「アベック」という言葉をご存知でしょうか?「アベック」は「恋人同士の2人」という意味で使用されていた言葉ですが、1980年代に入るとほとんど使用されなくなり「死語」なんて言われてしまっています。今回は、「アベック」の意味や語源、使い方を詳しく紹介します。さらに、「アベック」以外の「死語」と言われている言葉も紹介します。
「アベック」という言葉の語源はフランス語の「avec」という単語です。 このフランス語の「avec」は「一緒に」という意味があって「○○と一緒に〜・・・をする」という前置詞として使われます。 つまり、英語の「with」に相当すると言えるでしょう。 一般的にはこのフランス語の「avec」が大正時代の末期に和製英語として日本に入ってきてから、当時の大学生が「二人組」という意味で「アベック」という言葉を使い始めたことをきっかけに1960年代(昭和35年頃)〜1980年代のバブル時代まで頻繁に使用されていたとされています。 しかしバブルの崩壊とともに、自然と使われなくなってきて昭和が終わる1990年にはほとんど使う人がいなくなってしまったようです。 つまり、「アベック」という言葉を使用してたのは現代でいう50代〜60代であるということです。 20代〜30代は「アベック」という言葉の意味も知っているけれど使わないといった感じで、10代になると「アベック」という言葉自体を知らない世代となってきます。 「アベック」という言葉が死語になってきてしまった背景としては、同等の意味として使用することができる「カップル」という単語が日本に入ってきたからであると考えられます。
日本で使われていた「アベック」という言葉の意味の1つ目は「恋人同士の2人」という意味です。 恋人同士や、夫婦はもちろん町中で仲睦まじくしている男女の2人(恋人同士とは限らない)をさして、「アベック」といい、基本的には「男性と女声」という2人で一つの組み合わせで「アベック」となるので、「男性同士の2人」「女性同士の2人」には「アベック」とは言いません。 上述したように元々フランス語の「avec」の意味は「〜一緒に」という意味でフランス語では「恋人同士の2人」という意味では使用されません。 つまり、「アベック」を「恋人同士の2人」というような意味合いで使用するのは、本来の意味が日本に来た時に意味合いに変化した「和製フランス語」なのです。 これは、「avec」という言葉が入ってきた時代に「一緒に」という意味であることを聞いた日本人の解釈の仕方に多少の誤解があったのにもかかわらず、そのまま正しいと思い込んで使っていたことが原因で意味合いが違ったまま広まってしまったと考えられます。
「アベック」の2つ目の意味は「2人が同一の行動をとること」です。 例えば、
というように使用します。 「アベック飛行」だったら「飛行機が2機並んで飛行している様子」 「アベック当選」だったら「同じ党から男女が当選すること」 というような意味で使われます。 どちらも「二者が同一の動きをしていること」を「アベック」という言葉を表現して使用されています。 「アベック優勝」「アベックホームラン」については後述します。
【「アベック」と「カップル」の違い】 1. 「アベック」はフランス語、「カップル」は英語。 2. 「アベック」は目の前にいる2人に対して使用する言葉 3 離れた場所にいる2人を指す場合は「カップル」 4. 「アベック」は同性同士では使用できない 5. 「アベック」には「同じ行動をする」という言葉がある 6. 「アベック」は「お付き合いをしている2人」とは限らない
現在は、「アベック」と同等の意味がある「カップル」という言葉を使うことが普通で、現代の20代、30代に「アベック」と言っても通じないことがほとんどでしょう。 しかし、本来「アベック」と「カップル」には上述したように微妙な違いがあります。 まず、一番の違いは「カップル」は「英語」で「アベック」は「フランス語」が語源であることです。 さらに、使う場面では「アベック」が2人を目の前にしている状態で使う言葉なのに対して、「カップル」はその場にいない人たちに対しても使用できるということです。 例えば、 「あそこにいるアベック仲良さそうで羨ましいね」は○ (本人を目の前にしているから) 「営業の小柳津さんと事務の福尾さんアベックになったらしいよ!」☓ (目の前にいないから) となります。 さらに、「アベック」は「付き合っている」という意味ではなく「2人一緒に」という意味があるので「アベックになったらしいよ!」では、お付き合いをしたのか何かの組み合わせで「ペア」になったのかわかりません。 そして、「アベック」には「男女の二人組」であるという条件があります。 しかし、お付き合いをする2人は必ずしも「男女の二人組」ではありません。男性同士や女性同士でお付き合いをすることもあります。 特に、こういった同性婚が世間的に認められてきている現代では「アベック」よりも「カップル」と表現したほうが相応しいという考え方もあるのでしょう。
「ペア」の意味は「2人(2個)で一組になること」です。 例えば、お揃いの「ペアリング」をつけているカップルも多いと思いますが、この「ペアリング」はもちろん「恋人とお揃いでつける指輪」なので「2個で一組」という意味として使われています。 さらに、バドミントンやテニスといった「2人で一組」となってやるスポーツに関しても「佐々木ペア」などというように「ペア」という言葉を使いますよね。 つまり「ペア」は、必ずしも「恋人同士」を表す言葉として使用するわけではないということがわかります。
「ツーショット」は、男女の2人が2人でいる場面を指して使う言葉です。 よく、週刊誌が芸能人のスキャンダルで「今人気の若手俳優Sと美人女優のツーショット現場をとらえた!!!」というように使っていることがあります。 これは、つまり「一緒にいるところを撮った」というようなニュアンスで使用されています。 「アベックを撮った!」とは言いませんよね。 さらに、同性同士でも異性でも「2人で写真を撮ること」を「ツーショット」ということもあります。
「カレカノ」は、「彼氏と彼女」の略で、お付き合いをしている男女を指して使用する言葉です。 「お付き合いをしている2人」という意味合いで言えば「カップル」と同じ意味をもち、例えば付き合い初めた2人に対して「カレカノになったんだね!」などと使用したりします。 「彼氏(男性)」「彼女(女性)」なので「アベック」のニュアンスに近いですが、「お付き合いをしている関係性」を表現しているので「カップル」という意味合いのほうが強いと言えるでしょう。
「リア充」は、「現実生活(リアル)が充実している人」を指して使用する言葉です。 例えば「恋人がいる人」を「恋人がいるから現実生活が充実している」として「○○さんはリア充だから(恋人がいるから)クリスマスは予定があるみたいよ」と言ったりします。 また、恋人がいる人を羨んで「リア充爆発しろ!」なんて言うことも多いです。 本来の意味合い的には、「恋人の有無」関係なしに、現実生活が充実しているなら「リア充」であると言えます。
近頃の若者カップルは、彼氏と彼女の名前を繋げて○○カプと呼びます。 「カプ(CP)」は「カップル」の略で、この「カプ」の前に2人の名前を入れます。 例えば、「たろはなカプ」だったら、「たろう」と「はなこ」という男女のカップルということです。 近年ではカップルでYouTubeチャンネルを開設していることも多く、有名所でいえば
なんかがありますが、2つとも「たろはなカプ」のように2人の名前を繋げています!!
現代では、「彼氏」のことを「彼ピ」と呼ぶ女性も多いです。 元々「彼氏」という言葉にあだ名をつける感覚で「彼ピ」と何気なく呼び出したのがはじまりなのではないかと言われています。 例「今日は彼ピと映画デートで横浜きた卍」 みたいな感じです。 さらに進化したのが「彼ピッピ」という呼び方。 「彼ピ」=「彼氏」ですが、「彼ピッピ」=「彼氏ではない」ということをご存知でしょうか。 実は「彼ピッピ」は彼氏ではなく「友達以上恋人未満」という関係の男性を指す言葉なのです。 なので「彼ピッピとご飯なう卍」は「彼氏とご飯を食べている」という意味ではなく、あくまでも「友達以上恋人未満」の関係の男性と食事をしているということになります。 さらに「好きピ」という言葉もあり、「好きピ」は「好きな人」という意味で使用しているそうです・・・。 ちなみに「彼ピ」「彼ピッピ」の彼女版はありません。 「彼ジョッジョ」という言葉が一瞬出たこともあるようなのですが定着しなかったようです。 言うなれば彼女ッピ、彼女ッチ、彼ポッポ、、、でしょうか、、、とても言いにくいですね。 というわけで、「彼ピ」「彼ピッピ」の彼女版はありません!
番(つがい)とは、「2つ組み合わせて一組となるもの」という意味で特に、動物のメスとオスを指して使う言葉です。 実際に、動物のオスとメスを指して「番」と言うことはあっても、人間のカップルの2人を見て「あの番は仲がいいね」なんて言わないでしょう。 しかし、筆者は次は「番」と言うのが流行ると勝手に思ってます!笑 はい、なんの根拠もありません!たぶん流行らないと思います!
上述したように、「アベック」には「2人が同じ行動をすること」という意味もありますが上の世代の人達は「恋人同士」という意味で使用することがほとんどです。
というような言い回しで使用されます。 詳しい使い方については例文を参考にしてください!
例文
スポーツ業界では「アベックホームラン」「アベック優勝」といった使い方をします。
「アベックホームラン」とは、野球において「同じ球団の2人が1試合でそろってホームランを打つこと」といいます。 さらに、「アベックホームラン」「アベック弾」「アベックホーマー」などの本塁打を「アベック本塁打」といいます。 例
「アベック優勝」は、「同じ国や同じチームの男女それぞれが優勝をすること」です。 例
「ナウい」は1970年代に流行していた言葉で「今風の」という意味で使用されていました。 「ナウ」=英語の「NOW」つまり「今」という意味で「ナウい」というと「今風でイケてる」というニュアンスになっていたと考えられます。 「ナウなヤング」(今風のイケイケの若者〜)というように使用されていました。 ちなみに、「ナウい」の対義語は「ダサい」で、「ナウい」はすっかり死語となりましたが「ダサい」は現代でも使われていますよね。
「チョベリバ」は、「チョーベリーバッド」の略です。 つまり、「超最悪」という意味で使用されていた言葉ということです。 「彼氏に浮気されてたんだけど〜チョベリバだわ〜」というように、悲しいことや辛いことがあって気分が落ち込んでいるときなどに使用されていました。 1990年代のギャルが流行りだした時代に流行していました。 「チョベリバ」の対義語は「チョベリグ(チョーベリーグッド)」です。 ちなみに「最悪な気持ち」を伝えたいときに「まじTBS!」と表現すると現代風! 「T(テンション)B(バリ)S(下がる)」の略語らしいです。 または「ショッキングピーポーマックス(悲しいことがおきて動揺している)」と表現するとナウいです。
「マブだち」は、「本当の友達」という意味で使用されていた言葉です。 「マブ」という言葉に「本当」「真実」といった意味があり、「だち」は「ともだち」の「だち」です。 「マブだちだからどんなことでも言い合えるだろ!?」というように、友情の深さをはかるような表現として使用されていました。 ちなみに似た言葉で「マブイ」という言葉も使用されていましたが、この場合の「まぶ」には「美しい・かっこいい」という意味になります。 「クラブでマブい女をゲットした!(クラブでいい女をゲットした)」というような感じです。
「おっはー!!!!」は2000年に大流行した「おはよう」という意味の朝の挨拶です。 元々「おはスタ」という子供向けの朝の番組で司会者の山寺宏一さん達が使用していた「おーはー」という言葉が原型ですが、元SMAPの香取慎吾さんがこれをもじって「おっはー!」と使用したことにより、 爆発的に大流行しました。 「おっはー!」という言葉を大量に盛り込んだ「慎吾ママのおはロック」という曲も大ヒット。 しかし、今では「おっはー!」という挨拶を知らない人も多いようです。
「ズッ友」は、「ずっと友達」という意味で使用されていた言葉です。 2000年代前半に流行していた言葉で、
というように使用されていました。 2012年再度流行りだしていますが、一時のものでしたのでやはりもう「死語」と言われても仕方のない言葉なのかもしれません。
「名古屋アベック事件」とは、当時19歳と20歳だった男女がデートで車内にいたところ、アベックばかりを狙った未成年の強盗犯に殺されてしまうという事件・・・。 犯人は、成人済みの男性1名と残り未成年の複数人でしたが冷酷極まりないとし主犯に「死刑」、未成年であった同じく主犯の少年には「無期懲役」の判決を出すなど少年法改正に大きな影響を与えたと言われています。
「リヒャルト・アベック」は、ドイツの科学者です。 原子離村の開拓者である「リヒャルト・アベック」は元素の最大の正酸化数を提案した人物で、「アベックの規則」と呼ばれています。 「ガス気球」の愛好家でしたが、これが原因で41歳の若さで亡くなってしまいました。
「アベックラーメン」は、五木食品株式会社から発売されている商品で、昭和35年に発売行こう現代でも現役で発売されているロングセラー商品です! ちょうど「アベック」という言葉が流行りだした頃に発売されたということで「2人前」を「アベック」として「アベックラーメン」と名付け発売されたようです。 香辛料を効かせたあっさり塩味のスープが人気のラーメンです。
「アベックトースト」は、秋田県で発売されている「ご当地パン」です。 8枚切りの食パン2枚にジャムとマーガリンを挟んだサンドイッチが2枚入っている商品です。 ちなみに「トースト」とついていますが焼かれていません。 「たけや製パン」さんから発売されている商品で、秋田県の皆様は「全国で発売されてるんじゃないの!?」と驚かれる方が多いほどおなじみの商品なんだとか。 ひとつのパンで2種類のジャムの味を味わえるようになっている為「アベックトースト」を名付けられたと考えられます。
株式会社アベクカンパニー(英称:AVEC)は、テレビドラマの制作を中心に行っていた製作プロダクション会社です。 1990年代にテレビドラマ「もう誰も愛さない」でヒットし、その後数多くのドロドロ系恋愛ドラマを製作、1998年には反町隆史さん主演の「GTO」が大ヒットしましたが現在ではプロダクション業務を終了しています。
「株式会社アベックス」は、製鉄機器など主に大型産業機械向けの歯車装置を設計、機械加工、組み立て、試運転、そして出荷までを生産している会社です。 もちろん社長が阿部さんです!!! 元々「株式会社安倍製作鉄工所」という企業名でしたが、2004年に「株式会社アベックス」という非常にナウい社名に変更しました。 2018年に創業100周年を迎えたという歴史ある会社です。
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「アベック」という言葉について理解していただけましたか? 簡単にまとめると、以下のようになります。 ✓「アベック」の語源は、「...と一緒に」を意味するフランス語「avec」 ✓「アベック」の意味①「恋人同士の二人」 ✓「アベック」の意味②「二人が同一の行動をとること」 ✓同義語の「カップル」は「夫婦・恋人などの一組」という意味 ✓「ペア」は「2人(2個)で一組になること」 など 「アベック」という言葉を初めて聞いた!という人も多いのではないでしょうか。 「死語」とは言われていますが、現在でも耳にすることがある言葉なので覚えておくといいでしょう。 少し紹介しましたが「アベック」のように「死語」と呼ばれる言葉はまだまだ沢山あります。 豆知識として調べてみると、とても面白いですし話しのネタになるかもしれませんよ!