「ヘイトを向ける」や「ヘイトスピーチ」など聞いたことがあるかと思います。インターネット上のヘイトスピーチは問題視されています。今回はそんな「ヘイト」の正しい意味と使い方を例文付きで解説します。また、「ヘイトスピーチ」をはじめ「ヘイト発言」「ヘイト本」、そしてゲーム用語の「ヘイト」についても解説します。類語や英語表現も紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
「ヘイト」は、「憎悪する、反感する、差別する」といった意味で用いられている外来語です。 英語の「hate」が由来となっています。 それについては後に詳しく説明します。
「ヘイト」は「憎悪、反感」といった意味で用いられています。 主な言い回しは、 ヘイトを向ける ヘイトが向く となっています。 この2つは、憎悪の感情や反感を誰かに持つといった意味合いで使われています。 その他、ヘイトは「ヘイト○○」と他の単語と組み合わせて使われることがあります。 よく見かける「ヘイトスピーチ」の他、「ヘイト発言」「ヘイト本」については後に説明いたします。 また、ゲームでもよく用いられていますので、それらも併せて説明いたします。 まずは、一般的な「ヘイト」の例文をいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
「ヘイトスピーチ」とは、「憎悪に基づく発言」のことで、主に差別的な発言を指します。 はっきりとは定義はされていませんが、人種・国籍・性別・障害・宗教・性的指向など個人や集団が抱えている主体的に変えることの難しい事柄について、差別・侮辱・誹謗・中傷する発言のことです。 また、インターネットなどのそういった書き込みのことも「ヘイトスピーチ」と指します。 日本では、5年ほど前からヘイトスピーチを問題視し取り上げるようにはなっていますが、ヘイトスピーチ自体を取り締まる法律は制定されていません。 2016年6月に「ヘイトスピーチ解消法(=本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律)」は公布・施行はされており、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消が喫緊の課題」であると認識はされています。 しかし、先進国の中で日本とアメリカはヘイトスピーチを法的に規制していない少数の国となっています。
「ヘイト発言」とは、「ヘイトスピーチ」と同じ意味です。 日本では「ヘイトスピーチ」を「ヘイト発言」と呼ぶことが多くあります。 最近では、2018年10月から放送予定であったアニメ『二度目の人生を異世界で』の原作者が他国を侮辱するような発言を繰り返し、主要キャストの声優陣が降板を発表した後放送中止となる事態もありました。 SNSなどではそういった侮辱するような発言を軽々しくする人が増えていますが、日本でも「ヘイト発言」を法的に規制するようになるのでしょうか?
「ヘイト本」とは、「人種・国籍・性別・障害・宗教・性的指向など個人や集団が抱えている主体的に変えることに対する憎悪や侮辱する内容の書籍のこと」です。 要するに、ヘイトスピーチが主となった書籍のことを表しています。 日本でも外国に対する差別的な内容のヘイト本がいくつも販売されています。
ゲーム用語でも「ヘイト」という言葉がよく使われています。 これは、敵キャラクターのゲームプレイヤーに対する敵対心や、攻撃するプレイヤーを決めるための項目や値のことです。 主にオンラインなど複数人で戦闘するゲームで用いられ、敵キャラクターはヘイトの高いプレイヤーを攻撃します。 ゲームによって、どういった行動や戦闘方法でヘイトが高くなるかは異なり数値化されていない場合もあります。 また、チーム戦ではヘイトを上げるキャラクターなどを定めボスキャラなどをクリアするための攻略をします。 主な言い回しは、「ヘイトを上げる」「ヘイトが高まる」です。
大流行した「人狼ゲーム」でも「ヘイト」という言葉が使われています。 人狼ゲームでは「敵愾心(てきがいしん)」という意味で使われています。 敵愾心とは、「敵に対し怒りや憤り抱く闘志」のことです。 主な言い回しは、「ヘイトを稼ぐ」「ヘイトを撒く」と使われ、周りを敵対して相手の反発を招くことです。
● 憎悪 意味:相手をひどく憎むこと、嫌うこと ● 反感 意味:相手に対して反抗・反発する感情のこと ● 敵意 意味:敵対する気持ち、相手を的として憎む心 ● 悪意 意味:他人を憎んだり外を与えようとする心、物事に対して抱く悪い感情
カタカナ語「ヘイト」の語源である英語の「hate」の意味と使い方を見ていきましょう。 「hate」の基本的な意味は「...が大嫌い」という他動詞になります。 「hate」は日本語の「嫌い」という言葉よりもかなり強意的で「嫌悪感を感じるほど苦手だ」というニュアンスになります。 日本語の「嫌い」というニュアンスならば「don't like」または「dislike」を使うのがいいでしょう。 「hate ...ing」の形で「...することが大嫌いだ」という意味になります。 「hate to ...」の形だと「...したくない」という願望の否定な意味合いになります。
I hate my job. It's really tiring.
自分の仕事が大嫌いだ。本当に疲れるから。
I have hated speaking in public since I was a kid.
子供のころから人前で話すのが大の苦手だ。
I hate to say this, but I don't think she is the right person for the job.
こんなこと言いたくないんだけど、彼女はこの仕事に向いてないと思う。
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「ヘイト」について理解できたでしょうか? ✓英語の「hate」が元となっている外来語で「憎悪する、反感する、差別する」という意味 ✓よく「ヘイトスピーチ」「ヘイト本」などと使われている ✓類語は「憎悪」「敵意」など 昨今はインターネット上でのヘイトスピーチが問題となっています。 軽はずみな言動は、他人を傷つけかねません。 SNSなど、素性が知れないところや顔が見えないところでも、自分も相手も人間ですので発言には注意しましょう。