聞いたことあるけど言われてみれば意味がよく分からないビジネス用語「マター」。語源である英語「matter」の意味を調べても「事。問題」とあり、分かりづらいですよね。今回は「マター」の正しい意味と使い方を例文つきでわかりやすく解説していきます。
「マター」はビジネス用語で、「担当」という意味です。 プロジェクト等の担当者、担当部署、担当会社を表す時に使います。 「〜に責任がある」「〜に決定権がある」「〜の管轄である」「〜の問題だ」というニュアンスも含まれます。 『広辞苑』では、「マター」は「事柄。問題。案件」と紹介されています。 『新明解国語辞典』では、「(問題として取り上げられる)事柄」と紹介されています。 「マター」の語源は英語「matter」です。 英語「matter」の原義は「(考慮・処理すべき)事柄。問題」という意味です。 ちなみに英語「matter」は「担当」という意味では使いませんので、「マター」は和製英語ということができます。 「ダークマター」は「暗黒物質」という意味の天文学用語で、ビジネス用語「マター」とは全く関係ありません。
「マター」は、人・役職・部署・会社の後に付けて使います。 例えば「この件は人事部マターだ」「このプロジェクトは部長の佐藤さんマターです」などと使います。 国語辞典や英和辞典に載っている通り、「マター」を「事柄」と解釈しても間違いではありませんが、「担当」と言い換えた方が分かりやすいですよね。 「渡辺さんマター」=「渡辺さん担当」、ということになります。 「マターする」「マターさせる」などと動詞の形では使いません。 「マターする」としても「担当する」「責任を持つ」という意味にはなりません。 注意点がいくつかあります。 当たり前ですが、上司に対して使う場合は敬称を付けましょう。 社外の人に対しては敬称を付けたとしてもあまり使用しない方がいいでしょう。「マター」自体はフォーマルな言葉とはいえないためです。 社内であっても「マター」などのカタカナ語を使う習慣があまりない場合は、意味が通じない場合もあるため、あまり使用しない方がいいでしょう。 また、カタカナのビジネス用語はいわゆる「意識高い系ワード」といわれ、嫌がる人も少なくありません。使う相手は選びましょう。
「マター」の例文
カタカナ語では「マター」の類語はありません。 「マター」の意味で箇所ですでに書いた「事柄」「問題」「案件」などに加えて、「受け持つ」「従事する」「任させる」などと言い換えが可能です。
「マター」は英語「matter」が由来ですが、使い方は日本独自のものであるため、和製英語にあたります。 「マター」の英語は「in charge of...(...の担当である)」「responsible for...(...に責任がある)」などになります。 「Mr. Kato is responsible for that project.」と言えば、「加藤さんがそのプロジェクトの責任を持っています」=「そのプロジェクト、加藤さんマターです」となります。
Taro is responsible for this project.
このプロジェクトは太郎マターだ。