「フィーリング」という言葉の正しい意味と使い方はわかりますか?「フィーリング」は皆さん聞いたり使ったりしたことはあると思いますが、イマイチちゃんとした意味がわからない人が多いのではないでしょうか?「フィーリング」の語源は英語「feeling」なのですが、「フィーリング」は和製英語なのでニュアンスに違いがあります!「フィーリング」に関して本記事では徹底解説していきます。
日本語の「フィーリング」で最もよく使われる意味は「漠然と直感的に抱く感情、気分、気持ち」です。 何かに対して、特に思考することなく、ボヤーッと感じる気持ちを指します。 人に対して使うときは、「フィーリングが合う」「フィーリングが合わない」などの言い回しで使われます。 「フィーリングが合う」とは必ずしも恋愛感情ではなく、友人や家族に対しても使えます。 犬や猫などのペットに対して使うこともあります。 稀に物に対して使うこともあります。 恋を実らせる3つの「ing」を「タイミング」「ハプニング」「フィーリング」と言ったりしますよね。 この「フィーリング」も「漠然と抱く感情」を指しています。 また、「フィーリングで決める」「フィーリングで選ぶ」という表現も存在します。 これは「論理ではなく直感的に意思決定する」というニュアンスです。
例文
カタカナ語「フィーリング」にはもう一つ意味があります。 それは「物理的な感覚」という意味です。 この「フィーリング」には、視覚・聴覚・味覚・臭覚・触覚などが含まれます。 「フィーリングがよい」などと使います。 この意味の「フィーリング」は、語源である英語の「feeling」の原義に近いです。 しかしながら、日本語の「フィーリング」は、最初に紹介した「直感的な感情」という意味で使われることが圧倒的に多いです。
例文
「フィーリング」は「情操」という意味で明治時代に使われていました。 「情操」は「じょうそう」と読みます。 「情操」とは「知的作用や社会的価値を伴う高次な複雑な感情」を指します。 「情操教育」という言葉でよく使われます。 現在は「フィーリング」をこの意味で使うことはありません。 「情操」は「センチメント(sentiment)」という英語で表現するのが普通です。
「フィーリング」の類語に「印象」があります。 「印象」とは「強く感じ心に残った外界の事物」です。 確かに「フィーリング」と「印象」は意味が似ているので類語に相当しますが、微妙に意味が違います。 「フィーリング」は「直感的に抱く感情」全般を指し、「印象」は外からの影響が強調され心にずっと残っている感じを指します。 意味が違うため、ほとんどの文章で「印象」を「フィーリング」に言い換えることはできませんので注意しましょう。 「印象」の英語は「インプレッション」となります。
例文
「雰囲気」とは「その場やその場の人々がかもし出している気分」を指します。 「雰囲気」は「気分」という点では「フィーリング」と類語にあたりますが、意味が微妙に異なるので、言い換えとしては使えません。 「フィーリング」は「一個人が漠然と抱く気分」なので、「雰囲気」のように「その場」「その場の人々」というニュアンスはありません。 「雰囲気」の英語は「ムード(mood)」です。
例文
などが「フィーリング」と意味が近い類語にあたります。 文章にも寄りますが、「心地」などは「フィーリング」と置き換えることが可能です。
カタカナ語「フィーリング」の語源である英語「feeling」の意味と使い方を解説していきます。
英語「feeling」の1つ目の意味は「感覚」です。 「感覚」が英語「feeling」の基本の意味です。 カタカナ語「フィーリング」は、この意味で使うことは稀ですが、英語「feeling」の影響でこの意味合いでも使用します。(上記でも少し触れました) 例文です。
My fingers are so cold that I've lost all feeling in them.
指が冷たくて感覚が完全になくなった。
I have a strange feeling on my neck.
首が変な感じがする。
「feeling」の2つ目の意味は「気持ち、感情」です。 この意味の「feeling」は、日本語のように「フィーリングが合う」「フィーリングで決める」というような使い方はしません。 「feeling of 〜」または「feeling that 〜」で、「〜な気持ち、〜という感情」という風に使用します。 「feeling」が語源なので意味合いが近いのはもちろんなのですが、日本語「フィーリング」の使い方は独特で、和製英語であることがご理解いただけるかと思います。
Sometimes the feeling of loneliness overwhelms me at night.
ときどき夜に孤独な気持ちに襲われる。
As a kid, I got a feeling that I was not loved by anyone.
子供のとき、自分は誰からも愛されていないという感情になった。
「feeling」のもう一つの意味は「意見」です。 この意味は、日本語の「フィーリング」にはありませんが、ネイティブはこの意味でも「feeling」をよく使います。 「My feeling is that〜」の形で、「私の意見では〜」という意味で使います。
My feeling is that we should deal with that issue right now.
私の意見では、その問題は今すぐ対応すべきだ。
「フィーリング」の意味と使い方は理解できましたでしょうか? 「フィーリング」に関して最後にまとめておきます。 ✔「フィーリング」は「漠然とした気持ち」という意味で使うのが一般的 ✔「フィーリング」は「物理的な感覚」という意味で使われることも稀にある ✔「フィーリング」の類語「印象」「雰囲気」は言い換えることは不可 ✔「feeling」は英語では「l感覚」「気持ち」「意見」の3つの意味で使う