別居婚とは文字通り「夫婦が別居しながら結婚生活を送ること」を意味します。配偶者同士は婚姻届を出したら同居しますよね。仕事の関係で望まずして別々に暮らしている夫婦もいれば、円満な夫婦生活を送るためにあえて別居している人もいます。週末だけ会う、月イチは一緒に食事に行くなどのパターンもあります。
「別居婚」とは、籍は入っているけど同居しない結婚生活のことです。 「別居婚」はお互いが「別々に暮らそう」と選択をしています。 これは勤務地や出勤時間など仕事のために選んでいる人もいますが、一人の時間や趣味の時間を自由に使えるようにするため、また程よい距離感を保つことで夫婦関係を円満にさせるために「別居婚」を選ぶ夫婦が多くいます。 そして、別居婚をしながら週末だけ会う関係のことを「週末婚」と言います。
「別居婚」の大きなメリットは、仕事を優先できることです。 というのもそもそも「別居婚」を選ぶ夫婦の多くは共働きであることが多いです。 特に女性側がキャリアを諦めないために「別居婚」を選びたいと考えることが多いようです。 結婚をしたからといって退職をしたくない、という人や、自分と結婚相手の勤務地が遠い場合どちらかの出勤時間が長くなってしまいます。 様々なことを考えた結果、「別居婚」を選択すれば仕事を優先することが出来ます。 仕事のある日の家事の負担も同居よりも減るため、仕事と家事の両立に悩むこともありません。
夫婦生活をするうえで、窮屈に感じてしまうひとつに「自分の時間がない」というものがあります。 特に共働きだと、仕事が終わり帰ってきたら家には結婚相手がいます。 相手に不満はなかったとしても、一人で趣味に没頭をする時間や何の気も使わないでいられる時間が欲しいなと思ってしまうものです。 そのため平日は別居をすることで、仕事から帰ってきたら一人の時間になります。
別居婚だと夫婦でお財布が別なので、家計管理がしやすいです。 一方が他方へお小遣いを渡すパターンもあるかと思いますが、別々に生活しているので基本的には自己管理になります。 妻の貯金を夫が使ってしまった、二人で使用するもどちらが支払うか、など夫婦は何かと金銭で揉めることが多いです。 物理的に離れていると、一緒に何かを消費することがないので、この心配がありません。 金銭面で夫婦がなーなーの関係にならない点が、別居婚の利点といえます。
また、別居をすることで喧嘩してもすぐに距離を置くことができます。 会ったときに喧嘩になっても、お互い自分の家があるためそれぞれの家に帰れます。 喧嘩になったときってずっと一緒にいると些細なことにもイライラしてきて、関係が悪化してしまいますよね。 しかし、いったん距離を置くことで冷静になることが出来、関係の悪化を防ぐことが出来ます。 平日ずっと離れているので5日間も時間を空けることができます。 そうすると謝りやすくなったり、相手のことを理解しようという気持ちになれます。
一緒にいることが当たり前になりすぎると、新鮮な気持ちがなくなってしまいますよね。 しかし、離れて暮らしていることで恋人のときと変わらないような関係でいられます。 会えることが嬉しくなり、男女として新鮮な気持ちを持ち続ける事が出来ます。 次はどこで会おうか、何をしようか、とか考えたり「この話次会ったときにしたいな」などと思うことで、長く男女の関係を楽しむ事が出来ます。
別居する時間を作ることで、リスクを分散することが出来ます。 例えば、一緒に生活することで風邪が伝染ったりすることってありますよね。 共働きで2人して体調を崩してしまうのは、大きなリスクになりますよね。 また地震などが起きた際、どちらの家が倒壊したりしてしまった場合に、もう片方の家に避難することも出来ます。
離婚することがデメリットかどうかは言い難いですが、別居婚をしている夫婦は完全に同居婚をしている夫婦に比べて、離婚率が高いです。 というのも、お互いに自立しているから別居婚ができるわけです。 経済的に問題はありませんし、精神的にも一人で生活することができるわけです。 となると結婚している意味ってあるのかな…？と思うようになってしまいます。 また自由な時間が多いうえに家が別であるため不倫をしやすい環境でもあります。 むしろ不倫相手と過ごす時間の方が多くなり、その人と一緒になりたくなってしまう人もいるのだとか。 別れたところで生活が大きく変わるわけではないため離婚が切り出しやすいという点もあります。
別居婚は浮気する可能性が高くなります。 一緒に暮らしていないので帰りの時間を気にする必要もないですし、浮気相手を家に連れ込むこともできます。 浮気しやすい環境ではありますよね。 さらに普段会わない分寂しい気持ちも募っていきますので、つい異性と関係を持ってしまうことも。 定期的にコミュニケーションを取ったり会ったりしていないと、罪悪感もどんどん小さくなっていってしまいます。
別居婚は費用がかさみます。 家賃は1ヶ所でいいところ、2ヶ所それぞれ負担することになるわけです。生活費や光熱費なども、1人ずつ暮らした方が多くかかります。家電や調理器具など、必要な物も倍必要になります。 そのため別居婚は金銭面に余裕がないと難しいでしょう。 その分、時間や気持ちに余裕が出来るのでどちらを取るかということになるますが、金銭面を考えるとデメリットとなります。
また、家事が苦手な男性は別居婚はかなり大変です。 平日は仕事をしているので帰宅してから家事をやらない人も多いです。 洗濯物や掃除などを週末にまとめてやり、そのうえで結婚相手の家に行ったり自分の家に誘ったり、一緒にどこか出かけたりする時間を作るのがどんどん億劫になっていってしまいます。 その結果、別居婚を辞めて同居をするか、もう離婚をするかどっちかにしたいと思ってしまう人が多くなっています。 一緒に生活をすれば家事の分担も出来ますし、わざわざ会う時間を作らなくても会うことができますよね。 ただお互いが仕事を優先したい気持ちが揺るがないことで同居は難しい、となってしまいます。
「別居婚」をしている夫婦全員が、毎週など高い頻度で必ず会うわけではありません。 たとえば平日は仕事に追われ、週末に家事をまとめてやる人も多いです。 そのため週末に会う時間がどんどん減ってしまいます。 そうなるとスキンシップを取ることが出来なくなり、電話やメールでやり取りをしたとしても顔を見たり声を聞けるわけではないので相手の様子が分からなくなります。 そこから誤解が生じることもありますし、なんとなく距離感を感じ自分のことを話したり出来なくなることもあります。
「別居婚」をしていると妊活をする機会が限られてしまいます。 受精可能な期間は排卵後24時間と言われています。 昨今では排卵後5〜6時間と言われることもあるため、かなり限られています。 そのため、タイミングが合わずなかなか子供を作ることが出来なくなります。 妊活を機に同居をすると妊娠する確率も上がりますが、いつ妊娠するかわからないのに仕事を辞めたり勤務地を変えたりするのはリスクがあるため、なかなか妊活出来ない別居婚の夫婦が多くなっています。
妊活の機会が限られる点は上述しましたが、すでに子供がいる夫婦は、途中から別居婚をすると、どちらか一方が子供と過ごす時間が圧倒的に減少してしまいます。 子供と一緒に暮らすわけではなくなるので、基本的に配偶者と会う時にしか子供にも会えません。 なので日々の成長を自分の目で感じられなかったり、子供からも人見知りされて懐いてもらえないこともあります。 事情を理解できない子供は「なぜ自分の両親は一緒に暮らしていないんだろう？」と疑問に思ったり寂しく思ったりすることもあります。 子供がいる場合は時間の取り方をしっかりと考えていかなければなりません。
まず仕事を優先したい人に向いています。 そもそも別居婚の多くは、仕事の都合で選択している夫婦がとても多いです。 お互いの職場が遠いところにあったり、勤務時間などが違う場合に一緒に暮らす方が大変になってきます。 それぞれが仕事に集中できる環境で生活しながら、休みの日や時間に余裕のある日に一緒に過ごします。
ひとりの時間が必要だと感じる人も別居婚に向いています。 結婚をして一緒に暮らすことになれば、必然的にひとりの時間は減っていきますよね。 ひとりの時間がないとストレスが溜まってしまう人は別居を選択するといいでしょう。 別居婚をする人たちは、会う頻度はそれぞれです。 週に1度の人もいれば、月に1度程度の人もいるかもしれません。 一人の時間を大事にしながら結婚生活を送ることが出来ます。
まず別居婚をするにあたって、経済的に自立していないと難しいです。 やはり同居をするよりもお金がかかります。 家賃に生活費など、それぞれ負担することになるわけです。 一人暮らしの延長と考える人も多いかと思いますが、これから出産や妊娠をするとなると別居にお金をかけてしまって大丈夫なのか考える必要があります。
連絡をマメにするタイプの人は別居婚が向いているでしょう。 やはり離れて暮らしていても夫婦ですので、コミュニケーションがかなり大事になってきます。 ここであまり連絡を取らず疎遠になってしまうと、離婚のきっかけとなってしまうことがあります。 夫婦でいる意味もわからなくなってしまうので、別居婚をする場合は連絡をこまめに取り合えるかも重要となります。
また、1人で仕事をしながら家事もこなさなければいけません。 なので一人暮らしの経験が長い人は、別居婚に向いています。 一人で暮らすうえでの金銭感覚や、生活力がすでについているため問題が生じにくくなります。 むしろ一人暮らしが長い場合はずっと同居しているよりも別居婚くらいの方がストレスも溜まりにくいかもしれません。 掃除や洗濯物、料理なども今まで一人暮らしでしてきた通りにできます。 一人暮らしの延長で別居婚をすることで、長続きする夫婦も多いです。
別居婚をすることに対して、理解ができない人も世の中にはいます。 特に子供がいると「両親が揃ってないのは可哀想」「わざわざ別居するって何かあるのかしら？」と思う人もいます。 そのため、周りの人からそういうことを思われても気にならない人は別居婚に向いています。 周りの目が気になる人は、かなりストレスになってしまうでしょう。 これが自分たちに合ったスタイルで何の問題もなく過ごせているからそれでいい！という気持ちでいられると別居婚しやすいです。
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実は民法752条には「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と規定されており、夫婦は同居してお互いを支え合う必要があります。 しかし、実は「同居義務」「相互扶助義務」とは言え、絶対的ではありません。そのため然るべき理由があれば、別居しても違法になるわけではありません。 ですが相手は同居を求めているのに理由もなく同居に応じなかった場合は、慰謝料を支払わなければならない場合もあります。 また、別居婚は意味がないのではないか？と言われていることも多いです。 別居を続けるくらいなら、籍を入れる必要はないのではないと思う人もいるかと思います。 ですが、夫婦の形はそれぞれ、十人十色です。 自分たちに合った生活スタイルを見つけ、末永く幸せでいられるといいですよね。
