日本語の「女性」を意味する英単語は「female」と「woman」がありますよね。しかし、この2つの単語には意味合いや使い方に明らかな違いがあります。今回は「female」と「woman」の違いについて解説します。
まず初めに「female」に関して解説し、その後に「woman」について説明します。
「female」は「生物学的な分類における女性、女、メス」を示します。名詞と形容詞の両方の品詞で使います。 したがって、「female」は大人の女性、女子、女児、動物のメス、植物のめしべなどに対しても使うことができます。人間でも動物でも植物でも「子孫繁栄する能力」を有するものは全て「female」です。反対語は「male」です。 例えば a female child:女児 a female dog:メスの犬 a female flower:めしべ などとなります。 生物学上の雄雌を分類する性別を英語で「sex」です。「sex」と「female」という言葉はセットです。 統計などの「女性」は「female」が使われます。 例えば、パスポートには女性の場合は「Sex F」と書いてありますよね。この「F」は「female」の頭文字です。パスポートの性別は戸籍上の性別なので、統計的で事務的で官僚的で人間味がない「女」です。戸籍上の男女は社会や文化の観点は関係ありませんよね。ですから「female」を使います。 他の例ですが、ある実験群に男性が10人、女性が15人いたとしたら、下記のような英文になります。
The experimental group consists of 10 males and 15 females.
実験群は男性10名、女性15名で構成されています。
ある実験のために集められた男女は、個人の社会的、文化的背景はフォーカスされず、ただの統計のサンプルとしての男と女です。ですから「female」「male」を使います。 「female」のニュアンス分かって頂けたでしょうか?? 次に「woman」の説明をしていきます。
「woman」は「文化、社会的な”個人”がフォーカスされた女性」を意味します。ちなみに「woman」は「大人の女性」のみを示し、「女子」は含まれません。女子は「girl」、若い女性は「young woman」などと表現します。反対語は「man」です。複数形は「women」です。 生物学的で統計的な「female」とは違い、文化面社会面のニュアンスが組み込まれているのが1つ目の特徴です。文化的かつ社会的な観点からの性は「gender」です。 例えば、ニュースなどでたまに見る「女性の権利」は「Women's rights」です。☓「female rights」とは言いません。 また「woman」は「個人」がフォーカスされている点も特徴です。 例えば、「道で1人の女性を見かけた」というときは「I saw a woman on the street.」と言います。ここで「I saw a femlae on the street.」と言っても文法的に誤りではありませんがネイティブからすると少し不自然です。見かけた女性は、生物学的にメスだったというより、人間的活動をし社会的文化的なバッググラウンドを持つ一個人としての女性であるはずですよね。ですから「woman」を使います。特定の女性を示す場合は「woman」を使うのが自然です。 ですから日常会話では「woman」を使うことが多いと思います。 職業に関しても「woman」を使うのが原則です。様々な経験をしていく中で技術を習得し世の中に貢献するわけなので、仕事もとても人間的な営みです。ですから「woman」を使います。 例えば、「女医」は「a woman doctor」です。☓「a female doctor」とは言いません。 「woman」をより丁寧に表現した言葉が「lady」です。 「レディーファースト」という言葉があるくらいですから、西洋文化では「男尊女卑」はタブーとされています。ですから女性に対して直接「woman」というのは失礼です。本人がいる前でその人のことを「女性」と言う場合は「lady」を使うのがマナーです。名前が分かっていれば、「Ms. Smith」など名前で呼ぶのがよりベターです。
「female」と「woman」のニュアンスの違い、ご理解頂けたでしょうか?? かなり長く色々と説明してしまったので、最後に違いをまとめます。
◎「female」
◎「woman」
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