ビジネスシーンでよく見聞きする「ロジカル」という言葉を正しく理解していますか?「ロジカル」の意味と使い方を簡単に分かりやすく解説します。類語、対義語も紹介します。
「ロジカル」の意味は「論理的」です。 「論理的」とは、前提とそれから導き出される結論の間に正しい順序があり納得がいく様子だ、という意味です。
例えば、下記のような思考の筋道は、まさにロジカルといえます。
1と2が前提となって、3という結論が納得いく形で導き出されています。 そもそも前提が正しいのか?という議論はありますが、それはこの思考がロジカルであるかどうかとは関係ありません。
「ロジカル」の英語のスペルは「logical」です。 もともと「論理的」という日本語は、形容詞「logical」を訳して生まれた語です。 英語「logical」の意味を日本語「論理的」はそのまま引き継いでいます。 「ロジカル」がよい意味か悪い意味か(褒め言葉か悪口か)は状況によります。 ビジネスにおいては基本的に「ロジカル」であることは非常に大切です。一方、人間関係においては「ロジカル」であると理屈っぽく冷たいと感じる人も多いです。 よって、そもそも「ロジカル」であることは人に分かりやすく伝えるための手段なので、言い方さえ気を付ければ、多くの人から共感を得ることができるといえるでしょう。
日本語では「ロジカル」は形容動詞として使います。 「ロジカルだ」「ロジカルである」と断定したり、「ロジカルな」「ロジカルに」「ロジカルになる」などの形でも使います。 名詞は「ロジック」といいます。 「彼女のロジックは〜」などと使います。 「ロジカル」を名詞として使うことはできないので注意してください。
「ロジカル」の例文
ビジネスシーンでは「ロジカルシンキング」という言葉があります。 「ロジカルシンキング」とは、「logical thinking」をカタカナ表記したもので、直訳は「論理的思考」です。コンサルティング企業などで使われるビジネス専門用語です。 具体的には、複数のリソースから情報を収集し分析する様々なスキルのことを指します。 「ロジカルシンキング」を駆使すると、情報過多な状況でも必要なものを選択し、それを抜け漏れ・重複なく整理することで、市場の因果関係を理解できる、とされています。 ちなみに、「論理的枠組み」のことを「ロジカルフレームワーク(logical framework)」と言います。 しかし、「ロジカルシンキング」は英語にも関わらず、英語圏ではほとんど使用されない言葉です。 代わりに「クリティカルシンキング」がよく使われます。 「クリティカルシンキング」とは、最適解にたどり着くために、常識を疑い、自分自身で物事を分析する思考法を指します。 「クリティカルシンキング」の和訳は「批判的思考」です。 「批判的思考」の「批判」は「欠点を指摘して正すように促す」という意味ではなく、「よい所と悪い所をはっきり見分け、評価・判定すること」という意味です。
「ロジカル」の類語は、
などがあります。 「論理的」と「理論的」はほぼ同じ意味です。 しかし、「論理」と「理論」は使い方が違うので注意しましょう。 「理論」は、原則に基づいて筋道を立てて考えた認識の体系自体を指します。 「論理」は思考を進めていく筋道そのものを指します。
「ロジカル」の対義語は、
の2つが考えられます。 「感情的」「直感的」という日本語を使えばよいと思います。 ビジネスシーンでは「非論理的」がしっくりきます。 ちなみに「非論理的」は英語で「illogical(イロジカル)」といいます。