義務・強制・必須などを意味する英単語はたくさんあることを知っていましたか?「mandatory」「compulsory」「obligatory」「requirement」などがそれに当たります。辞書を見るだけではそれぞれの単語のニュアンスの違いやネイティブがどのように使い分けをしているのか全くわかりません。そこで今回は、mandatory / compulsory / obligatory の意味の違いと使い分けに関して詳しく解説していきたいと思います。
▶ mandatory
▶ compulsory
▶ obligatory
▶ requirement / required
「mandatory」は、類義語の中でも最も強制力のある言葉です。 国の法律や企業の規則、大学の校則によって必ずやらなければならないことを指します。 また、その強制されたことをやらなければ、処罰を受けるというニュアンスを含みます。 例えば、「期末テストは必ず受けなければなりません」と大学の授業の初日に説明を受けるとします。英語圏では「It's mandotry for you to take the final exam.」となります。 つまり、「期末テストは、大学の規則で決められいることで必ず受けなければなりません。受けなければ、ペナルティーとして単位を渡しません」という意味になります。 法学用語としても使われますが、大学や企業などでも普通に使われる言葉です。 元々は神学で使われていた言葉で、神によって定められたことで、人間には選択権はなく、必ずやらねばならぬこと、を指していました。このことからも「mandory」がかなり重い言葉であることがご理解頂けたかと思います。
It is mandatory for every student to take a quiz every week in this class.
このクラスでは全生徒が毎週小テストを受けなければならない。
Recently the Japanese government has made it mandatory to wear seat belt even in the backseat.
近年日本政府は後部座席でもシートベルト着用を義務化した。
「compulsory」は、法律や規則で定められてはいるものの「必要性があるから」やるべき、というニュアンスを持った単語です。 つまり、「mandatory」よりかは厳格な響きがありません。 「compulsory」は「義務」という日本語に一番近い気がします。「やらなければならないが、やらなくても処罰されることはない」というイメージです。 反対語は「optional」で「任意」という意味です。 「mandatory」と「compulsory」の意味の違いが顕著に現れている言い回しは「compulsory education」です。つまり「義務教育」です。義務教育は、受けなくても罰金などはありません。子供にとって必要だから設けられている教育制度ですよね。 「mandotary education」とは言いません。 「compulsory」は「必修」という意味でもよく使います。 反対語「optional」は「選択科目」という意味で使うことができます。 しかし、ネイティブの「compulsory」の使い方を見ていると、「mandotary」と同じように、やらなかったら処罰を受けることに対しても「compulsory」を使って形容していることがよくあります。「Wearing seat belts in cars is compulsory.(シートベルトをするのは義務だ)」という言い回しはよく見聞きします。この使い方では「mandotary」と意味は同じですが、依然として「compulsory」には「乗車している人の安全性を確保するために必要だ」というニュアンスがあります。
Math and English are compulsory but music and art are optional.
数学と英語は必修だが、音楽と美術は選択科目だ。
Japanese compulsory education is screwed up in a lot of ways.
日本の義務教育は色んな意味で崩壊している。
強制・義務などを意味する英単語には「obligatory」もあります。 「obligatory」は元々は「道徳上する必要があること」という意味になります。 しかし現在では「法律や規則によってしなければならないこと」という意味で使います。 元々は「道徳上する必要がある」という意味なので、「obligatory」は「mandatory」ほど強制的な響きはありません。 「obligatory」は「mandatory」や「compulsory」より硬くフォーマルな響きがあり、法律用語として主に使われています。日常会話では「obligatory」を見聞きする機会は「mandatory」「compulsory」より少ないでしょう。
The obligatory retirement age is 65.
法定定年退職年齢は65歳だ。
※退職する年齢を法律によって規定することは基本的人権の損害だという意見も多く、近年では法定定年退職制度を廃止する国も多い。反対語は「voluntary retirement」で「自主退社」がそれにあたる。 「obligatory」にはもう一つ意味があります。「必然の」「お決まりの」という意味になります。日常会話で「obligatory」を使う場合は、この意味で使うことが多いです。 「expected」も同じ意味で使うことができます。
Every Chinese person visiting Japan makes the obligatory trip to Ginza.
訪日中国人はみんな銀座に行くのがお決まりだ。
「requirement / required」も似たような意味で使うことができます。 「requirement / required」は「必要な、必須の」という意味になります。 「必要な、必須の」という意味なので、明らかに「mandatory」や「compulsory」よりも強制的な意味合いが弱いです。 しかし、文脈によっては実質的に強制・義務を意味することがあります。 例えば、
It is a legal requirement that you have insurance for your car.
車を所有する場合は保険加入が義務だ。
となります。「 legal requirement」のように「legal(法的な)」をつければ「義務・強制」というニュアンスがグッと強くなります。 また、
Math is required for every student to apply for this college.
この大学に入学申込をするすべての生徒に数学が必要だ。
という例文でも、人によっては「required」には強制の意味になります。 「数学受けたくないから、違う大学でいいや」と思う人にとっては「required」は強制の意味にはなりませんが、どうしてもこの大学に行きたい人にとっては実質的に数学の授業を取ることは義務になります。 どの大学行くのか自分で決められるわけなので、厳密には「required」は強制の意味ではないですが、条件や状況によっては強制の意味にもなる、ということです。
強制・義務を意味する単語をいくつか紹介してきましたが、どれも堅い言葉なので日常会話で使うのに適していません。 「...しないとだよ」「...しないとだめだよ」と言った日常会話での言い回しでは「must」や「have to」「(have) got to」を使うのが普通です。 法律で規定されていて必ずやらなくてはならないことでも、日常会話で「mandotary」などと言うと少し不自然なので注意しましょう。 「must」は助動詞だけではなく、「must-see(絶対に見るべき)」「must-visit(必ず訪れるべき)」のように動詞と組み合わせて形容詞として使うことも多いです。
Hey you have to have a driver license when you drive.
おい、運転するときは免許持たないとダメでしょ。
"The Matrix" is a must-watch movie for sure.
「マトリックス」は確実に絶対見るべき映画だ。
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