どちらも問題と日本語で訳される「issue」と「problem」ですが、これらには明確に意味の違いがあり使い分けが必要です。今回は「issue」と「problem」の違いと使い分けを徹底解説します。
※音声付き例文がありますので、発音の確認に活用してください。音声はアメリカ英語になっています。
「problem」は「解決すべき困難な問題」という意味です。放置しておけば、ネガティブな影響や弊害が出かねない問題で、何らかの方法で解決する必要がある問題を指します。「深刻な問題」という響きがあります。 「困難なこと」を意味する「difficulty」という言葉にニュアンスが近いです。 「problem」の対義語は「solution」です。 「solve a problem」で「問題を解決する」です。(☓「answer a problem」は間違いです) ちなみに「問題が起きる」は「A pronlem occurs.」と言います。(☓「A problem happens」は間違いです) 例えば、アルコール依存症は「解決されるべき困難な問題」なので「problem」が使えます。「He has a drinking problem.」(彼は飲酒問題を抱えている)や「Alcoholism is a problem.」(アルコール依存症は問題だ)などと表現することができます。 「飲酒運転」「高い犯罪率」「肥満」など、解決すべき「社会的・組織的な」問題に対しては「problem」が使われます。
My car has a problem with its engine.
私の車はエンジンに問題がある。
There is a problem with our Wi-Fi at home.
家のWi-Fiに問題がある。
The company is facing a financial problem.
その会社は財務的問題を抱えている。
Aging society is a serious problem that need to be fixed by the Government of Japan.
高齢化社会は日本国政府によって解決される必要がある大きな問題だ。
「issue」は「議論されるべき問題点」のことを指します。 「issue」は、「賛成する人がいたり反対する人がいたりする賛否両論の話題、論争点」を示します。「subject」や「topic」などの単語が近いです。 国会などで取り上げられる問題、例えば選挙権の年齢制限などは、政治家や国民から賛否両論の意見が飛び交う議題なので「issue」を使います。 「issue」の基本的意味は「外へ出る事・物」です。ですから動詞で「発行する」などという意味もあります。この「問題」という意味の「issue」も「論点として外に出てきた」というのが元々の意味です。「論点として外に出てくる」ということは、公の場で議論されるわけなので、最初に説明した「議論されるべき問題点」というのがご理解頂けると思います。
Let's move on to the next issue.
次の課題に移りましょう。
CEO's words and actions raised an issues inside the company.
社長の言動が社内で議論を引き起こした。
The President made a political issue of immigration law in the United States.
大統領は米国の移民法を政治問題にした。
アメリカ人との会議中に「Let's move on to the next problem.」(次の問題の話に移りましょう)と言った場合、ネイティブは違和感を覚えることでしょう。この場合は「issue」や「topic」「subject」が正解です。このように日本語では同じなのに、英語では使い方を注意しないと、ビジネスシーンでは困ることがあります。 「issue」と「problem」以外にも日本語で「問題」と約されるがニュアンスが微妙に違う英単語を紹介します!
「trouble」も「問題」と訳されることがあります。 「trouble」は「問題」よりも「心配」「苦労」「迷惑」「面倒」などと訳した方がしっくりくる場合が多いです。 これらの和訳からも想像できる通り、「trouble」は人を悩ませ、物事の進行の邪魔をする問題です。日本語でも「トラブル」と言いますよね。「problem」にニュアンスは近いですが、「problem」よりも話者が困っている度合いが強く、解決できるかどうかも分からない、という響きがあります。
She is in a deep trouble.
彼女は大変なことになってしまった。
I'm always having trouble with my computer.
パソコンがいつも故障して手を焼いている。
「question」には「質問」以外にも「問題」という意味があります。 「問題」を意味する「question」は、「issue」や「problem」との違いはかなり曖昧で、ネイティブでも明確に理解している人は少ないと思います。 「問題」を意味する「question」にも2つのニュアンスがあります。 ●「problem」より深刻さが低い「問題」 ●「issue」とほぼ同義の論点という意味の問題 ですから、「問題」という意味の「question」はかなり広く様々な場面で使うことができます。
We have to address the energy question.
エネルギー問題に取り組まなければならない。
The question is, is he coming or not?
問題は、彼が来るか否かだ。
We talked about the question of how to raise money.
どのように資金調達するかという問題を私たちは話し合った。
「matter」も「問題」と訳されることがあります。 「matter」は「漠然とした事態、事柄」を指します。 「affair」とほぼ同義です。 「question」と同じく、「matter」と「issue」と「problem」との明確な違いをしっかりしてるネイティブは少ないと思います。しかし「problem」と「issue」の方が一般的によく使われます。 「What's the matter with you?」(どうしたの?)や「A matter of time」(時間の問題)など決まった形で使うことが多いです。
You look so annoyed. What's the matter with you?
イライラしてるけど、あなたどうしたの?
Whether he gets arrested is just a matter of time.
彼が逮捕されかどうかは、ただの時間の問題だ。
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