「お気遣いなく」という言葉を「どうぞお気遣いなく」というように使用する場面が日常生活でもあるかと思いますが、目上の人に使用するにはしては失礼な使い方であるということをご存知でしょうか?今回は、「お気遣いなく」の正しい意味と使い方を例文付きで紹介します。また、「お気遣いなく」の類語や英語表現も紹介しますので参考にしてください。
「お気遣いなく」は「おきづかいなく」と読みます。 「お気遣いなく」は、「気遣い」という言葉に、接頭語の「お」打消しの「なく」をつけた言葉です。 「気」は、音読みで「き」と読みます。 「気」には「くうき・水蒸気」「気候」「いき・呼吸」「ようす・気配」「心のはたらき・意識・性質」という意味があります。 「遣」は、音読みで「けん」訓読みで「つかう・つかわす」と読みます。 「遣」には「つかわす・さしむける」「つかう・使用する」「しむ・せしむ」という意味があります。
「お気遣いなく」の意味は「心配しないでください」「気を配らないでください」です。 「お気遣いなく」は、「気遣い」という言葉に、接頭語の「お」に「ない」という言葉をつけて「気遣い」という言葉を打ち消しています。 「気遣い」とは、「あれこれと気をつかうこと」です。 「心配して気をつかう」という場合や、「お祝いごとにプレゼントを用意する」というような心配りを「気遣い」といい、相手が気遣ってくれたという場面で「お気遣いありがとうございます」というように使用します。 つまり、「お気遣いなく」は「なく」という打消しの言葉を伴っている為「心配しないでください」「気をくばらないでください」という意味であるということになります。
目上の人に使う場合は「お気遣いなく」だけでは失礼だとされています。 「気遣いなく」は、本来「お気遣いなさらないでください」というように表現するところを動詞を省いて「お気遣いなく」として使用しています。 たとえば、「お大事になさってください」という言葉を「お大事に!」と伝えたり、「良いお年をお迎えください」という言葉を「よいお年を~!」と伝えているのと同じということです。 目上の人やビジネスシーンで使用するのに言葉を省略するのは失礼だと感じる人もいる為、きちんと言葉を省略せずに「どうかお気遣いなくお願いします」というような使い方をするほうがいいと言えるでしょう。
「先ほども説明したように、「お気遣いなく」だけでは言葉を省略した言葉になる為、丁寧な言い方とはいえません。 「お気遣いなさらなでください」というような言い回しをすると、目上の人に使用できる丁寧な言い方になります。 「お気遣いなく」の丁寧な言い方は、 「お気遣いなさらないでください」 「お気遣いなさらないようお願いします」 などです。 また、「どうかお気遣いなさらなでください」というように文頭に「どうか」や「どうぞ」をすけるとより丁寧です。 相手が自分にお気遣いをしてくれたという場面で、「ありがとうございます」と同等の意味合いで使用されます。 例えば、相手の自宅を訪問したときに相手がお茶をだしてくれたといった場面で「どうかお気遣いなさらないでください」というように伝えます。
ビジネスメールでは「どうかお気遣いなさらないようお願い申し上げます」というような言い回しを使用することがほとんどです。 例えば、ビジネスメールでお礼を伝えるといったような場面で「この度はありがとうございました」というお礼の言葉の後に「どうかお気遣いなさらないようお願いもうしあげます」というように使用します。 ビジネスメールなど、直接相手に敬意を示せないようなシーンでは少々堅苦しくなってしまってもきちんと丁寧な表現をする必要があります。 よって、「お気遣いなく」をビジネスメールで使用する場合は「どうかお気遣いなさらないようお願い申し上げます」というような使い方がふさわしいと言えるでしょう。 他にも「くれぐれもお気遣いなさらないようお願い申し上げます」というような言い回しがあります。
ビジネスシーンで相手に「返信は不要です」という意志を伝えることは相手に手間をとらせてはいけないという気遣いになりますが、「返信はいりません」というような言い方をしてしまうと、ぶっきらぼうで失礼だと感じる人もいます。 ビジネスメールで返信不要の場合は「返信はどうぞお気遣いなさらないでください」というような伝え方をすると丁寧で、相手に不快な思いをさせることなく気遣いの気持ちを伝えることができます。
何かおめでたいことがあったというような場面で、お祝いしたい相手に「お気遣いなく」と言われることもあるかと思います。 「お気遣いなく」は、「拒否」ではなく「遠慮」として社交辞令で使うこともありますので、相手を祝うような場面で「お気遣いなく」と言われた場合は、「相手の」ささやかであってもお祝いは贈るべきと言えるでしょう。
相手からお祝いをもらうという場面で、相手から「お気遣いなく」と言われることがありますが、この場合の「お気遣いなく」は「お返しに気を使わないでくださいね」という相手の気遣いになります。 お返しをして、逆に相手に気を遣わせてしまうとう場合もありますが、お祝いをもらった場合はささやかであってもお返しはするべきだというのが、日本の礼儀というものです。
「お気遣いなく」は「遠慮」の言葉である場合もあるという説明をしましたが、そうではない場面もあります。 例えば、「葬儀」という場面で「家族葬になるのでお気遣いなく」というようなことを言われた場合、この「お気遣いなく」は「わざわざ来てもらうのは申し訳ないので」というような「遠慮」の意味で使用されているのではありません。 この場合の「お気遣いなく」は「断り」の文句であるので、遺族の意志を尊重して、本当に行かないほうが相手への気遣いです。 こういった場合は、後日直接あったときに一言お悔やみの言葉を伝えましょう。
「お構いなく」は「おかまいなく」と読みます。 「お構いなく」は「構わないで大丈夫です」という意味です。 相手の配慮に対してやんわりと断りを入れるといった場面で使用されます。 場合によっては冷たい言葉に捉えられてしまうこもあるので、使用する際は注意が必要となります。
「お気になさらず」は「気にする」という言葉に、接頭語の「お」と敬語の「なさる」と打消しの言葉をつけた表現です。 「お気になさらず」は、「気にしないでください」という意味で使用される言葉です。 「問題ないです」「大丈夫です」というようなニュアンスで使用されます。 「心配なさらないでください」という意味でも使用されます。
「結構です」は「けっこうです」と読みます。 「結構です」は「必要ないです」という意味で使用される言葉です。 例えば、「こちらの商品只今無料で配らせていただいえおりますがいかがですか」と聞かれ、「結構です」と答えた場合「いらないです・必要ありません」という意味になります。 「結構です」は「です」がついて敬語のように思われがちですが、目上の人に使用するのは失礼にあたりますので注意しましょう。
「大丈夫です」は、「いいです」「問題ないです」という意味と「いらないです」「結構です」という二つの意味で使用する言葉です。 「〇時に集合したいと思うのですがどうですか?」というような質問にたいして「問題ないです」という意味で「大丈夫です」と返事をしたりします。 一方で、「これ要りますか?」とう質問に対して「いらないです」というマイナスの言葉での「大丈夫です」という意味もありあります。 会話の中で、どちらの意味なのか相手に伝わるような使い方をしないと誤解を産んでしまう言葉であるということを頭にいれて使用しましょう。 ビジネスシーンや目上の人に使用する場合は「かしこまりました」「承知しました」というような言い方をするほうが丁寧でよいです。
「お気持ちだけ頂戴します」は「おきもちだけちょうだいします」と読みます。 「お気持ちだけ頂戴します」の意味は「お気持ちだけで十分です」です。 相手の配慮に対して、遠慮するような場面で使用します。
「お気遣いなく」の英語は「I don't mean to bother you.」と表現することができます。 直訳すると「私はあなたの邪魔をするつもりはありません」となります。
↓ ビジネスパーソンにおすすめの英会話教室・オンライン英会話に関してまとめましたので、興味のある方はぜひご覧ください。
科学的に正しい英語勉強法
メンタリストとして活躍する筆者が、日本人が陥りやすい効率の薄い勉強方法や勘違いを指摘し、科学的根拠に基づいた正しい英語学習方法を示してくれています。 日本人が本当の意味で英語習得をするための「新発見」が隠れた一冊です。
正しいxxxxの使い方
授業では教わらないスラングワードの詳しい説明や使い方が紹介されています。 タイトルにもされているスラングを始め、様々なスラング英語が網羅されているので読んでいて本当に面白いです。 イラストや例文などが満載なので、これを機会にスラング英語をマスターしちゃいましょう!
「お気遣いなく」という言葉の意味を理解していただきましたでしょうか? ✓「お気遣いなく」は「おきづかいなく」と読む ✓「お気遣いなく」の意味は「心配しないでください・気を配らないでください」 ✓目上の人に使う場合は「お気遣いなく」だけでは失礼 ✓「お気遣いなく」を丁寧にいうと「お気遣いなさらないでください」 など