「一翼を担う」と「一端を担う」という言葉をご存知ですか?この二つの言葉はほぼ同じ意味ですが、実は微妙にニュアンスの違う言葉です。今回は、「一翼を担う」と「一端を担う」のそれぞれの正しい意味と使い方を例文付きで紹介します。また、面接で使用するのは「一翼を担う」と「一端を担う」のどちらがいいのかを解説しますので参考にしてください。
▶「一翼を担う」・・・「全体の中で己の任務、一つの果たすべき役割を持つこと」 ▶「一端を担う」・・・「部分的に役割や責任をもっていること」
「一翼を担う」と「一端を担う」は非常に似ている言葉です。 なんとなく「一端」と言うよりも「一翼」といった方がスケールの大きい感じがしますが、この二つに大きい違いはありません。 しかし「一端を担う」は、「一翼を担う」と違ってポデティブな意味合いは含まれません。またプラスな意味合いが含まれないからといって、マイナスな意味合いが含まれるわけでもありません。 ただ志望動機など自己アピールが必要な場合に、「一端を担う」と書いてしまうと違和感を与えてしまうため、なるべく避けた方が良いでしょう。 したがって、履歴書などに記入する場合は「一翼を担う」を使用するべきだと言えます。
「一翼を担う」は「いちよくをになう」と読みます。 「一翼を担う」は、「一翼」と「担う」という二つの言葉からできています。 「一翼」は、「一」の音読みで「いち」と読み、「翼」を音読みで「よく」と読んでいます。 「一翼」は、「一つの持ち場」「一部署」を意味している言葉です。 「担う」は、「担」を訓読みで「になう」と読みます。 「担う」は、「肩にかけて運ぶ」「自分の仕事として身に引き受けること」を意味しています。
「一翼を担う」の意味は「全体の中で己の任務、一つ果たすべき役割を持つこと」です。 「一翼」は文字通り「一つの翼」を表しています。普通、翼を持つ生物は二つの翼を持ちます。翼が一つでも欠けてしまったら大変です。そういった意味でも「一翼を担う」は、「大事な役割をしっかり受け持つ・大切な責任がある」といったことを表します。 例えば、何かの組織やグループで、何か役割をもつことを「一翼を担う」といいます。 また、そういった何か役割をもつ人の事を、「一翼を担う存在」といいます。
「一翼を担う」は「責任のある仕事をしっかり果たす」という意味で使用することが多いです。 他にも「一翼を担う」は、前向きなプラスなイメージを伴う言葉なので、褒めるとき・やる気をアピールするとき・モチベーションを上げるときといった場面で使われます。 特に、自己アピールが大切な面接の志望動機などで使うのは非常に効果的です。 使い方としては、「御社で一翼を担えるよう〜」「御社の◯◯部門において一翼を担える人材に〜」となります。 面接や、志望動機で使用することによって、「責任を持って」や「役割を果たして」と言うよりも、好印象を与えることができます。
「一端を担う」は「いったんをになう」と読みます。 「いちはしをになう」「いっぱしをになう」という読み方は、よくある間違いなので注意しましょう。 「一端を担う」は、「一端」と「担う」という二つの言葉からできています。 「一端」は、「一」を音読みで「いち」と読み、「端」を音読みで「たん」と読んでいます。 「一端」は、「一方のはし」「かたはし」「一部分」を意味します。 「担う」は、「担」を訓読みで「になう」と読みます。 「担う」は、「肩にかけて運ぶ」「自分の仕事として身に引き受けること」を意味しています。
「一端を担う」の意味は「責任や役目の一部を負っている」です。 また、「ある事物について、部分的に関与している」という意味をもっている言葉です。 「一端」は文字通り「棒の両端の一つ」を意味しています。”どちらかが欠けてしまっては大変だ”というニュアンスで、基本的に良い意味で使われます。
「一端を担う」は「責任のある仕事をしっかり果たす」ことを表すときに使います。 ある程度責任の伴う仕事を表すことから、簡単な仕事や単純作業というよりも、重大な仕事やプロジェクトに使われます。 例えば、「会社経営の一端を担う」「プロジェクトの一端を担う」などと用います。 何となく「一翼を担う」の方がスケールの大きい感じがしますが、「一端を担う」と「一翼を担う」はほぼ同じ意味です。しかし、ニュアンスが少々異なります。 「一端を担う」は「一翼を担う」と違ってポデティブな意味合いは含まれません。また、プラスな意味合いが含まれないからといって、マイナスな意味合いが含まれるわけでもありません。 「 一端を担う」は客観的な叙述なので、履歴書などで使うときは「一翼を担う」の方がベターです。