助動詞「could」は「can」の過去形だと習った人が多いのではないでしょうか?それも間違いではないのですが、それ以外の用法もあります。今回は「could」の意味と使い方を徹底解説します!
※音声付き例文がありますので、発音の確認に使ってください。音声はアメリカ英語になっています。
「could」は助動詞の仲間です。 助動詞は他にもたくさんあります。
などなど(もっとたくさんあります) 助動詞は文字通り動詞を補助することで、文章の意味が変わります。 I go. 行きます。 I can go. 行けます。 I could go. 行けるかもしれません。 というふうに、文章の意味が変化します。(「could」の意味は後ほど詳しく見ていきます)
肯定文:主語 + could + 動詞の原形 否定文:主語 + could not+ 動詞の原形 疑問文:Could + 主語 + 動詞の原形 という文型になります。 他の助動詞を使い方は同じなので、そこまで難しくはないと思います。
「could」は「can」の過去形だと中学で習った人がほとんどだと思います。「could」は「can」の過去形としての役割ももちろんありますが、それだけではありません! 「could」の意味は4つに大別されます。 ① 推量 ② 過去の能力(canの過去形) ③ 依頼・提案・願望(丁寧なcan) ④ 仮定法 1つずつ説明していきます。
「could」の1つ目の意味は「推量」です。 「たぶん...だろう」「...はずだ」という和訳になります。 この意味の「could」は「can」の過去形ではありません。 「could」は現在時もしくは未来の「推量」を表します 「could not」と否定文だと、「...なはずはない」という意味になります。 実は「推量」の意味をもつ助動詞はたくさんあります。 それぞれの助動詞の違いは、推量の確信度の違いです。 「can」にも「推量」の意味があります。
確信度低い could might may can should ought to would will must 確信度高い
100%確信があれば、助動詞を使う必要はなく、通常の肯定文で書けばいいわけです。 「may」で確信度50%になります。「could」の確信度は20%以下です。 下記の例文を見ると、確信度の違いが分かりやすいと思います。
That is true.(それは本当だ) That must be true.(それは本当に違いない) That will be true.(それは本当だろう) That should be true.(それは本当のはずだ) That may be true.(それは本当かもしれない) That could be true.(それは本当である可能性もある)
「could」はかなり確信度の低い推量になります。 それでは例文を見ていきましょう。
I could be wrong.
私が間違っているかもしれない。
It could not be true.
それは正しいはずがない。
This could be the chance that I've been looking for.
これは私がずっと求めてきたチャンスかもしれない。
It could rain later this evening.
今日の午後雨が降るかもしれない。
上記でも言いましたが「could」は単体では現在時の推量を表します。 「could」を使って「過去の推量」を表すには、 主語 + could have done とします。 「...だったかもしれない」となります。
I could have been wrong.
私は間違っていたかもしれない。
"The word could have ruined your life." - "Could have."
「その一言があなたの人生を崩壊させたかもしれないね」-「たぶんね」
「could」の2つ目の意味は「過去の能力」です。 「...する能力があった」「...することができた」という和訳になります。 この用法は、皆さんが中学で習った「can」の過去形の「could」です。 「can」の「できる」という「能力」を意味する助動詞でした。 (「能力」以外にも意味がありますが、最も代表的な意味は「能力」ですね) 例文を見てみましょう。
I could swim very well when I was in elementary school.
小学生のとき、私は上手に泳ぐことができた。
When I was in my twenties, I could stay up all night.
20代の時は、徹夜ができた。
過去の能力には「was able to」というフレーズもあります。 しかし「could」と「was able to」には違いがあります。 「could」は「ある期間において何かをする能力を有していた」という意味です。 「was able to」は「何かをする能力があり、実際に1回限りの行為を実行し成功した」という意味になります。 下記の例文2つを比べてみると、意味の違いが明らかです。
I was able to pass the entrance exam.
入試に合格することができた。
I could pass the entrance exam.
[その気になれば]入試に合格することができた。(実際にはできなかった。)
しかし否定文「could not」と「was not able to」はほぼ同義で交換可能です。
I was not able to pass the entrance exam.
入試に合格することができなかった。
I could not pass the entrance exam.
入試に合格することができなかった。
「was not able to pass...」は「実際に試験を受けたが合格できなかった」という意味で、 「could not pass...」は、この意味に加えて、そもそも能力的に無理だった、という意味も含まれます。
「can」には「能力」以外にも様々な意味があります。 例えば「Can you buy me a ticket?」と言えば「私にチケット買ってくれませんか?」という「依頼」を意味します。 「Could you buy me a ticket?」というと「私にチケットを買って頂けませんか?」と、より丁寧な依頼になります。 このように「could」には「丁寧なcan」の役割があります。 「can」には下記の4つ意味で日常会話で使われることが多いです。
つまり「could」の意味は下記の4つになります。
1つずつ見ていきます。
上記でも説明しましたが、「could」には「丁寧な依頼」の意味があります。 Could you + 動詞の原形...? で「...して頂けませんか」となります。 例文を見てみましょう。 ビジネスシーンでパートナー先や顧客に対して最もよく使われる依頼は「Could you please...」という表現です。「could」は「would」よりも丁寧です。日常会話では「can」が一番使われます。
Could you help us?
お手伝いお願いできませんか?
Could you please get this work done as soon as possible?
できるだけ早くこの仕事を終わらせて頂けますか?
「can」には「許可」という意味もありますので、「could」は「丁寧な許可」の意味があります。 Could I + 動詞の原形...? Could we + 動詞の原形...? という文型になります。 さっそく例文を見てみましょう。
"Could I use your cell phone?" - "Yes, you can."
「あなたのケータイ使わせて頂いてもいいですか?」-「はい、いいですよ」
このように「Could I..?」の返答には「Yes, you can.」「No, you can't.」といいます。 「could」は使いません! 「Yes, you could.」だと「あなたは使うこともできるでしょう」というようなニュアンスになり、偉そうでイヤな感じになるので気をつけましょう。 「Yes, sure.」「Of course.」という表現の方がもっとカジュアルです。
「can」には「提案」の意味もありますので、「could」には「丁寧な提案」の意味もあります。
We could meet up at six tomorrow.
明日6時に会いましょう。
I wonder if you could deal with this problem on your own.
その問題は自分で対処してもらうことはできるでしょうか。
「can」には「示唆」の意味もありますので、「could」には「丁寧な示唆」の意味があります。 「示唆」というのは、 「You can ask our customer service division about it.」(それに関しては弊社のカスタマーサービス部門に聞いて頂けます)というふうに使う「can」が「示唆」になります。
You could ask your teacher for his advice.
先生に助言を求めることもできますよ。
「could」は仮定法でもよく登場します。 事実ではない主観的な想像や仮定、願望の話をする際に用いる表現が仮定法です。 日本語では仮定法はありませんが、英語では事実ではない話をする際は、事実と区別をつけるために、過去形や過去完了形を使って文章を作ります。 仮定法には下記の3種類があります。
1つずつ解説していきます。
まず例文を見てみてくだい。
If I had more money, I could travel to the United States.
もしもっとお金があったら、アメリカに旅行できるのに。
このように「現在の事実に反対の仮定」をするのを「仮定法過去」といいます。 現在時の仮定ですが、現在の事実に反するため過去形(この例文だと「were」「could」)を使い、「もし...ならば、...にできるのに」という文章を作っています。 仮定法過去の「could」は「実際にはできないこと」を示します。
「過去の事実に反する仮定」をする場合は「仮定法過去完了」になります。 さっそく例文です。
If I had had more money, I could have traveled to the United States.
もしお金もっと持っていたら、アメリカに旅行に行くことができたのに。
「現時点で実現できていない願望」を表すときにも仮定法が使われます。 「wish」や「if only」などを使います。
I wish I could speak English.
英語が喋れたらなあ。(実際には話せない)
If only I could speak English.
英語さえ話せればよいのだが。(実際には話せない)
上記の例文の文型で使います。動詞の部分を好きな言葉に変えれば、どんな願望でも述べることができます。
「could」を使った慣用表現(イディオム)や、よく使うお決まりのフレーズを紹介します。
I could eat a horse 「腹ペコだ」 You could have fooled me. 「そんなのうそだろ」 Couldn't be better 「最高だ」 I couldn't agree more. 「大賛成」 I couldn't agree less. 「大反対」 Could I have a lift? 「車乗せてくれない?」 I couldn’t help it. 「どうしようもなかったのよ」 You could say that. 「そうとも言えるね」 Could you keep a secret? 「内緒にできる?」 couldn't carry a tune in a bucket 「歌のセンスゼロ」 I couldn’t care less. 「全然気にしない」 I could have bitten my tongue off. 「言わなければよかった」 Could be. 「たぶんね」 You could cut the atmosphere with a knife. 「状況がかなり緊張状態だ」 You could have heard a pin drop. 「完全に静かだ」
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