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前置詞「with」のイメージ、コアな意味と使い方 - 「by」との違い、使い分け

前置詞「with」にはたくさんの意味がとても分かりづらいですよね。今回は前置詞「with」のイメージ、コアの意味と使い方を分かりやすく解説します。和訳が似ていて混乱する前置詞「by」との違いと使い分けも説明します!

前置詞「with」は数ある前置詞の中でも特に大切なものの1つで、頻出単語です。 しかし「with」は様々な意味や用法があり、イマイチ分かりづらい言葉でもあります。 でも実は「with」のすべての意味は2つのコアのイメージと意味に結びついています。 この2つのコアの意味と理解すれば、自然とすべての意味と用法が理解できるようになります。 今回はこのコアの意味2つと、それらから派生した意味と使い方を紹介します。 また和訳が似ていてよく混同されてしまう前置詞「by」との違いも分かりやすく解説します!

前置詞「with」のイメージとコアの意味

前置詞「with」のコアな意味は、「随伴」「方向」です。 「随伴(ずいはん)」とは、「ある事柄と共に起こる」という意味です。 「方向」は、「ある事柄に対して◯◯する」というニュアンスです。 少し分かりづらいかもしれませんが、それぞれの意味から派生した意味をみたら「なるほど!」と思うはずです! 前置詞「with」には本当にたくさんの意味と使い方がありますが、すべてが「...と共に」と「...に対して」という2つの意味から派生しています。 実際に派生した意味は何なのか、例文とともに見ていきましょう。

「随伴」から派生した意味と使い方

「ある事柄と共に起こる」という意味の「随伴」というコアの意味から派生した意味はたくさんありますが、どれもコアの意味と結びつけて理解すれば簡単に理解できます。

【同伴】...と共に

「...と共に」「...と一緒に」と訳される【同伴】の意味は、「随伴」から簡単に予測できると思います。 「with」の最も一般的な意味で、一番よく使われます。 例文です。

I was at school with my friends after school.

放課後、私は友達と一緒に学校にいた。

I'd like to come with you.

あなたと一緒に行きたいと思ってます。

A pen, with two pencils, was gone before I knew it.

ボールペンと2本の鉛筆が共に、知らないうちに失くなっていた。

【所有・携帯・様態】...を持っている、...を身に着けている

「...と一緒に」を意味する「随伴」から派生して【所有・所持】の意味も「with」にはあります。「...を持っている」と訳すことができます。 常に所持していると【携帯】ということができます。 【様態】は少し分かりずらいですが、人が感情や心構えを「所有」しているとき【様態】と言えます。例えば、fight with courage は「勇気を持って戦う」となります。この「勇気」は心構えであり、「with courage」で「勇気をもって」と【様態】を示します 例文です。

He likes girls with blonde hairs.

彼はブロンドヘアーの女の子が好きだ。

A woman with a silver ring just walked past me.

シルバーリングをした女性がちょうど私を通り過ぎた。

I've reserved a room with a ocean view.

オーシャンビューのある部屋を予約した。

I saw my friend with an umbrella on the street.

傘を持っている友達を道で見かけた。

I have no money with me.

お金ありません。

Make sure you take an umbrella with you.

忘れずに傘を携帯しなさいね。

Everyone treated a diamond with care.

全員が気をつけてダイアモンドを扱った。

【道具】...で

前置詞「with」には【道具】という意味もあります。 道具は何かするときに「一緒に」使うものですから、「with」のコアの意味である「随伴」から派生していると予想できますよね。

Can I pay with a credit card?

クレジットカードで払ってもいいですか?

A kid was cutting papers with a scissor.

子どもはハサミで紙を切っていた。

【原因】...が原因で

前置詞「with」には【原因】という意味もあります。 原因と結果は常に「共に起こる」ので、「with」は原因を意味することができます。 「主語+動詞+with+◯◯」で、「◯◯が原因で主語は...する」と訳すことができます。

My hands are shaking with fear.

手が恐怖で震えている。

My wife is in bed with fever.

熱で嫁は寝たきりだ。

「方向」から派生した意味と使い方

前置詞「with」のもう1つのコアの意味は「方向」ですね。

【対象】...に対して

前置詞「with」には「方向」の意味から派生して【対象】の意味があります。 方向のニュアンスは図式で合わすと「→」で、「A→B」としたとき「Bが対象」とイメージできるのでニュアンス連想できるかと思います。 【対象】を意味する前置詞「with」は特定の形容詞と組み合わせて使います。

CEOs have to be patient with people all the time.

社長はどんなときでも人に怒ってはいけない。

My parents were very strict with me when I was a kid.

両親は私が幼いとき、大変厳しかった。

AKB48 is still popular with the boys at school

AKB48は依然として学校の男子に人気だ。

対象を意味する前置詞「with」と一緒に使う形容詞は他にも

  • angry
  • pleased
  • severe
  • upset

などがあります。 前置詞「to」も「方向」を示します。「to」とおもに使う形容詞は

  • kind
  • nice
  • polite
  • rude

などです。 少し紛らわしいですが、覚えてしまいましょう!

【関連】...に関して

前置詞「with」には「方向」から派生して【関連】という意味もあります。 上記でも言いましたが「方向」は「→」ですので、「A→B」としたとき「AがBに関連している」とイメージができますよね。

What's wrong with you?

どうしたの?

What do you want with me?

要件はなんだ?

最後の例文の「What do you want with me?」は「おれに何のようだ?」という意味です。 映画などの交渉のシーンでよく出てくるフレーズです。 つい「What do you want from me?」という感じがしてしまうのですが、「関連」を意味する「with」が正しいです。

前置詞「by」との違いと使い分け

道具、手段などを意味するとき、「with」以外にも前置詞「by」を使うことがあります。 ともに和訳は「...で」となりますが、違いと使い分けはどうすればよいのでしょうか? 「with」==> 道具 「by」==> 手段  と理解しておけば、とりあえず問題ありません。

I wrote it with a black pen.

黒のペンを使って書いた。

I go to the office by train.

私は電車でオフィスに行きます。

上の例では、「ペン」は明らかに「道具」です。なので「with」を使います。 電車は明らかに「手段」です。なので「by」を使います。 しかし、話者が道具と捉えているか、手段と捉えているかによって使い分けが微妙な場合もあります。

I'll pay with a credit card.

I'll pay by a credit card.

「クレジットカード」は「道具」か「手段」か、、微妙なところです。 自分が毎日持ち運ぶカードですから「道具」と捉えることもできますが、 電子決済サービス全体を指せば「手段」と捉えることもできるわけです。 なので、どちらも正解です。 筆者が暮らしていたアメリカではクレジットカードの場合は「with」が多かったです。 アメリカ人はクレジットカードは「道具」と捉えているのでしょう。

受け身の文章での「with」と「by」の使い分けは、話者が「主体」をどのように捉えているかによって決まります。

The man was killed by a car.

The man was killed with a car.

上の2つの例文はどちらも意味は一緒です。 「その男は交通事故で亡くなった」となります。 「The man was killed by a car.」の主体は無生物の「car」であり、 「A car killed the man」に対応します。 「The man was killed with a car.」の主体は人で、 「Somebody killed the man with a car」に対応します。 「The man was killed by a car.」と言った場合は、その男は仕方なく交通事故で車にはねられてなくなってしまった、というニュアンスがあります。 「The man was killed with a car.」と言った場合は、誰かが殺意もっていて車を利用してその男を殺したんだ、というニュアンスがあります。 後者の場合は基本的には少ないでしょうから、前者で表現することが基本的には多いと思います。 道具か手段か、というだけの議論ではなく、受け身の場合は話者にとっての主体が何なのかによって「with」と「by」の使い分けが起こるというお話でした。

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