「ギャップ(gap)」という言葉を知っていますか?何となく知っているが正しい意味と使い方をちゃんと理解している人は意外と少ないかもしれません。そこで本記事では「ギャップ」という言葉の意味や語源、類語、対義語、業界別の使い方を例外付きで解説していきます。
「ギャップ」の元の意味は「割れ目(破れ目)、切れ目、すき間、間隙 (かんげき)」です。
カタカナ語「ギャップ」の語源は、英語「gap」です。 英語「gap」は、「割れ目(chasm)」を意味するノルウェー語「gap」が語源です。
などと使います。
A wind blew throughout a gap between the curtains.
カーテンの隙間に風が通った。
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「ギャップ」の原義は「割れ目、裂け目」ですが、そこから転じて「意見や考え方、見解などの相違、不一致、食い違い」という意味で使うことがほとんどです。
という言い回しをします。 この意味での代表的な使い方は、「ジェネレーションギャップ」です。「ジェネレーションギャップ」は「世代間のへだたり」というニュアンスです。 年齢が違えば、人生に対する価値観から食べ物や音楽の趣味など色々と相違点がありますよね。このことを意味する言葉が「ジェネレーションギャップ」です。
例文
「ギャップ」は人に対して使うこともあります。 人の性格と見た目に大きな違いがあったり、普段の姿からは想像できない意外な趣味などがあった場合にも、その相違も「ギャップ」と表現します。 クラスで全く存在感のない眼鏡女子が眼鏡を外したら実は超絶美人だった、優等生タイプの男子が特定の分野ではドジ、メイクが濃いギャルの性格が超乙女、職場ではしっかり者の彼がプライベートでは甘えん坊などなど、人のギャップには色々な例があります。 その違いに胸がキュンッとすることを「ギャップ萌え」です。 「ギャップが激しい」「ギャップ女子(男子)」などの表現もあります。
例文
「ギャップ」の類語は、
などがあります。
「ギャップ」の対義語は、
などです。
皆さんもご存知かと思いますが、「GAP」はファストファッションのブランド名でもあります。 米国サンフランシスコに本社を構えており、日本でもたくさんのチェーン店舗を展開しています。
「GAP」は「Good Agricultural Practice」の頭文字を取った略語でもあります。 「Good Agricultural Practice」は「農業生産工程管理」の意味で、食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取組のことです。
登山用語「ギャップ」は、「稜線(山の尾根)がV字形に深く切れこんでいる所」を指します。 「ギャップ」は日本語では「キレット」といいます。漢字は「切戸」と書きます。 「ギャップ」は登山の難易度が高く、コアの登山家から人気で、特にアルプスの「キレット」が人気です。
スキー用語「ギャップ」は「斜面上の凹凸」を指します。 人為的にギャップを作り、スキーを滑る競技を「モーグル」といいます。
森林生態学で「ギャップダイナミクス」という言葉があります。 「ギャップダイナミクス」とは森林の一部が破壊されてはまた復活し均衡が保たれている状態を指します。 森林における「ギャップ」は、森林を通り過ぎて地面に光があたる隙間を指します。
生物用語「ギャップ結合」は「細胞間をつなぐ結合組織の一種」を指します。(かなり専門的な言葉なので詳細は割愛します...) 関連語には「ギャップフィリング」「ギャップ遺伝子」などがあります。
経済用語の「需供ギャップ」は「GDPギャップ」とも言われ、「一国の経済全体の総需要と供給力の差のこと」を指します。 「需供ギャップ」がプラスの時は「需要<供給」で、物余りの状態です。「デフレギャップ」といわれ、物価が低下する傾向にあります。 「需供ギャップ」がマイナスの時は「需要>供給」で、生産が間に合っていない状態です。「インフレギャップ」といわれ、物価が上昇する傾向になります。 例えば、日本は十分な生産技術、輸入相手国がありながら、人口が減少しているので、長期的なトレンドとして「デフレギャップ」にあたります。 そのため物価が低く抑えられています。
「ギャップ」という言葉は株の世界でも使用され、「窓」を意味します。 株用語の「窓」とは、ローソク足と次のローソク足の間にできる隙間を指します。
製造業用語「ギャップレース」は「切り落とし旋盤」を指します。 「切り落とし旋盤」とは、往復台の一部が切り落とされていて、直径の大きなものを削るのに使う機械を指します。
サッカーで使われる「ギャップ」は「相手の選手間にできるスペース」を意味します。 そのスペースで前を向いてボールのパスを受ければ有利になります。
「イメージギャップ」とは「相手のイメージと実際の姿の違い」を指します。 特に国に対して使うことが多く、相手国の印象と本当のあり方に差異が見られたときに使用されます。
電子工学用語「ギャップセンサ」とは「触れずに物体間の距離を計測する機械」を示します。 歪みや回転、振動、加速度など色々な測定に使用することができます。