「憔悴」という言葉はご存知ですか?「憔悴しきる」や「憔悴する」など、かしこまった場面はもちろん、日常会話でもよく耳にする言葉だと思います。今回は、「憔悴」の正しい読み方や使い方を例文付きで紹介します。また、「焦燥」や「疲弊」との違いや類語も紹介していくので、参考にしてみてください。
「憔悴」は「しょうすい」と読みます。 「憔」は音読みで「しょう」と読み、訓読みで「やつれる」と読みます。 「悴」は音読みで「すい」、訓読みで「やつれる」と読みます。
「憔悴」の意味は「やつれ衰えること」です。 「憔」は「心」と「焦げる」いう漢字から成り立っており、「やつれる・心を悩ませて衰える」という意味があります。 「悴」は、「やつれる・やせ衰える」という意味のある漢字です。 なので、「憔悴」とは「やつれ衰える」という意味ということになります。 「疲れる」という意味で誤用されやすい言葉ですが、「憔悴」は、病気や心労から、心身ともに弱り、痩せ衰えていることが、見た目からわかる様子を指しています。 ダイエットなど、意図的な体重減少ではなく、心にダメージを追ったことにより、げっそりとしてしまっているというようなイメージです。
「憔悴」は、ニュースなどかしこまった場面でも耳にする言葉ですし、他人の様子を見て「憔悴していているようだね」など、日常会話で使うことができる言葉です。 例えば、「心労で弱っている」と伝える場合、「憔悴」を使うことにより明確に様子を伝えることができるでしょう。 ただし、上記で説明したように、「ただ疲れて弱る」という場面では使えないので注意してください。 単に、「憔悴」という名詞で使用したり、「憔悴する」や「憔悴しきる」というような使い方をします。
「憔悴する」「憔悴した」とは、「憔悴」に「する」をつけて動詞として使っている例です。 「~ということが起き、彼はショックで憔悴した」といったように使用します。 「極限まで落ち込む・落ち込んだ」というようなニュアンスで使用します。 または、病気などで体力が奪われ元気がなくなっている様子を「憔悴した」というように使用します。
「憔悴する」「憔悴した」の例文 「息子の飛行が続き、ついに母親は憔悴した」 「ついに憔悴するほど、人間関係に悩んでいた」 「持病が悪化し、みるみるうちに憔悴した」
「憔悴しきる」「憔悴しきった」は、「心労などにより、疲労が極限まで達し、力を発揮出せない」というような状況に使用される言葉です。 「身体を動かすことは勿論、口をきく力もでない、つまり何もできないほどヘロヘロな様子」を「憔悴しきる」といいます。 「憔悴しきった様子で~」といったように、後に続く言葉を形容する使い方をすることが多いです。
「憔悴しきる」「憔悴しきった」の例文 「妻を亡くした〇〇さんは、憔悴しきった様子でした」 「あんなに元気だった彼が、たった数か月でこんなに憔悴しきるとは」 「あの時の彼女は憔悴しきった顔をしていて見るに堪えなかった」
▶「憔悴」・・・「やつれ衰えること」 ▶「焦燥」・・・「いらだち・あせること」 ▶「疲弊」・・・「心身が疲れて弱ること」
「焦燥」は、「しょうそう」と読みます。 「焦燥」の意味は、「いらだち・焦ること」です。 思うように上手くできなかったりした時の、イライラした気持ちや、焦りを表現している言葉です。 「焦燥を感じる」というような使い方をします。 また、「焦燥感」という言葉としてもよく使用されます。
「焦燥」の例文 「周りがどんどん進路を決めていくなかで、一人焦燥を感じでいた」 「彼は、焦燥感がぬぐえきれずに悩んでいた」 「焦燥している時間がもったいないよ」
「疲弊」は、「ひへい」と読みます。 「疲弊」の意味は、「心身が疲れて弱ること」です。 「これまでの積み重なった心身の疲労により、何もできなくなってしまうような状況」を、「疲弊」といいます。 また、「経済的状況が悪化している」という意味もあります。 「疲弊する」というような使い方をします。
「疲弊」の例文 「彼は仕事に疲弊しきり、休職の手続きをとった」 「無理にスケジュールを詰め込みすぎたせいで疲弊した」 「現在のこの国は疲弊していると言えるだろう」
「疲労」の意味は、「体を使いすぎたことにより、機能が低化して、本来の動きができないこと」です。 「疲れている」という状態の時に使用する言葉です。 例えば、「眼精疲労」は「目の疲れ」というような使い方やなどがあります。
「疲労」の例文 「長時間マラソンを終え、疲労の色がかくせなかった」 「山積みの仕事を片付け、まさに疲労困憊だった」 「その痛みは、足の疲労からくるものですね」
「困憊」は、「こんぱい」と読みます。 「困憊」の意味は「ひどく疲れ果てること」です。 疲れて動けないような状況の時に使う言葉です。 また、「困って疲れる」という意味でも使われます。
「困憊」の例文 「まさに、疲労困憊という感じだった」 「子供のわがままに困憊しきっていた」 「あまりに厳しい状況に、精神が困憊した」
「やつれる」とは、「病気や心労で痩せて衰える様子」を表現している言葉です。 げっそりとしていくような、不健康な痩せ方を「やつれる」とます。
「やつれる」の例文 「少し見ない間に、やつれたように見えるけど何があったのだろう」 「病気の進行も早く、どんどんやつれていった」 「彼女の痩せ方は健康的なものではなく、やつれたようにしか見えなかった」
「バテる」は、「ひどく疲れて動けなくなる」というような様子を表した言葉です。 「バテる」とは、「疲れ果てる」の「果てる」が語源であるという説もあるように、「睡眠不足が続き、ついにバテてしまった」というように、「疲れ果ててしまい何もできなくなった」という場面で使用することができます。 また、「暑さにバテる」といったように、「夏バテをする・暑さで動けなくなる」というようなニュアンスで使用されることもあります。
「バテる」の例文 「不眠不休で働き続け、ついにバテてしまった」 「こんなことでバテてしまっては、この先何をすることもできない」 「生徒たちよりも先にバテるわけにはいかないと意地になった」
「憔悴」の英語表現を見てみましょう。 「ひどく疲れる」「へとへとになる」という意味の場合は「exhausted」「tired out」などと言えばOKです。 「やせ衰える」という意味の場合は、難しい単語ですが「emaciated」というものがあります。
He is exhausted for his job.
彼は仕事で憔悴している。
There is a picture of an emaciated child on the cover of the magazine.
雑誌の表紙に憔悴した子どもの写真があった。
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「憔悴」について理解していただけたでしょうか? ✓「憔悴」は「しょうすい」と読む ✓「憔悴」の意味は「やつれ衰えること」 ✓「憔悴」は、「憔悴する」「憔悴しきる」といった言い回しがある ✓「憔悴」の類語は「疲労」「バテる」など