら」は、「教示」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」、仮定の表現「たら」をつけた敬語表現です。 「ご教示いただけると」は尊敬語と謙譲語を使用した敬語表現で、「ご教示いただけましたら」は謙譲語と謙譲語、丁寧語を使用した敬語表現なので、「ご教示いただけましたら幸いです」のほうが丁寧な敬語表現です。
「賜れれば幸い」は、「もらう」の謙譲語「賜る(たまわる)」に仮定を表す接続助詞「れば」をつけた敬語表現です。 「賜れれば幸い」で、「もらえると嬉しいです」と依頼をする丁寧な表現になります。 「いただけると幸い」と「賜れれば幸い」は、どちらも「もらう」の謙譲語をつかった敬語表現ですが、「賜る」が、「いただく」より一段と恐れ多いという気持ちを込めた謙譲語として用いられるため、「賜れれば幸い」のほうが丁寧でよりかしこまった表現です。
「幸いです」と似た敬語表現には「幸甚に存じます」があります。 「幸甚に存じます(こうじんにぞんじます)」は、「幸甚」と丁重語「存ずる」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「幸甚」は、「何よりの幸せ」「この上ない幸せ」「最上級の幸福」「幸せの極み」「大変ありがたい思う」という意味です。 「存ずる」は、「思う」の丁重語です。 丁重語とは謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で謙譲語と同じですが、謙譲語とは違い、動作の対象ではなく自分が今話している相手に敬意を示す敬語です。 「幸甚に存じます」で、「この上なく幸せに思います」という意味になります。 丁寧語のみを使った「幸いです」よりも、丁重語と丁寧語を使った「幸甚に存じます」のほうが丁寧な敬語表現です。 また、「幸い」よりも「幸甚」のほうが堅い表現であるためフォーマルな場面に適しています。 ただし、かしこまりすぎて仰々しい印象を相手に与え、かえって失礼になってしまうので、社内の人に使う場合は「幸いです」のほうが適しています。
「ご教示いただけると幸いです」は、クッション言葉を併用することでより丁寧になります。 クッション言葉とは、相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことです。ビジネスシーンでは様々な状況で使われます。 クッション言葉を使うことで直接的な表現をさせることができ、丁寧で柔らかい印象を与えることができます。 クッション言葉には、
などがあります。
「ご教示ください」は、「教示」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「くれ」の尊敬語「ください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、目下の人や同等の立場の人に対して使うのは問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。 「ご教示くださいませ」とすると柔らかいニュアンスになります。 「くださいませ」は、「ください」に「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」とすることで、「くれ」を丁寧にするだけでなく柔らかい印象を与えることができます。
「ご教示いただけますか」は、「教示」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 「ご教示ください」では丁寧さに欠けますが、「教示してもらえますか」と疑問形にすることで、柔らかい依頼の表現になります。 「ご教示いただくことは可能でしょうか」は、「教示してもらうことはできるだろうか?」と可否を確認する表現で、依頼をするときに使用される正しい敬語表現です。 しかし、やや強意的であるためビジネスシーンでは使用を避ける人もいます。
「ご教示願います」は、「教示」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「願う」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご教示願います」も正しい敬語表現ではありますが、「願います」が「願う」という言葉の丁寧語であるという点で丁寧さに欠ける(謙虚な態度が感じられない)表現であるため、親しくない上司や社外の人に対して使うは避けた方が無難です。 上司や社外の人に使用する場合は、「お願いいたします」などより丁寧な敬語表現を使用しましょう。
「ご教示のほど」は、「教示」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、婉曲表現の「ほど」をつけています。 「ほど」は、断定を避ける表現です。 「ご教示のほどよろしくお願いいたします」で、相手に強制することなくお願いをすることができます。 「ほど」は漢字で書くと「程」ですが、漢字にはしません。 「程」の本来の意味は、「物事の経過に伴う様子、程度」です。 そこから転じて断定を避ける表現として用いられています。 このように、本来の意味とは違う使い方をする場合は、漢字ではなくひらがな表記にします。 「お願いいたします」は「お願いする」という意味の依頼表現です。 「お願いいたします」は、「お願いする」の謙譲語+丁重語+丁寧語です。 「お」は謙譲語で、動作の対象を敬う接頭辞です。 「いたす」は丁重語で、聞き手・読み手を敬う補助動詞です。 「お願いいたします」の「ます」は丁寧語です。 「いたす」は漢字で「致す」と書きますが、補助動詞は平仮名で表記するという決まりがあるので、「お願いいたします」と書くのが正しいです。
「ご教示くださいますようお願い申し上げます」の「ご教示くださいますよう」は、「教示」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「くださいますよう〜」とすることで、断定を避けた柔らかい依頼表現になります。 「お願い申し上げます」は、「お願いする」の謙譲語です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 「お願い申し上げます」の「ます」は丁寧語です。 「申し上げる」も補助動詞なので「お願いもうしあげます」と書くのが正しいですが、慣用的に「お願い申し上げます」と漢字で書かれることが多いです。 「ご教示いただきますようお願い申し上げます」とすることもできます。 「いただきますよう」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語の「ます」と婉曲表現の「よう」をつけています。
「ご教示いただきたく存じます」は、「教示」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご教示いただきたく存じます」で、「教示してもらいたいと思います」と柔らかくお願いをする表現になります。 「ご教示いただければと存じます」とするとより丁寧です。 「いただければ」は、上述した通り「してもらえたら〜」という仮定の表現で願望を表す丁寧な言い回しです。
「ご教示賜りますようお願い申し上げます」は、非常に丁寧な依頼表現です。 「賜りますよう」は、「もらう」の謙譲語に丁寧語「ます」と婉曲表現の「よう」をつけた敬語表現です。 「ますよう」は、丁寧語の「ます」に婉曲表現の「よう」をつけた「ますよう」をつけることで直接的な表現を避けることができるので、ただ「お願いします」とお願いするよりも柔らかい印象になります。 「ご教示賜りますようお願い申し上げます」で、「協力してもらうようお願いをします」という意味になり、丁寧にお願いをすることができます。
「ご教授」は「ごきょうじゅ」と読みます。 「ご教授」の意味は「学問・技術・技能などを教えること」です。 訓練や鍛練が必要なものを継続的に教えて欲しいとお願いをするときなどに使います。
「ご指導」は「ごしどう」と読みます。 「ご指導」の意味は、「知識・技術などを習得できるように教え導くこと」です。 目上の人に知識や技術を教えてほしいとお願いをするときなどに使います。
「ご指示」は、「ごしじ」と読みます。 「ご指示」の意味は、「それと指さすこと・指図すること」です。 「ご指示を仰ぐ」などと使われることも多いです。 「ご指示を仰ぐ」は、上司などに何らかの指導を受ける・指示を求めることをお願いすることを表します。
「ご指南」は「ごしなん」と読みます。 「ご指南」の意味は、「南を指すこと・教えを示すこと」です。 「指南」は「武術・芸能などを教え示すこと」を意味していて、「剣道を指南する」「将棋のご指南願います」といったように使います。
「ご提示」は「ごていじ」と読みます。 「ご提示」の意味は「相手に差し出してみせること・考えなどを相手に示すこと」です。 例えば免許証や保険証などの身分を証明する為のものを見せてもらいたいときや、特定の成果物を提出する場面で多く使われます。 また、「都合のいい日程をご提示ください」などと、考えや意見を求めるような場面でも使うことができます。
「ご助言」は、「ごじょげん」と読みます。 「ご助言」の意味は「役に立つような言葉を添えて助けること、その言葉」です。 「口添え」という意味合いで、主に目上の相手にアドバイスを求めるときに使います。 ただし、「ご助言ありがとうございます」というようにお礼の気持ちを伝える場面では使用することはできないので注意してください。