「お休みさせていただきます」は「休ませてもらいます」という意味の正しい敬語表現です。ビジネスシーンでも休みをもらいたいときなどによく使用される表現ですよね。今回は「お休みさせていただきます」の敬語表現と、言い換え表現、英語表現を紹介します。ぜひ参考にしてください。
「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語です。 「させていただく」を使用するときは、相手からの許可が必要で、またそれを実行した場合こちら側に恩恵のある行為をさせてもらう時に使用します。 「お休みさせていただきます」は上司からの許可が必要(有給は労働者の権利なので本来は許可は不要だが、上司や人事部に黙って休むのは社会人としてマナー違反)で、休んだらこちらに明らかに恩恵があるので、正しい使い方です。 許可が必要というのは、許可を得てからではないと使えないという意味ではありません。 相手からの許可が必要なことを自分がするときに使用するということです。 したがって、「日程を変更させていただきます」なども正しい使い方です。 しかし「ご挨拶させていただきます」は不適切です。 なぜなら、挨拶をするのに許可をとるのは不自然だからです。 「お休みさせていただきます」は職場やバイトで上司や人事部に対して使うのは正しいが、社外の人やお店がお客さんに対して使うのは、その人たちから許可を得るわけではないので意味的に不自然(敬語としては正しい)であると言えます。 しかし、実際には許可を得ないことに対しても、相手を配慮し謙遜表現として「お休みさせていただきます」を使うことはあります。 ただし、「感動させていただきました」などと漠然と使用するのは慇懃無礼です。「慇懃無礼」とは、言葉や態度が丁寧すぎてかえって無礼であることをいいます。
「お休み」という名詞の形で使うのではなく「休む」という動詞で使用して「休ませていただきます」とすることも可能です。 ただし、「休まさせていただきます」は「さ入れ言葉」で誤用なので注意してください。 「〜せていただく」は五段活用の動詞、「させていただく」はそれ以外の動詞につくという決まりがあります。 「休む」は五段活用であるため、「させていただく」ではなく「〜せていただく」を使用します。
「お休みします」も、美化語の「お」と丁寧語の「ます」を使用した敬語表現です。 ただし、「お休みします」は美化語と丁寧語のみで相手に敬意を示すことができないため丁寧さに欠けます。 上司など敬意を示すべき相手に使用する場合は、敬意を示すことができる尊敬語や謙譲語を使用するほうが望ましいです。
「お休みいたします」であれば、上司に使用することができます。
です。 丁重語とは動作の対象ではなく話を聞いている相手に敬意を示すために使用されます。 丁重語は自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示す謙譲語と同じ種類の敬語で、「謙譲語Ⅱ」ともいわれます。 「お休みいたします」は美化語+丁重語+丁寧語の丁寧な敬語表現なので、目上の人に使用することができます。
「お休みをいただきます」は、正しい敬語表現ですが少し一方的な印象をうけます。 「お休みを頂きたく存じます」なら、より丁寧です。 「お休みをいただきたく存じます」の「存ずる」は「思う」の丁重語です。 「お休みをいただきたく存じます」は「お休みをもらいたいと思います」という意味になり、相手に許可を得て遠慮しながらするというニュアンスになるので、一方的な印象をうけません。 ちなみに「お休みをいただいております」なら、「休ませてもらっています」という意味になります。 例えば、取引先から電話がかかってきたときに担当の者が休みで出勤していないというときに「○○はお休みをいただいております」といいます。
「休みをもらいたい」「休みたい」と目上の人に伝えるときは、
というように疑問形にするのがベストです。 ただし、「お休みをいただけませんでしょうか」は、丁寧語「ます」の未然形「ませ」と打ち消しの「ぬ(ん)」と、「だろうか」の丁寧語「でしょうか」を使用している二重敬語です。 「お休みいただけませんでしょうか」と聞きたいのであれば、「お休みいただけませんか?」が正しいです。
「お休みをいただけないでしょうか」と、目上の人に伝えるときには「申し訳ございなせんがお休みをいただけないでしょうか」などクッション言葉を使用するとさらに丁寧になります。 クッション言葉とは、相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことです。 クッション言葉を使用することで丁寧で柔らかい印象を与えるので、「休ませてほしい」など少々言いにくい内容のときでも相手に失礼な印象を与えることなく伝えることができます。 クッション言葉には「申し訳ございませんが」の他にも
などがあります。 ちなみに「すみませんが」は避けた方がよいです。 「すみません」は「済まない」を丁寧にした表現ですが、ややくだけた印象があります。 そのためビジネスシーンなどかしこまった場面ではあまり使わないようにしましょう。 「すみませんが、」というのであれば「申し訳ありませんが」のほうが丁寧です。
「休みを取る」は英語で「take the day off」です。 「させていただく」というのはわざわざ英訳する必要ありません。
I’d like to take the day off tomorrow.
明日はお休みさせていただきたいです。