職場などでデリカシーがない人っていますよね?ところでデリカシーってどういう意味なのでしょうか?語源である英語「delicacy」とは使い方が違うのをご存知ですか?本記事では「デリカシー」の意味と使い方、そしてデリカシーの欠ける人の特徴と身につける方法まで解説していきます。
「デリカシー」とは、「感受性の豊かさ」や「繊細さ」という意味のある言葉です。 感覚や感情が非常に繊細で、細やかな気遣いや心配りができる様子を「デリカシー」という言葉を使用して言い表します。 つまり、わかりやすく言うと「デリカシー」とは「相手を思いやる気持ち」であるということが わかります。 相手の気持ちを考えた上で発言することや、静かな雰囲気の場所では言われなくても私語を慎むなど、繊細に相手の気持や状況で判断できるということです。
日本でカタカナ語として使用されている「デリカシー」は、上述したように「繊細」や「思いやる気持ち」といったニュアンスで使用されますが、元々の語源である「delicacy」には「珍味 」という意味があります。 海外では、例えば
といった高級珍味を「デリカシー」と良い表すことがあるのです。 日本で「デリカシー」と耳にしても「珍味」という意味で使用されているということは、ほとんどないと思いますが、英会話の中では「珍味」というい意味で使用されれいる可能性もあるということを頭に入れておいたほうが良いでしょう。
「デリカシーの類語には「気遣い」「配慮」といった言葉があります。 ◯気遣い 「気遣い」は、「あれこれと相手の為に気を使う」という意味で使用される言葉です。 これをしてほしい、こうしてほしいと口に出さなくても、空気を読み、相手の気持ちを察してさり気なく心配りをすることを「気遣い」といいます。
「気遣い」の例文
◯配慮 「配慮」は、「よく考えて心を配ること」という意味のある言葉です。 他人のためや、物ごとが上手く運ぶよう気をつかうことを「配慮する」というように言い表します。
「配慮」の例文
「デリカシー」の語源は英語「delicacy」です。 英語「delicasy」の意味は、
などがあります。 日本語の「デリカシー」は二つ目の「繊細さ」の意味が由来となっています。 しかし、英語「delicacy」は日本語のように「彼はデリカシーがない(He has no delicacy)」のようには使いません。 「デリカシーのない人」は英語では
などを使います。
「デリカシー」と同じ語源をもつ言葉に「デリケート」という言葉があります。 「デリケート」の意味も「繊細で感じやすいさま」「微妙で扱いが難しいさま」の2つの意味があります。 また、「敏感な」という意味で肌などの状態を表現する言葉としても使用されます。 「デリカシー」は「デリケート」の派生語で、日本語では「心配りなどの繊細さ」という意味でほぼ同じです。
例文
「デリカシーがない」は、もっとも一般的な「デリカシー」を使用した表現であると言えるでしょう。 「デリカシーがない」とは、「デリカシー」という言葉に「ない」という否定の言葉をつけている表現なので、「繊細さや、気配りがない」という意味で使用されます。 例えば、人を不愉快な気持ちにさせてしまうような言葉を何の気なしに発してしまうような人を「デリカシーがない人」というように言い表します。
例文
「かけらもない」は、「ほんの少しもない」という意味で使用される言葉です。 つまり、「デリカシーのかけらもない」は、「相手を思いやる気持ちや配慮がまったくない」といった意味で使用される言葉です。 ひどく不愉快な気持ちになるような言葉を何の悪びれもなく、言われているような場面で「あの人はデリカシーのかけらもない!」などと言い表します。
例文
「欠る」という言葉は、「完全なものの一部が壊れる」「揃っているべきものの一部が欠落する」という意味があります。 つまり、「デリカシーに欠る」とは、「デリカシーが完全にない」というわけではなく、「配慮が行き届いていない」というよなニュアンスになります。 「欠る」という言葉を使用することで「デリカシーがない」という表現よりも、少々やんわりとした表現になります。
例文
「デリカシー」のない人のほとんどは、基本的に「自分のことしか考えていない」という特徴があります。 自分のことしか考えていないので、自分の発言で他人が「嫌な気持ちになる」ということまで気にすることができないのです。 自分のことが大好きで、他人に興味がないとも言えるでしょう。 世界は自分ひとりしか存在していなくて、失礼なことであっても自分が気になるから何の気なしに聞くし、自分が言いたいから発言をしているだけといった感覚です。
例え自分の発言や行動で他人が不愉快な気持ちになっていることに気がついたとしても、「素直に思ったことを言っただけ」であり、「自分は素直な性格だから」と開き直って自分は悪くないと思っていることが多いです。 デリカシーのなさを指摘されても「素直な性格だからさ、思ったことがすぐ言葉に出ちゃうだけなんだよね」と開きなおるだけだったりします。 周りからの指摘や注意はまったく耳に入りません。
「デリカシーのない人」は、上述したように「素直な性格だから」と開き直っているので、例え指摘されても「悪気はなかったわけだし・・・そう思ったんだから仕方無くない?」とまったく反省することがありません。 そもそも、きちんと反省できるようであればデリカシーのない発言をする前に「この発言は相手を不快にさせるかも」と気づくことができるはずなのです。 自分は良かれと思っていっただけ、親切で言っただけ、と思っていて周りの意見を聞くことなく行動にうつしたり発言をしてしまいがちです。
「デリカシーがない人」は、なぜが自分に自信があって、他人に自分の意見を押し付けてくる人が多いです。 自分の考えや、行動が正しいことだと思い込んでいるので、「こうしたほうがいいよ」「ああしたほうがいいよ」と物事を自分の価値観で決めがちで、あれこれ指図をすることも少くないので、周りから煙たがられているようなことがほとんどです。 しかし、「自分が一番」なので、例え周りの人に悪く言われていようが煙たがられていようが全く気づいていません
そもそも「デリカシー」のない人は、空気が読めないのに自分の発言や行動で周りの人が不愉快な気持ちになっていることや、空気が悪くなっていることに気づくことができません。 例えば、小さいこどもは空気が読めないことがありますが、成長していくにつれて周りの人も気持ちも汲み取ることができるようになっていって、自然に空気が読めるようになりますよね。 しかし、そもそもデリカシーのない言動を繰り替えす人は、人から距離をとられがちなので人との関わり方がよくわかっていないという可能性もあります。
「精神年齢が低い」といったことも、デリカシーのない発言や行動に繋がっている可能性があります。 つまり、小さい子が物事の良い悪いの判別がつかずに行動をしてしまうのと同じなのではないかということです。 成長していくにつれて精神年齢が高くなっていくと、嫌でも人の気持ちってわかっていくものだと思いますが、デリカシーのない人はそれが全くわからないので、精神年齢の低さを感じてしまうわけです。 また、精神年齢の低さから「他の人が言いにくいことでも平気で言える自分」として、自分自身を周りに誇示しているという可能性も考えられます。
デリカシーのない人は、大して仲が良くないのにベラベラと何でもしゃべってしまうといったことが多いです。 最近知り合ったばかりなのに、やらたと深い話をしてくるな・・・という人には注意が必要。 自分がプライベートなことでも何でも気にせず話せるからといって、他人も同じように何でも話せると思っているのではないでしょうか。 だからこそ、給料はいくら貰っているの?家賃はいくらなの?といったプライバシーに関わることでも平気でズケズケと質問しがちで、デリカシーがないなと思われてしまうことが多いということが考えられます。
「デリカシーがない人」は、容姿に関する発言を平気でします。
など、自分で気にしていることを他人からいちいち言われたら嫌な気持ちになりますよね。 それが「デリカシーのない人」にはわからないので、平気で口にしてしまうのです。 何でも言い合える家族のような仲ということもありますが、それでも口に出されて傷ついてしまったり不快な気持ちになってしまうことってあると思いますが、だいたいデリカシーのない人は、親密さに関係なく平気で口にしてしまうという傾向があります。
「デリカシーがない人」は、人を不快にさせる発言だけではなく、おならやゲップといった人を不快にさせる行動も平気でします。 家族でもない人に目の前で「おなら」や「ゲップ」で人が不快な気落ちになるということに全く気づいていないのです。 わりと女性よりも男性に多いパターンであるといえるでしょう。 生理現象なのだから仕方がない、我慢しろというわけではありませんが、ひと目のつかないところでするというような配慮は必要ですよね。
「デリカシーがない人」は、自覚がないので「デリカシーがないところを治して!」と伝えたところ無駄だったりします。 いっそのこと、「デリカシーのない人なんだ」と受け入れて相手にせずに何を言われても聞き流すのがいいでしょう。 右耳から言葉を聞いて、左耳から流せばいいのです。 いつまでも言われた事を気にしたり、いちいち不機嫌な態度になって言い返すなどその場の空気を悪くしてしまうよりは、話半分に聞いて聞き流すほうが「大人な対応」と言えます。
「デリカシーのない人」は、ただからかってその場を面白い空気にしたいという気持ちでわざとデリカシーのない発言をしているという可能性もあります。 「も〜やめてよ〜!」と冗談半分に言い返したり、ちょっとでも怒ったような素振りを見せることで、その「反応」を面白がってしまうのです。 人の容姿をバカにしたり、からかうことで笑いをとろうとする人っているんですよね。 本当に嫌な気持ちになって、やめてほしいと思うのであれば、過剰に反応しないことが一番です。 反応があるからこそエスカレートしていってしまう可能性があるので注意しましょう。
友人関係であれば、デリカシーのない発言に対して「今の傷ついた」と素直に伝えてみてもいいでしょう。 友人だからこそ、「デリカシーがないよ」とやんわり教えてあげるのも相手の為にもなる可能性があります。 しかし、デリカシーがない人は悪気がない人がほとんどなので、言ったところでわかってもらえなかったり、開き直られてしまう可能性もあるのでデリカシーがない性格が治るとはかぎりません。 過度な期待はせずに伝えて、それでも治らなければもう諦めるしかないでしょう。
この人はデリカシーがないと感じる人物が近くにいた場合、先に言われたくないことを伝えておくといいかもしれません。 例えば、「目が一重なのは昔からコンプレックで、人から言われるのも嫌なんだよね」といったようにやんわり「そのことは言わないでね」というニュアンスで伝えておけば、ひとまず他の人の前でいじられるということは防げる可能性があります。 それでも言われてしまうようなことがあれば、「そのことはもう言わないで!」とハッキリ伝えてもいいでしょう。
デリカシーのない人と一緒にいて傷ついたり、嫌な気持ちになるくらいなら無理して関わる必要はありません。 必要以上に関わらないのが一番です。 例えば会社の人であれば、伝達事項や仕事に関する会話以外をすることをできるだけ控えましょう。 友人であれば、その人からの誘いに無理にのる必要はありませんし、飲み会にその人がいるなら参加しない、もしくはできるだけ遠くの席に座るなど、極力関わらないようにすることは可能なはずです。 とにかく距離をおいて自分を守ることを心がけるのが一番です。
デリカシーのない発言や行動をしてしまうのは、相手の気持を考えられていないからです。 自分の発言したことに対して相手の反応や表情をよく見るというとを意識すれば、相手が嫌な気持ちになったときにすぐに気がつくことができます。 そうすることで、自然にどういった発言がデリカシーがないと思われるのか次第にわかってくるはずです。 人の顔色を伺いすぎて、言いたいことを言えなくなってしまうのもよくありませんが、コミュニケーションをとっていく上で、相手の気持ちを考えることは重要なことですよね。 独りよがりの会話では、上手くコミュニケーションがとれているとは言えません。 相手の気持ちを汲み取る努力をしていきましょう。
デリカシーのない発言というのは、だいたい人が言われたくないと感じる欠点をいじるような内容や、容姿、年齢に関することだったりします。 いちいち人の欠点や気にしているような部分を話題にして、相手を嫌な気持ちにしてしまうくらいなら、相手のいい部分を褒めるようなコミュニケーションのとりかたをするほうが良いと思いませんか? 褒められて嫌な気分になる人はいませんよね。 極端な褒め方をして、相手に不審がられるのはよくないので、あくまでも自然に的確な内容で褒めことを心がけましょう。
自分本位な考えで「自分が言っていることは正しい」と思い込むのは、デリカシーのない発言ににつながってしまいます。 常に、謙虚で控えめな姿勢でいることを忘れないように心がけることで、デリカシーのない発言を予防することに繋がります。 「謙虚に」とは自分を偉いものだと思わずに、控えめに慎ましくいることです。 いつでも謙虚に、相手の気持ちを優先させることを心がけましょう。
自分の周りにいる「気配り上手」だと思う人や、周りから「よく気が利く」と評判がいい人をお手本にしましょう! 気配りができる人は人の気持ちを察することができる為、デリカシーのない発言をする可能性は低いと言えます。 従って、そういったお手本となる人を見つけることができれば、その人を見ているだけで、どういうときにどういったことをすれば人を喜ばせることができるのか、身につくはずです。 そうしていくうちに、次第に人の心情を察することができるようになるのでデリカシーを身につけることができるでしょう。
自分が見ていて「デリカシーがない」と感じる人は、逆に反面教師にしましょう。 デリカシーがない人を見ていると、「こういう人にはなりたくないな・・・」と思いますよね。 同じような発言や行動をしないように心がけるだけで、デリカシーのない発言や行動を避けることができます。 配慮ができて、周りから好かれている人は「お手本」に。 デリカシーがないなと感じる人のことは「反面教師」にしましょう。
何より、デリカシーを身につけるには積極的にコミュニケーションをとっていくことが大切です。 実際に、人をコミュニケーションをとらないことには、人の気持を察する能力は身につきません。 上述したように、色々な人と積極的にコミュニケーションをとって、表情や反応を読み取る訓練をしていくことでデリカシーを身につけることができるでしょう。 人を不快な思いにさせない為には人と関わらないことが一番♪なんて思わないでくださいね。
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「デリカシー」という言葉について理解していただけましたか? ✓「デリカシー」は「感受性の細やかさ」という意味がある ✓「デリカシー」は「珍味」という意味で使われることもある ✓「デリカシー」の類語は「気遣い」「配慮」など ✓「デリカシーがない」などの言い回しで使用される
そんな人は「デリカシーがない」なんて思われているかもしれません! 気をつけましょう。