「Thanks」は「ありがとう」を意味する英語表現です。それでは「Thanks」と「Thank you」にはどのような違いがあり、ネイティブはどのように使い分けているのでしょうか?「Thanks」の正しいニュアンスと英語圏での使われ方を詳しく解説していきます。また「ありがとう」を意味する英語表現は他にもいくつもありますよね。「Thanks」以外の「ありがとう」の英語表現も見ていきたいと思います。
※音声付き例文がありますので、発音の確認にご活用ください。なお、音声はアメリカ英語になっております。
「thanks」の解説をしていく前に、動詞「thank」の基本的な意味と使い方を解説していきたいと思います。 「thank」には動詞と名詞の2つの品詞があります。
動詞「thank」は他動詞で、 thank 人 for... の形で、「...に対して、<人>に感謝する」という意味になります。 例文を見てみましょう。
She thanked me for walking her home.
歩いて家まで送ったことを彼女は私に感謝した。
I'd like to thank you all for listening.
ご清聴いただきましたことを皆様に感謝したいと思います。
「thank」は名詞として使うこともできます。 名詞「thank」は「感謝、感謝の思い、お礼」などの意味になります。 米国には毎年11月に「感謝祭」という連休があるのですが、英語表記は「Thanksgiving Day」といいます。 「thanksgiving」は直訳すれば「感謝を与える」という意味になります。この単語も「thank」という名詞の複数形が使われています。 名詞「thank」は、「Many thanks for...」という形で「...ありがとうございます」という意味で使うことが多いです。話し言葉でも使いますが、SNSや手紙など書き言葉で見ることが多いです。
Many thanks for your understanding and cooperation.
ご理解とご協力、ありがとうございます。
「私はあなたに感謝します」という意味のフレーズである「I thank you.」の「I」を省略して「Thank you.」というフレーズが生まれました。 「Thank you」で「ありがとうございます」という意味です。 (当たり前ですが、「自分に感謝しろ」という命令文ではないですよね笑) 日本語の「ありがとう」も「有ることが難しい」と書いて「有り難い」という言葉から変化しています。 感謝の言葉は日常会話でよく使うので、時代とともに言い回しは微妙に変化してきました。 このことは、英語でも日本語でも同じですね。 「Thank you」のニュアンスを理解する上でとても大事なのが、「Thank you」は日本人が思うよりも丁寧な響きがあるということです。 日本語で「サンキュー」というと外来語であるため、カジュアルで軽いニュアンスになってしまいますが、英語の「Thank you」は丁寧な感謝・お礼であり、日本語では「ありがとうございます」が一番近いです。 そこで、「Thank you」をもっとカジュアルにした言い回しが「Thanks」になります。 「Thanks」はとてもカジュアルで友人や家族に対して使うには最適です。前置詞は「for」を使います。
Thanks for picking me up at the station.
駅までお迎えありがとう。
Thank you for coming out, everybody!
皆さん、本日はお越しいただきありがとうございます!
「Thank you」をもっと丁寧にいった言い回しが、
になります。和訳は「本当にありがとうございます」「誠にありがとうございます」などが近いです。 堅くかしこまった表現なので、友達や家族に使うと、むしろ不自然で皮肉や嫌味っぽく聞こえるかもしれません。 ちなみに「very」と「so」はどちらも強調を意味する副詞ですが、微妙に違いがあります。 「so」の方が主観的なニュアンスが強いのに対して、「very」の方が客観的なニュアンスがあります。 つまり「so」の方が話者個人の感情がこもっている響きであり、少しだけカジュアルな意味合いが強くなります。 ネイティブの中には「Thank you so very much」と言う人もたまにいますが、これは正式な用法ではないので、基本的には使用しない方が無難です。かなりオーバーに聞こえます。
Thank you so much for giving me the opportunity to give a presentation today.
本日はプレゼンテーションをする機会を頂戴し誠にありがとうございます。
「Thanks」はとてもカジュアルな言い回しなので、少しだけ丁寧な言い方をするときに使えるのが、
になります。日本語だと「どうも、どうもです、あざます、すいません」などに近いでしょう。 「どちらにせよありがとう」を意味する「Thanks anyway」という表現もネイティブはよく使います。 アメリカ人は「Thanks anyways」と言うこともあります。 初対面のカフェの店員さんなどに使うのにベストなのが「Thanks a lot」でしょう。 カジュアルな場面でも「Thanks」は初対面の人には少しカジュアルすぎると感じる人が多いです。 そんなときは「Thanks a lot」もしくは「Thank you」が無難です。 丁寧さの順番で今まで紹介してきた言い回しを並べると下記のようになります。
カジュアル Thanks ↓ Thanks a lot ↓ Thank you ↓ Thank you so much ↓ Thank you very much フォーマル
「Thanks to...」というフレーズで「...のおかげで」という意味になります。 「おかげ」という和訳からも分かるように、好ましい結果や喜ばしい状態をもたらしたキッカケとなった人や物に対して、感謝を表現する言い回しになります。 感謝する対象は、人であったり組織であったり、物など何でもOKです。 「Thanks to...」の後にネガティブな内容を置くと、皮肉や嫌味の意味になります。 類義表現である「Because of...」は「...のおかげで」「...のせいで」「...が理由で」と、ポジティブな意味でもネガティブな意味でも特にどちらでもない意味でも使えます。
Thanks to my mom, I was able to start a company and take it public.
母親のおかげで、私は起業し上場することができた。
Thanks to Bill, we missed the last train last night.
ビルのおかげで(ビルのせいで)、昨夜は終電逃したんだよな。
動詞「thank」を使った言い回しをもう一つ紹介します。 「Thank God」です。直訳すると「(私は)神に感謝する」になりますがが、「よかった、助かった」というニュアンスになります。悲しいことが発生せずに安心したときに使うフレーズです。 「Thank God!」と単体で使うこともありますが、that節のように主語+動詞が続くこともあります。(thatは省略します) ☓「Thanks God」ではないので注意しましょう。「God」に対してカジュアルに感謝しては駄目です笑 例文です。
Oh, there is my phone here! Thank God!
あ、おれのケータイここにあった!よかった〜!
Thank God I did not get hurt in that accident.
あの事故で怪我をしなくてよかった。
「Thank God It's Friday!」または「TGIF」で「花金だー!」という意味でも使います。 「TGIF」については別記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
「Thanks」はネットスラングで短くして「thx」と書くことも多いです。 「ども、あざす」などに近い感じです。 ツイッターやインスタグラムなどで見かけたことがある人も多いのではないでしょうか? 「thanks」の「an」を削除し、「ks」の部分を「x」で代用することで生まれたスラングです。 実は「thx」以外にも「あざーす」のような意味の英語スラングはいくつもあります。 「thx」の関しては、下記の別記事で詳しく書いたので、興味のある人はぜひご覧ください。
最後に「thank」以外の英単語を使い、感謝・お礼を表す言い回しを紹介していきます。
「appreciate」は「...を感謝する」という他動詞で、ビジネスシーンでとてもよく使う動詞です。 「thank」と違う点は、「thank」の目的語は「人」であったのに対して、「appreciate」は「物・事」が目的語になります。
などのフレーズで「(本当に)感謝します」という意味になります。 「be appreciated」と受け身で使うこともあります。 「I would appreciate it if you could...」の形で「...していただけると幸いです」となります。このフレーズは、ビジネスメールなどで大変よく使います。 ちなみに依頼する場合は、「Could you please...?」というフレーズも多用されます。
There is no use giving her money anymore. She never appreciates it.
彼女にお小遣いあげるの、もう無駄だよ。彼女は感謝したことないもの。
I would appreciate it if you could reply as soon as possible.
なるべく早くご返信いただけると幸甚に存じます。
形容詞「grateful」も感謝の気持ちを表すことができます。
で、「...に感謝します」という意味になります。
I am so grateful for everything you've done.
何から何まで本当に感謝いたします。
I'm so grateful that everyone here has joined this charity concert.
ここにいる皆さんが、このチャリティーコンサートに参加してくれたこと、本当に感謝します。
形容詞「thankful」も「感謝」の意味を持ちます。
の形で使うのは「grateful」と同じです。 「thankful」は「grateful」と少しニュアンスが違います。 「thankful」は、発生しなかった事象や自分がしなかった事に対して「よかった」という気持ちを表します。
I'm thankful that you didn't get involved in the matter.
例の件に君が巻き込まれていなくてよかったよ。
会話もメールも 英語は3語で伝わります
こちらの本では、「主語・動詞・目的語」のシンプルな構造で英語の文章を組み立てる方法を紹介しています。日本語を英語に直訳してしまうと、つい文章が長く分かりづらいものになってしまいますよね。ネイティブに分かりやすく伝わる綺麗な英語を身に付けたい方におすすめ書籍です!
科学的に正しい英語勉強法
こちらの本では、日本人が陥りがちな効果の薄い勉強方法を指摘し、科学的に正しい英語の学習方法を紹介しています。読んだらすぐ実践できるおすすめ書籍です。短期間で英語を会得したい人は一度は読んでおくべき本です!
今日のタメ口英語
日本語でも「〜です。〜ます」といった丁寧語ではなく、「〜じゃん。だよね」とくだけた表現を使いますよね。そんなくだけた英語表現がまとまった一冊です。リアルな生活の中で使える『タメ口英語』を学ぶことで日常会話もしやすくなるでしょう。こちらの本は超オススメです!ぜひ読んでみてください。
ビジネス英語を本気で学びたい人におすすめな英会話教室に関しては別の記事でまとめましたので(オンライン英会話、英語学習アプリも紹介してます)、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。