「性別の男女」を意味する単語には「man/woman」と「male/female」とありますが、違いはあるのでしょうか?あまり意識せずに使っている日本人が多いですが、実はニュアンスに大きな違いがあるのでしっかりと使い分ける必要があります。今回は「man/woman」と「male/female」の違い、そしてその他にも男女を意味する単語あるので、ニュアンスを説明していきます。
性別を意味する英語の違いまとめ woman / man ▶「名詞」でのみ使う ▶「個人の描写」に重きが置かれている female / male ▶「名詞」と「形容詞」の両方の品詞で使う ▶生物学的な違い feminine / masculine ▶「男性性 / 女性性」or「男らしさ / 女らしさ」を意味する girl / boy ▶「名詞」で使うのメイン。「形容詞」でも使うこともある ▶「男の子」「女の子」という意味
「man / woman」は「文化、社会的な”個人”がフォーカスされた男性、女性」を意味します。名詞のみで使うことができる英語表現です。 ちなみに「man / woman」は「大人の男性、女性」のみを示し、「男子、女子」は含まれません。男子、女子は後ほど紹介する「boy / girl」となり、若い男性、女性は「young man / woman」などと表現します。複数形は「men / women」です。 生物学的で統計的な「male / female」とは違い、文化面社会面のニュアンスが組み込まれているのが1つ目の特徴です。文化的かつ社会的な観点からの性は「gender」です。 例えば、ニュースなどでたまに見る「女性の権利」は「Women's rights」です。☓「female rights」とは言いません。 また「man / woman」は「個人」がフォーカスされている点も特徴です。 例えば、「道で1人の女性を見かけた」というときは「I saw a woman on the street.」と言います。ここで「I saw a femlae on the street.」と言っても文法的に誤りではありませんがネイティブからすると少し不自然です。見かけた女性は、生物学的にメスだったというより、人間的活動をし社会的文化的なバッググラウンドを持つ一個人としての女性であるはずですよね。ですから「woman」を使います。特定の女性を示す場合は「woman」を使うのが自然です。 ですから日常会話では「man / woman」を使うことが多いと思います。 職業に関しても「man / woman」を使うのが原則です。様々な経験をしていく中で技術を習得し世の中に貢献するわけなので、仕事もとても人間的な営みです。ですから「man / woman」を使います。 例えば、「女医」は「a woman doctor」です。☓「a female doctor」とは言いません。 「woman」をより丁寧に表現した言葉が「gentle man / lady」です。 「gentle」には、「優しい、思いやりのある」という意味があり、 「あなたの旦那様はジェントルマンだね」というときは、「Your husband is gentle man.」などと表現することができます。 日本語でも「レディーファースト」という言葉があるくらいですから、西洋文化では「男尊女卑」はタブーとされています。ですから女性に対して直接「woman」というのは失礼です。本人がいる前でその人のことを「女性」と言う場合は「lady」を使うのがマナーです。名前が分かっていれば、「Ms. Smith」など名前で呼ぶのがよりベターです。 映画やショーなどが始まる前に、「Ladies and gentle men.」とアナウンスが入ることがありますよね。 これは、「紳士淑女のみなさん」という意味があります。聴衆の男性、女性を丁寧に表現しています。
「male / female」は「生物学的な分類における」ニュアンスが強いです。名詞と形容詞の両方の品詞で使います。 したがって、「male / female」は大人の男性 / 女性、男子 / 女子、 男児/ 女児、動物のオス / メス、植物のおしべ / めしべなどに対しても使うことができます。 人間でも動物でも植物でも「子孫繁栄する能力」を有するものは全て「male / female」です。 例えば a male child:男児 ↔︎ a female child:女児 a male dog:オスの犬 ↔︎ a female dog:メスの犬 a female flower:おしべ ↔︎ a female flower:めしべ などとなります。 生物学上の雄雌を分類する性別を英語で「sex」です。「sex」と「male / female」という言葉はセットです。 統計などの「男性、女性」は「male / female」が使われます。 例えば、パスポートには男性の場合は「Sex M」、女性の場合は「Sex F」と書いてありますよね。 この「M」や「F」は「male / female」の頭文字です。パスポートの性別は戸籍上の性別なので、統計的で事務的で官僚的で人間味がない「男、女」です。戸籍上の男女は社会や文化の観点は関係ありませんよね。ですから「male / female」を使います。 他の例ですが、ある実験群に男性が10人、女性が15人いたとしたら、下記のような英文になります。
The experimental group consists of 10 males and 15 females.
実験群は男性10名、女性15名で構成されています。
ある実験のために集められた男女は、個人の社会的、文化的背景はフォーカスされず、ただの統計のサンプルとしての男と女です。ですから「female」「male」を使います。
「男性らしさ、女性らしさ」を表す英語表現に「masculine / feminine」があります。これらは形容詞と名詞で使われます。 「masculine / feminine」は同性に対してはもちろん、異性に対しても使えます。 例えば、「男性らしい男性」は「He is very masculine.」となり、「男性らしい女性」は「She is very masculine.」となります。 「feminine」は「フェミニン」とそのまま日本語でも使われていますよね。この「feminine」はどちらかと言うと女性にのみ対して使う表現です。 男性に対して「feminine」を使うと、「か弱い、めめしい、ホモの気のある」などの意味もあるため、少しネガテイブなニュアンスとなります。 「オカマ」を意味する単語は、他にも「foggot」などがありますが、差別的な表現なので、使用は避けるべきです。
He wants a more masculine hair style.
彼はもっと男性っぽい髪型にしたい。
She looks a little masculine with shorter hair.
彼女は短髪だと少し男っぽい。
Oh god, you are so feminine!
おいおい、お前ホモっぽいぜ!
「boy / girl」は、冒頭でも紹介したように、名詞として使われる「男子、女子」です。 上記で説明した「man / woman」や「male / female」が大人に使う表現に対し、「boy / girl」は主に若い子に対して使います。 「boyish / girlish」という単語は、「boy / girl」から派生したものとなり、「boyish」は「少年のような、男の子のような」という意味があります。「girlish」は「少女のような、娘のような」という意味があります。 ここまでに紹介した「man / woman」や「male / female」よりも、年齢が若い人のことを述べる時に使います。
He was always a good boy when he was little.
彼は小さい頃はいつもいい子だった。
She has cut her hair in boyish style.
彼女はボーイッシュな髪型に切った。
"How old is your little girl?" - "She is four."
「娘さんはおいくつ?」ー 「4歳です。」
His voice was high and girlish.
彼の声は高くて少女のようだった。
「性」を表す英語表現は主に「gender」と「sex」です。これらの違いは何でしょうか? 「Gender」は文化的な要素も含めた「男女」のニュアンスがあります。 最近はよくテレビ番組やSNS上などでも「ジェンダーフリー」や「ジェンダーレス」という言葉を耳にしますよね。 一方「sex」は生物学的な「男女」のニュアンスです。 上記でも少し説明したように、パスポートなどの重要な書類上では「sex」と書かれています。
近年は男女にとらわれない多様な性別が、社会で認められてきています。 身近な例ですと「LGBT」などの言葉があります。最近では「LGBTQ」などとも言われます。
L = Lesbian(レズビアン=女性同性愛者) G = Gay(ゲイ=男性同性愛者) B = Bisexual(バイセクシュアル=両性愛者) T = Transgender(トランスジェンダー=身体上の性別に違和感を持った人) Q = Questioning(クエスチョニング=自身の性自認や性的指向が定まっていない人)
性の認識は「LGBT」のみではなく、Facebookのアメリカ版では50種類もあります。 それだけ性は多様である、ということです。 性の認識は社会が決めるものではなく、個人が決める時代です。 特に英語圏では日本より性的指向への理解が深いので、性別の話題には少し気を使う必要があるでしょう。
参考までに。米国版Facebookで選択できる性 Agender:ジェンダーをもたない人。 Androgyne:両性。男女どちらのジェンダー・ロールにも当てはまらない人。 Androgynous:両性的。中性的。 Bigender:2つのジェンダーを持っていて、切り替えながら暮らしている人。 Cis:Cisgenderの略。 Cisgender:Transgenderの反対語。生まれ持った性と自分が認識している性が一致している人。 Cis Female:Cisgenderの女性。生物学的に女性で自己を女性と認識している人。 Cis Male:Cisgenderの男性。生物学的に男性で自己を男性と認識している人。 Cis Man:Cis Maleに同じ。 Cis Woman:Cis Femaleに同じ。 Cisgender Female:Cis Femaleに同じ。 Cisgender Male:Cis Maleに同じ。 Cisgender Man:Cis Maleに同じ。 Cisgender Woman:Cis Femaleに同じ。 Female to Male:女性の体を持って生まれたが男性として自分を認識している人。 FTM:Female to Maleの略。 Gender Fluid:ジェンダーが流動的な人。男女の間を揺れ動いている人。 Gender Nonconforming:既存のジェンダー分類に当てはまらない人全般。広義にはゲイやレズビアンも含む。 Gender Questioning:自分のジェンダーについて未確定の人。 Gender Variant:既存のジェンダー分類に当てはまらない人。 Genderqueer:既存のジェンダー分類に当てはまらない人全般。 Intersex:インターセックス。半陰陽。性分化疾患。 Male to Female:男性の体を持って生まれたが女性として自分を認識している人。 MTF:Male to Femaleの略。 Neither:男女どちらでもない。 Neutrois:中性。既存のジェンダー分類に当てはまらない人。 Non-binary:男女の二分類に当てはまらない人。 Other:その他。 Pangender:すべてのジェンダー、の意味。既存のジェンダー分類に当てはまらない人。 Trans:トランス。トランスジェンダーまたはトランスセクシャル。生まれもった性と自分が認識している性や性表現が一致しない人。 Trans*:トランス + α。「*」は狭義のトランスジェンダー以外で既存のジェンダー分類に当てはまらない人をあらわしている。 Trans Female:トランスの女性。 Trans* Female:トランス + αの女性。 Trans Male:トランスの男性。 Trans* Male:トランス + αの男性。 Trans Man:Trans Maleに同じ。 Trans* Man:Trans* Maleに同じ。 Trans Person:トランスの人。 Trans* Person:トランス + αの人。 Trans Woman:Trans Femaleに同じ。 Trans* Woman:Trans* Femaleに同じ。 Transfeminine:どちらかといえば女性なトランスの人。 Transgender:トランスジェンダー。 Transgender Female:トランスジェンダーの女性。 Transgender Male:トランスジェンダーの男性。 Transgender Man:Transgender Maleに同じ。 Transgender Person:トランスジェンダーの人。 Transgender Woman:Transgender Femaleに同じ。 Transmasculine:どちらかといえば男性なトランスの人。 Transsexual:トランスセクシャル。いわゆる性同一性障害の人。 Transsexual Female:トランスセクシャルの女性。 Transsexual Male:トランスセクシャルの男性。 Transsexual Man:Transsexual Maleに同じ。 Transsexual Person:トランスセクシャルの人。 Transsexual Woman:Transsexual Womanに同じ。 Two-Spirit:ネイティブアメリカンの伝統文化の中で女性でも男性でもない性役割を担う人。
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