「いただく」は平仮名表記だけでなく、漢字で「頂く」や「戴く」と書くこともできます。それぞれの意味や使い方の違いについて知っているでしょうか?違いを知っておくと非常に便利な言葉になります。そこで今回は「いただく」について解説します。
「いただく」は「(物などを)もらう」「〜してもらう」の謙譲語になります。 「お中元をいただく」「確認していただく」などと使います。 相手に対して「いただく」を使う場合は「いただきます」「いただきました」と丁寧語とあわせて使いましょう。 「お中元をいただきまして、誠にありがとうございます」「部長に確認していただきました」などとなります。
また「いただく」は「食べる、飲む」の謙譲語の意味もあります。 食事をする際の「いただきます」は、「食べる」の謙譲語で「食事に携わってくれた人」や「食材そのもの」への感謝と敬意を込めて使います。 目上の人に対しても「お土産のお菓子、休憩時間にいただきました」「良ければこのお菓子いただいていってください」と使うことが出来ます。
「いただく」を漢字にすると、「頂く」になります。 「頂」を使った言葉には、「山頂」「頂上」「頂点」などがあります。このことから分かるように「頂」には、「一番上・てっぺん」といった意味があります。 「頂く」にする場合、「大切にする」「敬う」「食べる・飲む」と「もらう」の謙譲語として使用します。例えば、「頂く」は「お酒を頂く」「労いのお言葉を頂く」「お便りを頂く」といったように使うことができます。 逆に「いただく」を「頂く」と漢字表記ではなく、平仮名表記にしなくてはいけない場合があります。 「いただく」を平仮名表記として使う場合は、補助動詞として使用するときです。 ひらがなで「いただく」と書く場合は、「何かを~してもらう」という意味で使います。例えば「ご覧いただく」「お越しいただく」「ご足労いただく」といったようになります。つまり「~していただく」はひらがなで書くのが正解です。「〜して頂く」「させて頂く」は誤りになります。 また食事前の挨拶である「いただきます」も、ひらがなで表記するのが正しいです。 動詞は漢字表記、補助動詞は平仮名表記と覚えておきましょう。
<「頂く」の誤用>
(正)会議の後、私のところまで来ていただけますか。
(正)今日はお休みさせていただきます。
(正)こちらをお召し上がりいただけますか。
「いただく」を漢字で表すとき、「頂く」の他に「戴く」と表すこともできます。 「頂く」は、前述したように「食べる・飲む」の謙譲語、「もらう」の謙譲語として使用します。 一方で「戴く」は、「ありがたく受ける」「もらう」の謙譲語として使用します。 「戴」を使った言葉には、「戴天」「戴冠」などがあります。このことから分かるように「戴」には、「高く物を捧げる」「ありがたく受ける」という意味があります。 「戴く」は相手が自分より非常に上である場合や、品物に関わるときに使用されます。 「頂く」は自分の動作に対して使われることが多いのに対して、「戴く」は物品に対して使われることが多いです。「戴く」は「頂く」と違い、「大切にする」という意味は含まれないのでもらった品物を大切に保管するという意味で使う場合は、「頂く」と書く方が良いでしょう。 「頂く」と「戴く」の使い分けの例としては以下のようになります。
お菓子を頂く・・・(自分が)お菓子を食べる お菓子を戴く・・・お菓子を受け取る お土産を頂く・・・お土産を大切にする お土産を戴く・・・お土産をもらう
「頂く」と「戴く」、2つの言葉の意味するところが同じであれば、どちらを使っても間違いないということになります。 「頂く」か「戴く」か、どちらを使うか迷った場合、平仮名表記で「いただく」と書いても全く問題ありません。 また「いただく」ではなく、「頂く」か「戴く」で、迷った場合は「頂く」を使います。 理由としては「頂く」は常用漢字であり、普段はこちらを使うことが多いからです。「戴く」は常用外漢字のため、通常ではあまり使うことはありません。
「頂戴(ちょうだい)」は、「もらったものを恭しく頭上にいただくこと」という意味になります。 「頂戴」は、「頂く」「戴く」という言葉以上にうやうやしさが深まります。 「頂戴」は、人から何かをもらったり、もらったものを飲食したりするときに使う言葉で、自分のことをへりくだっていう謙譲語です。 「頂戴」は、一般的に「頂戴する」「頂戴します」「頂戴しております」といったように使います。 「頂戴します」をより丁寧にした表現に「頂戴いたします」があります。しかしこれは「頂戴」と「いたします」で二重敬語になってしまうため注意が必要です。 例えば、目上の相手から品物や書類をもらった時に「ありがたく頂戴します」というように使うことができます。
<「頂戴」の例文>
「賜る(たまわる)」は、「もらう」の謙譲語と「与える」の尊敬語の2つの意味があります。 「もらう」の謙譲語としての「賜る」は、「目上の相手からものをいただく・ちょうだいする」という意味を持ちます。 「与える」の尊敬語としての「賜る」は、「目上の相手が物などをくださる」という意味を持ちます。目上の人が、目下の人になにかをくれる(与える)という状態を表します。 「賜る」は、目上の相手の厚意からくる、物品や意見などの言葉を受け取る際に使います。 「賜る」や「賜ります」は、比較的相手を敬う意味合いが強いので、ビジネスシーンで使うことが多いです。とても丁寧な表現になるためとてもスケールが大きくなります。そのため、上司などから受けた厚意であっても親しい間柄や何度もあるようなことで使うことは、かえって軽い印象になってしまうので使い方や使い過ぎには注意が必要です。過剰な敬語使用とみられたり、慇懃無礼(いんぎんぶれい)な印象を与える場合があります。
<「賜る」の例文>
日本語の「いただく」と全く同じように使うことができる英語表現はありません。 「もらう」という意味ならば、
などを使います。
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「いただく」について理解できたでしょうか? ✔︎「いただく」には「頂く」「戴く」の漢字がある ✔︎「いただく」と平仮名表記にするときは、補助動詞として使う場合 ✔︎「頂く」と表すときは、自分の動作に対して使う場合 ✔︎「戴く」と表すときは、物品に対して使う場合 ✔︎「いただく」の類語には、「頂戴」「賜る」がある