「出自」という言葉をご存知ですか?「出自」は、「出身」と同じように、「うまれ」などを表現するときに使用する言葉です。今回は、「出自」と「出身」の正しい意味と使い方を例文つきで紹介し、「出自」と「出身」の違いも解説していきます。 また、その他の類語や英語も紹介しますので参考にください
▶「出自」・・・「その人の生まれ・出どころ」 ▶「出身」・・・「その場所の生まれであること・出たところ」
「出自」は、その人の生まれた場所など出身の他に、部族や血縁関係なども含まれます。 また、「出自」は人間に対してだけではなく、事物にも使用されます。 「出身」は、生まれた土地のことを意味しています。また、卒業した学校などに対しても「~大学出身」というように使用できます。
「出自」は、「しゅつじ」と読みます。 「でじ」と読むのはよくある間違いなので注意してください。 「出」は、音読みで「しゅつ・すい」と読み、訓読みで「でる・だす」と読みます。 「出」には、「でる・だす」という意味や、「でむく・おもむく」という意味があります。 「自」は、音読みで「じ」と読み、訓読みで「みずから」と読みます。 「自」には、「おのれ・われ」という意味があります。
「出自」の意味は、「その人のうまれ・でどころ」です。 上記で説明したように、「出」には「です・だす」という意味があり、「自」には「おのれ」という意味があります。 つまり、「出自」は、「おのれの出たところ」ということになり、「出身地など、自分のうまれ」を表す言葉です。 また、うまれた場所など出身に加えて、個人から生まれた時から認識される系譜関係や血縁関係も含まれます。
「出自」は、主に人物に対して使用します。 「私の出自は~です」や、「あなたの出自を教えてください」といったように、自分の出身などを相手に伝えたり、聞いたりという場合などに使用されます。 出身地や血縁関係だけではなく、生まれ育った環境など、自分では変えることのできない歴史を「出自」といいます。 「出自」は、人物だけではなく事物にも使用できます。 例えば、「この寄木細工の出自は箱根だ」といったように、「作られた場所」つまり「でどころ」を表します。 また、「出自」を使った言葉に、「出自を知る権利」というものがあります。 「出自を知る権利」とは、AID(非配偶者人工授精)で生まれた子どもが、自分の生まれた遺伝子的ルーツを知る権利のことをいいます。
〇「出自」を用いた例文 「自分の出自について改めて両親に質問してみた」 「彼は天才ピアニストだが、出自は不明で公表されことはなかった」 「彼女が話していた出自が全くの嘘であることが判明した」
「出身」は、「しゅっしん」と読みます。 「出」は、音読みで「しゅつ・すい」と読み、訓読みで「でる・だす」と読みます。 「出」には、「でる・だす」という意味や、「でむく・おもむく」という意味があります。 「身」は、音読みで「しん」読み、訓読みで「み」と読みます。 「身」は、「からだ」という意味や、「おのれ」という意味があります。
「出身」の意味は「その場所の生まれであること・でどころ」です。 上記で説明したように、「出」には、「でる・だす」という意味や、「でむく・おもむく」という意味があり、「身」は、「からだ」という意味や、「おのれ」という意味があります。 つまり、「出身」は、「身体が出た場所」という意味を表しているということになります。 生まれた場所が東京である場合、「出身は東京です」と言い表すことができます。 これは、「私は東京の生まれです」という意味になります。
「出身」は、「出身校」や、「〇〇出身」などのように生まれた土地以外にも使用することができます。 「出身」は、「この身が出た場所」という意味があるので、「卒業した学校」や、所属してたサークルなど様々なものに当てはめることができます。 「あなたの出身校はどこですか?」と聞いたり、「演劇部出身です」といったような使い方ができます。
○「出身」を用いた例文 「私は北海道の出身ですが寒さにはとても弱いです」 「私の出身校は野球がとても強く、何度も甲子園に出場しています」 「同じ県内出身の友達が見つかり話が弾んだ」
「生まれ」は、「うまれること・生まれた土地」などの意味があります。 「生」は、音読みで「せい・しょう」と読み、訓読みで「いきる・いかす」「はえる」と読みます。 意味は、「はえる。はやす」「生まれる」です。 例えば、「東京出身です」を、「東京で生まれました」という意味で、「東京生まれです」という事もできます。 「物を作り出す」という場面でも、「試行錯誤を繰り返し、この製品がうまれたのだ」といったように使用することができます。
〇「生まれ」を用いた例文 「この大学はやはり、関東生まれの人が多い」 「生まれはどちらなんですか?」 「この商品が生まれたきっかけとなったのは、彼女の発言なのである」
「出処・出所」は「しゅっしょ」と読みます。 「出」は、音読みで「しゅつ・すい」と読み、訓読みで「でる・だす」と読みます。 「出」には、「でる・だす」という意味や、「でむく・おもむく」という意味があります。 「処」は、音読みで「しょ」、訓読みで「ところ・おる・おく」と読みます。 「処」に意味は「とりはからうこと・場所」という意味があります。 「出処」は「出た場所」という意味合いになります。 「出所」は「出処」と似た言葉を持っていて、「その人のうまれたところ・土地」という意味の他にも「事のでどころ」という意味もあります。
〇「出処・出所」を用いた例文 「素晴らしい作品を見つけたのだが、出処がわからず調べているところだ」 「先生の出処地はどこですか?」 「あの時だされた大金の出所は、いまだに謎なのである」
「身元」は「みもと」と読みます。 「身元」の意味は、「その人の出生から現在までの境遇・履歴に関する事柄」です。 また、「その人の一身上の事柄」ということを意味しています。 例えば、「身元不明」というような使い方をすると、「その人の名前や出身・履歴に関することは不明」ということになります。
〇「身元」を使用した例文 「彼は、安心できる人だと感じたので私の身元を明かしました」 「迷子の老人を保護しているのだが、身元は不明だ」 「次回は契約の手続きとなりますので、身元を確認できる書類をお持ちください」
「素性」は、「すじょう」と読みます。 「素性」の意味は、「家柄や血筋・生まれ育った境遇や経歴」です。 「素」は、音読みで「そ・す」と読み、訓読みで「もと」と読みます。 「素」は、「白い絹」や「ありのまま・持って生まれたまま」という意味があります。 「性」は、音読みで「せい・しょう」と読み、訓読みで「さが」と読みます。 「性」の意味は「生まれつきの性質」です。
〇「素性」を用いた例文 「素性もわからない人と共に過ごすのは不安がある」 「彼は、彼女の素性を暴こうとしていた」 「素性がよくないからといって縁が切れるわけではない」
「家柄」は、「いえがら」と読みます。 家柄の意味は、「家の格式」で、「格式の高い家」という意味もあります。 「家柄がいい」や「家柄が悪い」というような表現の仕方をします。 両親の職業であったり、先祖代々受け継がれている地位などを基準にして使われる言葉です。
〇「家柄」を用いた例文 「家柄を気にして人付き合いをするなんて間違っている」 「今の時代は家柄なんて関係ないよね」 「私の家柄が原因で結婚を反対されてしまった」
「血統」は、「けっとう」と読みます。 「血統」の意味は、「先祖からの血のつながり」です。 人や家畜で、先祖との血縁的な関係のことで、「血筋」ともいいます。
「血統」を用いた例文 「男の子が生まれなかったので、私の代で血統は途絶えてしまう」 「この犬は血統書つきですよ」