「My pleasure.」と「The pleasure is all mine.」は辞書では同じ意味となっていますが、実際にはニュアンスが違います。「Thank you.」に対する返事か、「Nice to meet you.」に対する返事なのか、で使い分けが必要です。詳しくみていきましょう。
相手が感謝している場合は、「My pleasure」と返事をして、「どういたしまして。」という意味になります。「You're welcome.」「No problem.」「Not at all.」「Don't mention it.」などと同義です。 「My pleasure.」は、「It is my pleasure.」を略したものです。 「It is my pleasure.」の「it」は、「自分がした事」を指します。「pleasure」は「喜び」という名詞ですから、直訳すると「自分がした事は私の喜びです。」という意味になります。 相手は「ありがとう」と言ってる対象は、もちろんこの「自分がしたこと」ですね。
"Thank you for saying that." - "It's my pleasure."
「それを言ってくれてありがとう。」- 「どういたしまして。」
上の例文では、「it」は「saying that」を示します。「It's my pleasure.」の意味は、「私がそれを言ったことにあなたは感謝しているけれども、それは私の喜びなんだ」という意味です。 ですから、「my pleasure」「it's my pleasure」というのは、とても謙虚に「どういたしまして」と言ってることになります。
「Nice to meet you.」に対して「My pleasure.」と返事をするのは不自然です。 なぜなら、直訳すると、「自分があなたに会ったことは、わたしの喜びだ」という意味になり、「自分があなたに会ったこと」というのが、「自分はあなたに会ってあげた」というニュアンスになり、偉そうなニュアンスになってしまうからです。 「my pleasure」を「どういたしまして」と覚えてしまえば、「はじめまして」に対して「どういたしまして」と答えている日本人がいたら変だと認識できるはずです。
「nice to meet you」「nice to see you」など一般的な「はじめまして」に対して、「my pleasure」は使用を避けるべきですが、「It is a pleasure to meet you.」の返事として、「My pleasure.」と返すことはあります。この場合は、「こちらこそ」という意味になります。 Aさん:「It is a pleasure to meet you.」 Bさん:「My pleasure.」 とした場合、 Bさんは、Aさんが会うと「pleasure」を感じるほど、偉い人と予想できます。偉い人かすごい人でなければ、「nice to meet you」でいいわけです。Bさんは偉い人なので、「会ってあげた」というニュアンスを含む「it is my pleasure」を使っても不自然ではないわけです。 自分がそんなに偉くないのに、相手が謙遜で「It is a pleasure to see you.」と言ってきても、「My pleasure.」と答えない方がいいでしょう。 では、その場合どのように答えるのが謙虚な言い方なのでしょうか?? 「The pleasure is mine」の登場です。
「The pleasure is mine.」は「はじめまして」に対して、「こちらこそ」という意味になります。 「The pleasure is mine」「The pleasure is all mine」は直訳すると、「その喜びはわたしのものです」となります。 「the pleaure」は「the」がついているので、話し手と聞き手の「共通の」喜びを指していて、それは「お互いが会ったこと」に対する「共通の喜び」ということになります。 「nice to meet you」の直訳は「会えて嬉しいです」で、それに対して「The pleasure is mine.」は「その喜び」は「共通」なもので、それは私のものだ、と言ってるわけです。私のものだ、ということは、その喜びを感じているのはこちらなんだ、ということを強調しているわけです。 つまり、とても謙虚に「こちらこそ会えて嬉しい」と言ってることになります。
「Thank you.」に対して、「The pleasure is mine.」と答えるのはどうでしょうか? 完全におかしいとは言えませんが、「My pleasure.」が自然です。 Bさんがしたことに対して感謝し歓喜を感じているAさんに、Bさんが「その喜びはわたしのものです」というのはなんだか不自然だと思いませんか? なぜなら、「その喜び」はBさんがAさんに対してしたことなのですから、その喜び自体はAさんのものです。 ですから、「It is my pleasure.」というわけです。主語の「it」は、BさんがAさんにしたことが、Bさんにとって喜びであるわけで、Aさんが感じている喜び自体はAさんのものです。
しかしながら、「thank you」に対して、「the pleasure is mine」と言う場合もチラホラあります。ここのネイティブもそこまで意識しないで使ってるようです。 が、「thank you」に対しては、「my pleasure」を使うのがベストです。
ちょっと複雑なので、最後にまとめます。 「It is my pleasure.」の「it」は自分がしたことを指し、謙虚に「どういたしまして」と言っている。 「The pleasure is mine.」は共通の歓喜に対して、それは私のものだ、と謙虚に「こちらこそ」と言ってる。 いかがだったでしょうか?少し複雑でしたが、使い方を覚えてしまえば簡単にマスターできると思います!ぜひ使ってみてください。
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