「インスピレーション」という言葉を知っていますか?聞いたり使ったりしたことがある人は多いと思いますが、正しい意味と使い方をしっかり会得している人は少ないのではないでしょうか?本記事では「インスピレーション」の意味と使い方を例文付きで解説していきます。類語、や日本語での言い換えも紹介します!
「インスピレーション」の意味を一言で言えば「ひらめき」「思いつき」です。 「インスピレーション」は時間かけて考えついたり、人に教えてもらう考えではなく、天から舞い降りてきたかのように、または神や仏からお告げをされたかのように突然思い浮かぶ考えで、天来の着想ともいえる存在です。 創造・思索の過程で、俗に言う「ピンときた」「降ってきた」という感覚をあれば、それが「インスピレーション」です。
「インスピレーション」は元々キリスト教用語で「霊感」と意味もあります。 「神からのお告げのような」という説明からも分かる通り、「インスピレーション」とは霊的かつ神秘的な現象であり、宗教的なニュアンスも含まれています。 「インスピレーション」は、現在、脳科学や認知科学の分野で研究が進められていますが、まだすべてが解明されていません。 「インスピレーション」は現代でも超自然的現象として解釈されることが一般的で、人によっては違和感を覚える言葉ですので、乱用は避けた方が無難でしょう。
カタカナ語「インスピレーション」の由来は英語「inspiration」になります。 上記で説明した「インスピレーション」の2つの意味は、もちろん英語「inspiration」からきています。 「inspiration」には、カタカナ語の「インスピレーション」にはない意味がもう1つあります。それは「インスピレーションを与える存在」という意味です。 「inspiration」は、人に対して使い、「インスピレーションを与える人、尊敬と憧憬(しょうけい)の対象」という意味があります。
Going to new places always gives me the inspiration for the business.
新しい場所に行くと、いつもビジネスのインスピレーションがわく。
He had been an inspiration to us all.
彼はみんなのインスピレーションであり続けた。
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英語「inspiration」の語源はラテン語です。 ラテン語では「息を吹き込まれたもの(blow into, breathe upon)」といった意味で使われていました。 英語でも1300年代までは「神からの即座の影響」=「霊感」という意味で使われていました。
「インスピレーション」が脳裏に突として浮かぶことを「インスピレーションが湧く」「インスピレーションが湧き上がる」などと表現します。 「湧く」は「何もないところからあるものが生じること」を意味するので、「インスピレーション」のニュアンスととてもフィットします。 この「湧く」は水などが実際に発生するわけではなく比喩的な表現なので「わく」とひらがなで書く方が自然です。 「わく」には「沸く」という漢字もありますが、こちらは使いませんので注意してください。
例文
「インスピレーションを与える」とは、「相手のひらめきや気づきの手助けとなるような刺激を与える」という意味です。 言葉や行動、生き様、作品、人の存在など様々なモノ・コト・ヒトが「インスピレーションを与える」ことができます。
例文
「インスピレーションを高める」とは、いつでもインスピレーションがわくように自分自身のコンディションを整える、能力を磨く、という意味です。 しかし、具体的に「インスピレーションを高める」を何か?と問われると難しい問題です。 瞑想、ジョギングなど自立神経を整える行為が、インスピレーションを高めるのに最適なのは間違いないでしょう。
例文
「インスピレーションを感じる」とは、神の存在や宇宙エネルギーを身近に感じるというニュアンスです。 もう少し具体的にいえば、肉体的、精神的または霊的に刺激を受けて、インスピレーションがわく予感がする、という意味合いです。 「インスピレーションを感じる」=「インスピレーションがわいている」わけではありません。
例文
などとも表現します。 これらは「インスピレーションがわく」と同義です。
例文
「インスピレーション」に大変近い意味を持つ言葉に「直感」があります。 「直感」とは「推理や考察、説明、説明を必要とせずに、物事の状況を瞬時に感じ取ること」です。 「直感」と「インスピレーション」の違いは大別して2点あります。 1つ目は、「直感」には「理解する、感じ取る、捉える」という意味合いがありますが、「インスピレーション」はただの「考え」です。 「直感が働く」といえば「物事を直感的に理解することができる」という意味になりますが、「インスピレーションが働く」といっても「突然考えが浮かぶ」という意味にしかありません。 2つ目は、「直感」にも「わざわざ思考せずに〜」という意味がありますが、「直感」はあくまでも経験や知識を生かしています。しかし、「インスピレーション」は経験や知識すら活用しておらず、空から突然降ってくるというニュアンスが強いです。 「直感」は現実でよく起こることですが、「インスピレーション」は霊的かつ神秘的で全ての人が体験できることではありません。
「アイデア」は「着想、新しく始める物事を遂行する工夫や考え」のことです。 「アイデア」にも「思いつき」といった意味が含まれますが、「インスピレーション」とは大きな違いが一つあります。 それは「インスピレーション」は「何も考えずに瞬間的なひらめいたこと」であるのに対して、「アイデア」は「考えたり悩んだり、リサーチしたりして生まれた発想や工夫」のことです。 「インスピレーション」によって「アイデア」が生まれる、という使い方も可能です。 「アイデア」は物事に対する発想や工夫ですので、その過程はあまり関係ありません。
「インスピレーション」と似た言葉に「インスパイア」があります。 「インスパイア」の意味は「思想や感情を吹き込んだり、ひらめきや刺激を与えること」です。 「インスパイア」は相手に対して与える言葉で英語では「インスピレーション」の動詞形として用いられています。 例えば、絶景を見ていいひらめきがあったとします。 その場合「絶景を見てインスピレーションを受けた」「絶景にインスパイアされた」と使います。 また、「インスパイア」は芸術や映画など何かを制作する分野で、他の作家の作品に影響を受けて同じテーマで作品をつくることとして使われます。
「インスピレーション」と混同されやすい言葉に「イマジネーション」があります。 「イマジネーション」は「想像、想像力」といった意味を持つ言葉です。 「イマジネーション」は「頭の中でイメージをする力」のことで、妄想や空想に対して使うこともでき、また何かを新しく構想したり創作する力としても使うことができます。 ただ想像して頭の中で完結するものから、何かを生み出したり形にするものまで幅広く使われています。 それに対して「インスピレーション」は「瞬間的なひらめき」です。 そのため「インスピレーション」から「イマジネーション」が広がり、新しい芸術作品が出来上がることもあります。
「インスピレーション」と似た言葉に「インプレッション」という言葉があります。 音が似ているので混同しやすいですが、意味は異なります。 「インスピレーション」が「ひらめきや思いつき」といった意味に対して、 「インプレッション」は「印象、感銘」といった意味です。 「第一印象」のことを「ファーストインプレッション」と言います。 また「インプレッション」はマーケティングにおいて広告用語としてよく使われる言葉です。 これは印刷物やインターネット上のサイトに掲載されている広告が見れた回数を指しています。 広告が見られた回数を「インプレッション数」と使い、ページビューと広告数を掛け合わせて計算されています。
「広告で大事なのは強いインプレッションを与えることだ」 「彼の言葉にインプレッションを受けた人は多い」 「人のファーストインプレッションはとても大事だ」 「インプレッション数を増やすためにも予算を増額して掲載数を増やす」
「ひらめき」の意味の「インスピレーション」の類語には、
などがあります。
「霊感」という意味の「インスピレーション」の類語は、
などがあります。
「インスピレーション」の対義語をどう定義するかは難しいですが、「瞬時に浮かぶ」とは反対で「じっくり考える」という意味を対義語と位置づけます。
などが対義語となります。
「インスピレーション」という言葉の意味と使い方、正しくご理解いただけたでしょうか? ✔「インスピレーション」の意味は「ひらめき」「思いつき」 ✔「インスピレーション」には「霊感」という意味もあり ✔「インスピレーション」と「直感」の違いは、「インスピレーション」には経験値や知識が全く関係ない ✔「インスピレーションがわく」「インスピレーションを与える」の形で使う ✔「インスピレーション」は日本語で「発想」「着想」「神来」「おつげ