「真摯に受け止める」は「真面目に自分の問題として自覚する」という意味で使用される言葉です。謝罪をする場面などでよく耳にする言葉ですよね。今回は「真摯に受け止める」にの意味と敬語、正しい使い方を例文付きで紹介します。「真摯に受け止める」の類語表現や英語も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「真摯に受け止める」は「しんしにうけとめる」とよみます。 「真摯」の意味は「真面目でひたむきな様子」です。 一生懸命に物事に取り組むことを「真摯」といいます。 この場合の「受け止める」は、「自分の問題として自覚する」という意味で使われています。 したがって、「真摯に受け止める」は「真面目に自分の問題として自覚する」という意味で、「重く受け止める」というニュアンスを含みます。
「真摯に受け止める」という言葉自体は敬語ではありません。 目上の人に対してやビジネスシーンなどかしこまった場面で使用する場合は、敬語表現にする必要があります。 「真摯に受け止める」を敬語表現は、
です。 「真摯に受け止めます」は、「真摯に受け止める」に丁寧語の「ます」をつけた敬語表現です。 「真摯に受け止めております」は、「真摯に受け止める」に「いる」の丁重語の「おる」と丁寧語の「ます」をつけた敬語表現です。 丁重語とは動作の対象ではなく話を聞いている相手に敬意を示すために使用される敬語です。 例えば「昨日から弟の家で勉強をしております」の「おります」は、弟へ敬意を示しているのではなく話を聞いている人に敬意を示している「丁重語」です。 「真摯に受け止めていらっしゃいます」だと「いる」の尊敬語である「いらっしゃる」を使用した敬語表現になります。 尊敬語なので、目上の人が真摯に受け止めていることを伝えることができます。 ただ、尊敬語で使うことは稀です。 また「真摯に受け止め○○○いたします」というように、後ろに丁寧な敬語表現を続けることで、目上の人やかしこまった場面で使用することができます。
「真摯に受け止める」は、ビジネスシーンをはじめとした厳粛な場面で申し訳なさを伝えるために使用されます。 例えば、指摘を受けたときに「自分の問題として重くうけとめます」という意味で「真摯に受け止める」という言葉を使います。 「良い評価をもらった時」などには「真摯に受け止める」という表現は適していません。 不祥事がおきたときなどは、「真摯に受け止める」を使用することにより、「起きてしまったことを重く受け止め、今後改善に努めていく」という問題に対する真面目な姿勢を相手に伝えると共に、「申し訳ございませんでした」と謝罪の言葉を述べます。 「真摯」という言葉自体には、ネガティブな意味はありません。 「真摯な態度」「真摯な努力」「真摯に対応する」「真摯に考慮する」「真摯敢闘(かんとう)する 」なら「真面目でひたむきに」というポジティブな意味で使用されます。 「真摯敢闘」は「最後まで諦めずに戦っていく」という意味です。 「真摯」という言葉がネガティブな場面でだけ使用されるわけではないということを頭に入れておきましょう。
例文
「真摯に」の類語は「厳粛に」「真面目に」「重く」などがあります。 「厳粛」の意味は「真剣できびしいさま」です。 「真面目に」の意味は「本気であること」「真剣であること」です。 「真摯」に「真面目でひたむきな様子」という意味があるので、「真面目に受け止める」と「真摯に受け止める」は同義であるといえます。 ただ、「真摯に」のほうが、かしこまった場面には適しています。 「誠実に」は「言動に嘘や偽り、ごまかしなく」という意味です。 「重い」は「ことが重要である」という意味で使用されています。 例えば「重く受け止める」とした場合、「重大なこととして受け止める」という意味になります。
「受け止める」の類語には「とらえる」「考える」「取り組む」という意味があります。 「とらえる」は、「物事の特徴や本質・内容を把握する」 ある点を逃さず問題として取り上げることを「とらえる」といいます。 「考える」は、「ある物事や事柄についてあれこれと頭を働かせる」という意味です。 筋道を立てて問題や疑問を解決しようとすることを「考える」といいます。 「取り組む」は「問題を解決・処理するために熱心にとりかかる」という意味です。
例文
「真摯に受け止める」の英語は「take serisouly」です。 英和辞典には「accept sincerely」などと載っていますが、これは直訳でありネイティブはあまり使う表現ではありません。 「take sincere care of...」という表現は存在しますが、これも一般的ではありません。
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