「侘しい」と「寂しい」という言葉をご存知でしょうか。「侘しく暮らす」「寂しい気持ちになる」といったように使います。では、「侘しい」と「寂しい」の意味についてきちんと理解しているでしょうか。この二つの言葉は日常会話でも使うことが多いですよね。普段からよく使われている言葉なので、意味のイメージがつくという人が多いかもしれません。ただ、二つの違いはと聞かれるといまいち分かりませんよね。正しく使うためには、意味についてしっかりと知っておくことが必要です。そこで今回は「侘しい」と「寂しい」の使い分けについて解説していきます。適切に覚えて、上手く使い分けできるようにしましょう!
「侘しい」・・・頼りや自信がなく心細くて、気持ちが満たされないこと 「寂しい」・・・本来あるべきものや必要なものがなくて、気持ちが満たされないこと
「孤独を感じる」「人気がなくて賑やかでない」という意味では、「侘しい」「寂しい」どちらも使えます。 「侘しい」はものの様子に対して、「寂しい」は人の気持ちを表す場合に使うことが多いです。 「寂しい」は「孤独を感じる」とマイナスな意味で使いますが、「侘しい」は「みすぼらしい」とマイナスな意味合いで使うことも「情緒がある、趣がある」とプラスな意味合いで使うこともできます。 建物や景色がもの悲しい様子だが、どこか味わいがあることを表す場合に「侘しい」と表現できます。 この場合は「寂しい」を使うことはできません。
「侘しい」の意味は、
です。 「侘」は音読みで「タ」、訓読みで「ほこる・わびる・わびしい」と読みます。 「侘」は「ひっそりと生活する、心苦しい、寄る辺ないこと」を意味します。 「侘しい◯◯」という形で用いたり、「侘しがる」「侘しげ」「侘しさ」などと使うこともできます。 「侘しい」は心細くて満たされていないこと、身なりが悪いことを表します。人の気持ちを表す場合だけではなくて、ものに対しても使うことができます。 例えば、「夫が出張で不在のため侘しい」といった場合は「孤独で心細い」という意味になります。「侘しい家」だったら「貧しくて見た目が貧弱な家、華やかさがない家」であることを表します。 「侘しい」は「情緒がある、味わいがある」というニュアンスが含まれます。昔の建物だったり、歴史がある建造物を見たときに「豪華ではないが品がある、落ち着きがある」と感じることがありますよね。 こうした場合は「侘しい」と表現できます。 このように「侘しい」はマイナスな意味で使う他に、プラスな意味でも使えます。
例文 「心細い」という意味
「みすぼらしい」という意味
「もの静かである」という意味
「寂しい」の意味は、
です。 「寂」は音読みで「ジャク・セキ」、訓読みで「さびしい・さびれる」と読みます。 「寂」は「ひっそりしていること、落ち着いていること」を意味します。 「寂しい」は「さみしい」と読むこともあります。 「寂しい」は本来あった活気や輝きがなくなり寒々しいと感じて、満足がいかないという意からきています。 例えば、「遠い場所から来たのに、彼女に会えないとは寂しい」と使います。これは「遠くからやって来たのに、彼女に会えないのは気持ちが満たされない」という意味になります。 「単身赴任生活は寂しい」だったら「人恋しくて不安であること」を表します。また、「寂しい場所」だったら「人がいなくて静かな場所」を指します。 このように「寂しい」は人の気持ちや状況、ものの様子に対しても使うことができます。「寂しい」はマイナスなイメージを伴って使います。
例文 「物足りない」という意味
「孤独を感じる」という意味
「賑やかでない」という意味