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【完全版】「may」「might」の意味と使い方

「may」「might」は皆さん知っていると思いますが、正しい意味やネイティブの使い方をしっかり理解できている方は少ないのではないでしょうか?また「may」「might」にはどんな違いがあるのでしょうか?今回は「may」「might」の意味と使い方を徹底解説したします。

※音声付き例文がありますので、発音の確認に活用してください。音声はアメリカ英語になっております。

「may」の意味と使い方

「may」の助動詞の仲間です。 助動詞は、文字通り、「動詞」を「助」ける品詞です。 助動詞は「may」以外にもたくさんあります。

could might may can should ought to would will must

助動詞「may」の意味や使い方は、あまり馴染みがなく掴みづらいと思うのですが、下記の3つの表現は誰しもが聞いたことがあるのではないでしょうか?

《1》Maybe(たぶんね) 《2》May I help you?(ご用件は何でしょうか?) 《3》May the Force be with you(フォースと共にあらんことを) ※《3》は映画『スター・ウォーズ』で出てくるセリフ

《1》に関して 「maybe」は1つの単語ですが、助動詞「may」とbe動詞の原形「be」が組み合わさってできた単語です。「maybe」の意味は「たぶん」ですよね。つまり「may」にもこの「たぶん」という意味、つまり「可能性・推量」の意味があります。 これで「may」の1つ目の意味が見えてきました。 《2》に関して 「May I help you?」は海外旅行でお買い物などを行った際に店員さんに言われた方が多いのではないでしょうか?「いらっしゃいませ」「ご用件は何ですか?」と意訳されることが多いですが、直訳すると「私はあなたを手伝ってもよいですか」という謙虚な疑問文になっています。つまり「許可」を求めていることになります。 これで「may」の2つ目の意味が見えてきました。 《3》に関して 「May the Force be with you.」はスターウォーズファンの方なら絶対知っていますよね。 「フォースが共にあらんことを」というお決まり文句なのですが、「the Force」というのは「宇宙の力」を意味し、これが「be with you」つまり「宇宙の力があなたと一緒にいますよに」という「祈願・願望」を意味しています。この意味では「may」が倒置法になっています。 これで3つ目の意味が見えてきました。 以上の3つが助動詞「may」が持つ意味です。 詳しくみていきましょう。

《1》可能性・推量

助動詞「may」の1つ目の意味は「可能性・推量」です。 「...かもしれない」という訳になります。 主語 + may + 動詞の原形  という文型で使います。 例文を見ていきましょう。

That may be true.

それは本当かもしれない。

My mom is always afraid that I may possibly get a cold.

私の母は、私がもしかしたら風邪を引くかもしれない、といつも心配している。

I think Steve may be at the office by now.

スティーブは今頃会社に着いているでしょう。

「may」は「I think」「possibly」などを使い、不確実性、自信のなさを強調することがあります。 「may」だけでなく「can」にも「可能性・推量」の意味があり置き換えが可能です。 という説明がよくされるのですが、 実際にはすべての助動詞に「可能性・推量」の意味があるというのが正しいです。 それぞれの違いは、話し手の確信の度合いです。 冒頭部分で助動詞の一覧がありますが、あれは確信度の低い順に並んでいます。 「may」で確信度50%と言われています。

確信度低い could might may can should ought to would will must 確信度高い

100%確信があれば、助動詞を使う必要はなく、通常の肯定文で書けばよいですね。 That is true.(それは本当だ) That must be true.(それは本当に違いない) That will be true.(それは本当だろう) That should be true.(それは本当のはずだ) That may be true.(それは本当かもしれない) That could be true.(それは本当である可能性もある) このように助動詞を付けることで確信度の低さ、自信のなさを表現していることになります。 そして「may」と「can」は確信度が同じくらいなので、置き換えが可能ということになります。

《2》許可

「may」には「許可」の意味もあり、 「...してよい」という訳になります。 再度登場ですが「can」にも「許可」の意味があります (「許可」の意味はすべての助動詞が持っているわけではありません) 「許可」を意味する「may」は「目上の者が目下の者に許可を与える」という意味があり、かなり横柄な印象を与えます。 なので日常会話では「can」を使うのが無難です。

You can go now.

君はもう行ってよろしい。

Users may visit our website only ten time a month for free.

〈掲示〉我々のウェブサイトをユーザーは無料で月10回までは使用できます。

余談ですが、 「可能性・推量」と「許可」の両方の意味を1つの文章で表現するときはどうすればよいでしょうか? 助動詞は1つの文章で1つしか使えませんので、 Maybe you can... などとすればよいでしょう。

《3》祈願・願望

「may」には「祈願・願望」の意味があります。 この意味の場合、文型が特徴的です。 May + 主語 + 動詞の原形 となり、倒置がおきます。 「...するように、....でありますように」という和訳になります。 他の助動詞は「祈願・願望」の意味はありません。 例文です。

May the new year bring you health and happiness!

新年も幸せで健康でありますよに!

May you both be happy forever!

あなたがた二人が永遠に幸せでありますように!

「might」の意味と使い方

「might」を「may」の過去形だと教わった人が多いのではないでしょうか? 確かに文法的にはそのような位置付けになるのですが、「might」に過去の意味はありません! 「might」の意味は「可能性・推量」で、「may」とほぼ同義です!つまり現在形の文章で「might」は使います! (違うのは上記の助動詞の一覧でもあるように、話し手の確信度だけです。「might」の方が確信度が低い) 注意すべきは、「might」には「may」と違い「許可」の意味がない点です! 主語 + might + 動詞の原形 で使います。すべての助動詞はこの形で使います。 ではネイティブはどのように「may」「might」「can」使い分けているかというと、、、

◯「可能性・推測」の意味では日常会話で「might」を使い、ほとんど「may」は使わない ◯「許可」の意味では「may」を使うこともある ◯「許可」の意味でも「may」は横柄な印象を与えるので「can」を使うことがほとんど 【結論】「may」はネイティブの日常会話での使用頻度が最も低い助動詞の1つと言える ※論文やビジネス書では「可能性・推量」の意味は「may」がよく使われる

ということになります。 ここまで一生懸命「may」を解説してきましたが、「may」はあまり使われません。 特にアメリカ人は「may」をあまり使いません。 アメリカ人にとって「may」は堅苦しい印象があります。 私自身米国留学していましたが、アメリカ人は「can」「might」の方を圧倒的によく使っていました。

My son might be prime minister when he grows up.

私の息子が大人になったら、総理大臣になるかもしれない。

We might catch the train if we hurry!

急げば電車に間に合うかもしれないよ!

He might be in Osaka by now.

彼は今頃大阪に到着しているかもしれない。

「過去の推量」を表現するには?

「may」も「might」も「現在の推量」を意味するというお話をしました。 それでは「過去の推量」を意味するにはどうすればよいでしょうか? 現在完了の「have」を使います! 主語 + may have + 動詞の現在完了形 主語 + might have + 動詞の現在完了形 の文型で使用し、 「...だったかもしれない」という訳になります。 「過去の推量」でも「might」がよく使われます。 例文を見ていきましょう。

My wife might have gotten on the bus already.

私の嫁はすでにバスに乗ってしまったかもしれない。

My parents might have already been aware that I dropped out of college.

私の両親は私が退学したことを気づいていたのかもしれない。

「may」「might」の否定文と疑問文

「may」「might」の否定文と疑問文を見ていきます。

「may」の否定文

「may」の否定文の文型は、 主語 + may not + 動詞の原形 となります。 「may」の否定文は、

  • 「可能性・推量」の否定で「...ではないだろう」
  • 「許可」の否定で「...してはいけない」(軽い禁止)

という2つの意味があります。 この違いは文脈で判断しなければなりません。

He may not be at home now.

彼は今家にいないかもしれない。(推量の否定)

Students may not smoke on the campus.

生徒はキャンパスでタバコを吸ってはいけない。(軽い禁止)

強い禁止は「must not」を使います。 「may not」は、「軽い禁止」なのか「...しないことを許可」しているのか、区別が難しいことがあります。 例えば、 You may not stay here. には2通りの和訳が考えられます。

  • あなたはここにいてはいけません(軽い禁止)
  • あなたはここにいなくてもよいです(しないことの許可)

どのように判断するかというと「強勢の位置」で判断します。 「あなたはここにいてはいけません」では「not」に強勢を置き、 「あなたはここにいなくてもよいです」では「may」に強勢を置きます。

「may」の疑問文

「may」の疑問文は、「May I...」のみです。 ☓May you..? ☓May he...? という疑問文は不可です。 「May I..?」は相手に丁寧に許可を求める表現です。 日常会話では「Can I..?」の方がよく使われます。 「you」を使って「推量」の疑問文を作るには「likely」を使い、 Are you likely to 動詞の原形 となります。

Are you likely to be late for school tomorrow?

明日は学校に遅れるかもしれませんか?

「might」の否定文・疑問文

「might」は否定文・疑問文もシンプルです。 否定文 主語 + might not + 動詞の原形 主語 + might not have + 動詞の原形 疑問文 Might + 主語 + 動詞の原形 です。 「may」と違い「might」はどんな疑問文も作ることができます。

「may」「 might」を使った慣用表現(イディオム)

「may」「might」を使った代表的な慣用表現(イディオム)を2つ紹介します。

may well as do / might as well do

may well as do (動詞の原形) might as well do may well just as do might just as well do のどの形でも意味は同じで、「...する方がよい」という意味になります。 過去形にするには、 might as well have done の形にします。

He never listens, so you might as well talk to a wall.

彼は絶対に人の話を聞かないので、壁に話しかける方がマシだ。

I might as well have gone home, because the restaurant was closed.

家に帰った方がよかった、だってレストランしまってたからね。

may well do

「may well do」で「...するのは当然だ」という意味です。

She may well be angry about that.

彼女はそのことで怒るのも当然だ。

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