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「齟齬」の意味、漢字、使い方、類語、英語を紹介!「相違」との違いも

見たこともないような漢字の「齟齬」。実はビジネスシーンでも使われることのある言葉なのです。しかし意図せずとも不快感を与えてしまうことも。正しい意味と使い方を覚えてビジネススキルを習得しましょう。

「齟齬」の読み方と意味

「齟齬」の読み方は「そご」

<そご>と読みます。

「齟齬」の意味は「食い違い」

「祖語」の意味は「意見や事柄が食い違うこと、合わないこと」「くいちがい」です。 また、そこから派生して、「そのために物事がうまく運ばない様子」「意図した通りに進まない様子」のことも指します。 同じ読みの「祖語」は全く違った意味を持ちます。

「齟齬」の漢字・語源

」は左側が「歯」という字の「米」の部分が複雑になって漢字です。 「人」を2つ横に並べ、その下に「一」、さらにその下にもう一度「人」を2つ横に並べられています。 そして右側は「且」という字です。 「齟」の意味は「何度も歯をあわせること」「噛むこと」です。 「咀嚼(そしゃく)」という言葉にも使われていることからも分かりますよね。 「」の左側も「齟」と同じです。そして右側は「吾」という字でできています。 「齬」の意味は「互いに歯が合わないこと」「入れ違うこと」です。 その2つが熟語となり「噛み合わせがしっくりいかないこと」といった意味が転じて、「意見や物事の食い違い」を意味するようになりました。

「齟齬」の使い方と例文

「齟齬」のビジネスシーンでの使い方

「齟齬」はビジネスシーンでよく使われています。 主に二者間で「食い違いがあること」や「物事が思うようにいかないこと」を、「齟齬がある」と使います。 例えば取引先との条件が一致しない時に「意見に齟齬を生じる」と使います。 ただ、後に詳しく解説しますが当事者間で使うと誤解が生じる可能性がありますので注意しましょう。 そのため、上司に報告をする際に「A社との意見に齟齬が生じました」などと使うと良いでしょう。 また、漢字も難しく日頃からはあまり使われないため、かしこまった場面や報道番組、書面などで使われています。 例えば「党内で認識の齟齬があったようです」と政治の報道があったり、「齟齬がないよう、小さなことでも確認をしてください」と新プロジェクトにあたる資料に記載されていたりします。

「齟齬」の言い回し

「齟齬」の主な言い回しをいくつか紹介します。

  • 齟齬をきたす
  • 齟齬が生まれる
  • 齟齬が生じる

です。

「齟齬」を使う上での注意点

「齟齬」には「行き違い、食い違い」だけではなく対立や衝突、不一致といったニュアンスもあります。 そのため、ビジネスシーンにおいて「齟齬」は第三者的立場として使用することをおすすめします。 ただ単に、お互いの解釈に行き違いがあった、ということを伝えようとしただけであっても、相手の捉え方ではとてもネガティブな意味を持つ単語なので、使い方には注意が必要です。 例えば、どちらにも否がなく、取引の条件が折り合わずに合意に至らなかった場合に「齟齬があったため」などと使って不成立を伝えるとします。 それがお互いの「食い違い」があったことを意図していたとしても、相手によっては、「なぜこちらの条件を承諾しなかったのか」「そっちに不備がある」と衝突する部分があることを伝えているように受け取ってしまう場合があります。 意図せずとも、相手を非難してしまったり、落ち度があったと指摘しているように受け取られることがあるので十分に注意しましょう。 また、上司など目上の人に対して作成した書類などを見てもらう際に「齟齬がないか、確認していただきたい」などと使うことも注意が必要です。 作成したものに間違いがないか確認してほしいという意図で使ったとしても、私は正しいと思っていますが何が食い違ってますか?などと上司への不満があるように受け取られてしまうことがあるからです。 こうした事態を避けるためにも、「齟齬」は第三者的立場もしくは第三者に報告する場合に使用しましょう。 他社同士に対して「A社とB社に齟齬が生じたようです」や、などと使い当事者間での直接的なやりとりでは避けましょう。

「齟齬」の例文

  • 両者の意見に齟齬が生じる。
  • コミュニケーションの齟齬が生じた。
  • 感情の齟齬がきたした。
  • 顧客と考え方が齟齬していたが、最終的にこちら側の言い分を理解して頂けた。
  • 
県と市の意見が齟齬をきたしており地方行政が滞っている。
  • 
他チームとの工程表が齟齬しているため大きな問題となった。

「齟齬」と似た熟語との比較

「齟齬」と「相違」の違い

「相違」の意味は「たがいに違いがあること」「一致しないこと」です。 そのため、二者間だけではなく事柄などにも用いられます。 「齟齬」は「食い違い、行き違い」であり、二者間の意見や認識などの違いについて使われます。 また「相違ない」といった使い方もあり、意味は「確実である」となります。

「我々の考え方には、根本的に相違があります」 「彼の証言と事実に相違があった」 「この事件の犯人は家族に相違ない」

「齟齬」と「祖語」の違い

「齟齬」と同じ読みの言葉に「祖語」というものがあります。 「祖語」の意味は「共通基語」のことです。 共通基語とは、一つの言語が分裂して変化し時間をかけて2つ以上の異なる言語となった場合に、もとの言語を祖語といいます。 例えば、スペイン語、フランス語、イタリア語の祖語はラテン語となります。

「ゼミの教授は祖語の研究をしている」 「イタリック祖語やゲルマン祖語というものがある」

「齟齬」と「語弊」の違い

「語弊」の意味は「言葉や言い方が適切でないことから誤解を招きやすい言い方」のことです。 「祖語」は行き違いのことですので、意味や使い方は異なります。

「そういう言い方では語弊がある」 「語弊を招くような言い方はしないでください」

「語弊」の意味と使い方、類語「誤解・齟齬・誤謬」との違い

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「齟齬」と「誤解」の違い

「誤解」の意味は「言葉などの意味を取り違えること、とある事柄について間違った理解や解釈をすること」です。 「齟齬」は「食い違いや行き違い」であり、「誤解」は「思い違いや間違った解釈」といった違いがあります。

「誤解を招くような言動は慎みましょう」 「どうやら私は誤解を受けたままのようだ」 「ごめん、誤解してた!そういうことか!」

「齟齬」と「誤謬(ごびゅう)」の違い

「誤謬」の意味は「誤りや間違い」です。 「謬」は訓読みで「あやまる」と読み、「証拠のない、いい加減、誤る、間違い」といった意味を持ちます。

「彼女の資料には必ず誤謬がある」 「根本的にある誤謬を訂正しなくてはいけない」

「齟齬」と「乖離(かいり)」の違い

「乖離」の意味は「そむき離れること、結びつきが離れること」です。 「乖」は訓読みで「そむく」と読み、「背く」と同じ意味を持ちます。

「部長の傲慢な態度に、部下たちの気持ちも乖離し始めている」 「彼の音楽的欲求とグループの方向性が乖離している」

「乖離」の正しい読み方と使い方、「解離」との違い

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「齟齬」と「矛盾」の違い

「矛盾」の意味は「論理や筋道などの辻褄が合わないこと」です。

「彼の話すことはいつも矛盾している」 「矛盾ばかりで、本当のことが分からなくなってきた」

「齟齬」と「錯誤」の違い

「錯誤」の意味は「誤りや間違い」「事実と観念が一致しないこと」です。

「この作品には多くの時代錯誤がある」 「試行錯誤しながらも、目標に邁進する」

「齟齬」と「不整合」の違い

「不整合」はの意味は「整合していないこと」「論理の内容が整わず矛盾があること」です。

「昔の論文に不整合があることを発見した」 「どうやら重大な不整合があったらしく、A社は当面の間営業停止のようだ」

「齟齬」の類語

行き違い

意味:「人や物がすれちがって出会わないこと」「意思が通じないこと」「食いちがいや誤解がおこること」

「取引先とのトラブルが、考えの行き違いにより賠償請求にまで発展した」

食い違い

意味:「物事がうまく一致しないこと」「ちぐはぐなこと」

「食い違いを適切かつ迅速に解消していくことが最優先だ」

ずれ

意味:「考え方や感じ方などに少し隔たりがあること」

「認識にずれがあり、計画が先へ進まない」

「齟齬」の対義語

符号(ふごう)

意味:「よく合致すること」「二つ以上の事柄が、ぴったりと照合すること」

「彼の話していたことが事実と符号する」

疎通(そつう)

意味:「支障なく通ずること」「考えが相手に通ずること」

「スムーズに進行するため意思の疎通をはかる」

「齟齬」の英語表現

「齟齬」の英語表現を見ていきましょう。 「齟齬」は「食い違い」という意味なので、最も一般的な英語表現は「conflict」になります。「齟齬を生じる」の「生じる」にあたる英語は「happen」「arise」「develop」「occur」「exsit」などが使えます。 例文を見ていきましょう。

There has been a political conflict between those countries throughout the history.

長い間それらの二国間には政治的な齟齬がある。

why does conflict happen in the workplace?

なぜ職場で齟齬が生まれてしまうのか。

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まとめ

「齟齬」について理解でしたでしょうか? ✔「意見や事柄が食い違うこと、合わないこと」「くいちがい」といった意味 ✔ネガティブなイメージもあるため上司や取引先などとの直接的なやりとりでは使用を避ける ✔直接的に使う際は「行き違い」などと使う。もしくは、「こちらの認識ミスでしょうか?」などと謙って聞く 社会人として「齟齬」のような難しくかしこまった言葉を使うとビジネススキルがついたようにも感じますが、使うにあたっては十分に注意しましょう。 適切な日本語を使って、より良い社会人ライフを!

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