「お構いなく」とは「気を遣わないでください」という意味で、相手の誘いを丁寧に断るときや謙遜する気持ちを表す時に使います。「何のお構いもしませんで」とすると辞去する客に謙遜する気持ちを表現します。「お気遣いなく」「お気になさらず」などと言い換えることができます。
「お構いなく」の意味は、「気をつかわないでください」という意味です。 「お構いなく」は、「構う」に接頭語の「お」をつけて、打ち消しの「なく」をつけた言葉です。 「構う」は「こだわること・気を使うこと」という意味で、打ち消しの「なく」がついているので「気を使わないで」という意味になります。 なので、相手の気遣いや配慮に対して「気にしなくて大丈夫ですよ」と謙遜する気持ちを伝える言葉であるということがわかります。
「構いなく」は、相手の発言や行為に対して使用する言葉なので、「構いなく」につく接頭語の「お」は尊敬語です。 「構いなく」に尊敬を表す接頭語の「お」をつけることで、相手に敬意を示すことができます。 ただ、「お構いなく」は敬語だが、接頭語をつけているだけでは敬意を示す度合いが低いため、ぶっきらぼうに聞こえる可能性があります。 「お構いなく」は近所の人など親しい人に口語で使うのが普通です。 ビジネスシーンやあらたまった場面では避けるのが無難であると言えるでしょう。
「お構いなく」は、「どうぞ」をつけて「どうぞお構いなく」の形でよく使います。 主に他家の訪問して接待されそうになった場合に「どうぞお構いなく」を使います。 例えば、「お飲み物は何がよろしいですか?」「どうぞお構いなく」などと会話が続きます。 「お構いなく」を使用することで、丁寧に断ることができます。
「お構いなく」で本当に断りを入れている場合もありますが、ただ謙遜で使っている場合がありますので注意です。 自分が「お構いなく」と言われた場合、相手が謙遜で言ってるだけの可能性もありますので、再度声をかけるようにしましょう。
また、「どうぞお構いなく」は言い方によっては拒絶のニュアンスにもなります。 例えば、店員やセールスマンに声をかけられて困っているときの「どうぞお構いなく」は「もう構わないでください」という拒絶です。
例文
「何のお構いもしませんで」で、「十分におもてなしをすることができなくてすみません」という謙遜する気持ちを伝えることができます。 辞去する客が「お邪魔しました」と挨拶をしたときの返事として「何のお構いもしませんで」ということが多いです。 本当に何もおもてなしをしなかったというわけではなく、お茶を出すなどある程度おもてなしをしていたとしても謙遜で「何のお構いもしませんで」と伝えます。
例文
「お構いなし」は「周囲のことに考えを及ぼさないこと」という意味です。 「お構いなく」「お構いもなく」と副詞的に使用し、「考えもせず」「無頓着に」という意味になります。 例えば、「お構いなしに○○をする」「お構いもなく○○をする」という使い方をします。 また、「お構いなしだ」という使い方をすることもできます。
例文
「お構いなし」には「不問・黙認」「懲罰はなし」という意味もあります。 例えば、罪に問われるような行為をした相手を咎めない・罰しないことを「お構いなし」といいます。 語源は、「構い(かまい・かまえ)」という江戸時代の法律用語です。 「構い」とは、特定の地域や集団から追放する追放刑のことで、後には追放刑に伴う立ち入り禁止区区域である「御構場所(おかまいばしょ)」を指して「構い」といいました。 そこから、「お構いなし」で「懲罰はなし」「黙認」という意味になりました。 日常会話などで「不問・黙認」「懲罰はなし」という意味ではあまり使用されることはありませんが、覚えておくとよいでしょう。
例文
「お気遣いなく」は「おきづかいなく」と読みます。 「お気遣いなく」の意味は「心配しないでください」「気を配らないでください」です。 「お気遣いなく」は、「気遣い」という言葉に、接頭語の「お」に「ない」という言葉をつけて「気遣い」という言葉を打ち消しています。 「気遣い」とは、「あれこれと気をつかうこと」です。 「お気遣いなく」は「なく」という打消しの言葉を伴っている為「心配しないでください」「気をくばらないでください」という意味であるということになります。 「お気遣いなく」の接頭語の「お」は尊敬語なので目上の人にも使用でき、相手が自分にお気遣いをしてくれたという場面で、「ありがとうございます」と同等の意味合いで使用されます。 「お気遣いなく」のより丁寧な言い方は、
です。また、「どうか」や「どうぞ」をつけるとより丁寧で印象も柔らかくなります。 「お構いなく」も「お気遣いなく」も意味合い的には大きな違いはありませんが、「お構いなく」は親しい間柄の人に使い、ビジネスシーンなどあらたまった場面では「お気遣いなく」を使用しましょう。
例文
「お気になさらず」は「心配しないでください」という意味です。 「お気になさらず」を品詞分解すると、尊敬を表す接頭語「お」+動詞「気になる」+尊敬の補助動詞「なさる」+否定を意味する「ず」になります。 尊敬を表す「お」と「なさる」が使われているので厳密には「二重敬語」にあたりますが、慣習的によく使われる表現なので誤用とは言えないところです。 よって、「お気になさらず」は、目上の人に対して心配する必要がないことを伝える丁寧な表現、ということになります。 「お気になさらず」は意味の通り、特定の何かを心配する必要しないよう伝えたり、自分のことを気にしないでと伝えるときにに使います。 例えば、体調不良で欠勤している上司に対して「仕事はお気になさらず〜」などと使うことができます。 また、他人の配慮や気遣いを丁寧に断る場合にも「お気になさらず」は使われます。 「お構いなく」と同じように、人様の自宅に上がりお茶や茶菓子を出そうとする人に対して「お気になさらず」と言います。 ただ、「お気になさらず」は敬語ですが、カジュアルな響きがありますので、目上の人には「お気になさらないでください」「お気になさらぬようお願いいたします」などと言う方が無難です。
「結構です」は「けっこうです」と読みます。 「結構です」と使う場合は、許可を表す肯定と断りを表す否定の2つの意味で使われます。 「結構です」における形容動詞としての「結構」の意味は、 すぐれていて欠点がないさま それで良いさま、満足しているさま 気立てが良いさま それ以上必要としていないさま となります。 「結構です」は肯定の意味でも否定の意味でも、「満足している」という基本的な意味が含まれます。 例えば、お店に行った時に店員さんの「ご注文は以上でよろしいでしょうか」という問いに対して、単に「結構です」と答えた場合は、「(満足いくほど頼んだので)それで良いです」といった肯定の意味になります。 一方で「お水のおかわりはいかがですか」という問いに対して、「結構です」と答えた場合は、「(もう十分なほど飲んだので)必要ありません」といった否定の意味になります。 ただ、「結構です」は目上の人への使用は避けたほうがよいです。 なぜなら、元々身分の高い人が自分より身分の低い人に対して「それで良い、十分である」と、許可を与える意味合いで使っていた言葉であり、上から目線なニュアンスがあるからです。 「結構です」は、一般的に目上の人が目下の人に対して使う言葉でです。
「Please don’t bother yourself.」は直接すると「あなた自身のことを邪魔しないでください」です。 「bother」は多くの表現がありますので、気になる方は下記の記事を参考にしてみてください。
「Ignore me.」は直接すると「私を無視して」です。 「私のことは気にしないで」というニュアンスで使います。