「会得(えとく)」とは「意味をしっかり理解し自分のものにする」という意味です。「真理を会得する」「操作方法を会得する」などと使います。類語「習得」は「第三者から習って会得する」、「体得」は「体験を通して会得する」の意味になります。「会得」の対義語は「アンラーニング」です。
「会得」の読み方は「えとく」 ちなみに旧字は「會得」です。
「会得」の意味は「十分に理解をして自分のものにすること」です。 物事の意味や本質をよく理解して、悟ることを表します。
「仏教の真理を会得する」など「物事の意味、本質などを理解し悟る」などのニュアンスで使われることもありますが、元々仏教用語というわけではありません。 「会得」を語源を知るためにそれぞれの漢字の意味を見ていきましょう。 「会」という字は「会う」と訓読みがあることから「あう、出あう」の意味で使われることがほとんどです。 ただ他にも、
といった意味もあります。 「会得」では、この「さとる、理解する」といった意味が使われています。 「得」の訓読みは「得る(える)」です。「手に入れる」という意味で一般的に使われています。 他にも、
があります。 「得」にも「さとる、理解する」の意味があります。 この2つが合わさって「会得」は「十分に理解して自分のものにする」という意味となっています。
「会得」は主に、「会得する」の形でスキルやコツを身に付けた時に使います。 「新しいスキルを会得する」「○○のコツを会得する」などと使います。 ただ物事を知っただけでは「会得する」とは使いません。 使いこなせるほど自分の身に付いた場合に用いられます。
例文
「会得」はビジネスシーンであれば、履歴書で使います。 自分が今までにどんなスキルを身につけてきたのかを「会得」を用いて記載することが出来ます。 例えば「カフェで3年間バイトをしていたため、接客における大切なことを会得しました。それは〜」などと使うことが出来ます。
「会得がいく」と誤用されることが多いですが、正しくは「得心が行く」「納得がいく」です。 同じ「得」が使われているので混同しやすいですが、覚えておきましょう。 「得心が行く」の意味は「十分に承知する、納得する」です。 よく分かって気持ちがおさまる様子を表します。 「納得がいく」の意味は「物事に対して認める」です。 それがもっともだと考えて理解できる様子を表します。
また「会得顔」と誤用されることも多いですが、正しくは「得意顔」「得顔」です。 これらも「得」が使われているので混同しやすいですが、覚えておきましょう。 「得意顔」も「得顔」も同じ意味で「得意な気持ちを表した表情」で「誇らしげな顔つき」を表します。 「得顔」は「えたりがお」と読みます。 「時を得顔」という慣用句もあり、この場合は「ときをえがお」と読みます。 これも「よい時機にあって栄、得意そうな様子」を表します。
「習得」の意味は、「学問・技術などを習って会得すること」です。 「習得」は、「習う」という漢字が使用されていることからもわかるように、「習って身につけること」に対して使用される言葉です。 つまり、「習得」は、研修や稽古のように第三者に教わることによって「身につける」ということがポイントになります。 例えば、「語学」のように学問を習得するといったことはもちろん、「運転免許」のような技術に関することに対しても使用することができます。
例文
「体得」の意味は「十分に会得すること」です。 体験を通して、完全に会得して身につけることです。 会得よりも、さらに身についている様子を表します。 また「体」という字が使われていることから「体験を通して会得する」「体を動かして会得する」といった意味合いが強くなっています。
「獲得」は「かくとく」と読みます。 意味は「努力して自分のものにすること」です。 努力や苦心の末に手に入れることを表します。 「メダルを獲得する」「有名選手の獲得」などと使います。 また、ただ単純に「クーポンを獲得する」など「手に入れる」といった意味で使うこともあります。
例文
「取得」は「しゅとく」と読みます。 意味は「一定の手続きを経て、資格や権利、物品などを自分のものにすること」です。 ただ単に「手に入れる」といった意味で使われることもあります。
例文
「収得」は「しゅうとく」と読みます。 意味は「受け取って自分のものにすること」です。 「収める」という字が使われていることから、「自分の所有物にすること」を言います。 例えば運転免許は資格であり所有物にはならないので「取得」となります。 物件であれば、自分だけの所有物になるため「収得」となります。 同じ「手に入れる」ですが、使い方が異なります。
「拾得」は「しゅうとく」と読みます。 意味は「落とし物を拾うこと」です。 「拾う」という漢字が使われていることからも分かりやすいですよね。 この場合は「自分のものにする」といった意味はありません。 法律では、遺失物の占有を所有者以外の人が取得することを「拾得」と言います。
例文
「修得」の意味は、「学問・技芸などを学びおさめて会得すること」です。 「修得」の「修」は、「おさめる・学ぶ」という意味のある漢字で、「得」は「得る」という意味で使用される言葉です。 特に学び終えて身につけることができたという状況で使用されます。 「習得」は「習って会得すること」を指しますが、「修得」は「学んで会得した」という意味合いが強くなります。 また「修得」は、主に「学業を履修し終えること」に使われることが多くなっています。
例文
「同化」の意味は「取り入れた知識などを理解して自分のものにすること」です。 外から取り入れたり得たりした知識を完全に自分のものにすることを指します。 また「性質や考え方など異なるものが感化されて同じようになること」といった意味もあります。
「会得」の対義語は解釈によって2つありますので、一つずつ紹介していきます。
「アンラーニング」の意味は「一度学んだことを捨てる」です。 「学習棄却」とも言われており、時代にそぐわない知識や価値観などを捨てて新しく学び直すことを指します。 「これまでの経験で得たものをいったん白紙に戻し、再び学び直す」という、ポジティブな意味で使われています。
「生得」は「しょうとく」とよみます。 意味は「生まれながらに身に付いている」です。
「理解する」という意味で使う「会得」の英語は、
です。 「comprehend」は「完全に理解する」という意味で、より「会得」のニュアンスに近いです。 「comprehend」は否定文で使うことが多いです。
It's not easy to understand.
会得しずらい。
「会得」の英語には「learn」もあります。 「learn」は「新しい知識や技術を身につける」という意味です。 「study」は「勉強する」という意味で、必ずしも会得できているとは限りません。 猛勉強したのにテストの点数が低かったら、「study」はしたが「learn」してなかった、ということになります。
I learned Spanish at school.
学校でスペイン語を会得しました。
「learn」の同義語に「master」があります。 現代では「master」より「learn」が一般的です。
「会得」の意味と使い方、ご理解いただけましたか? 「会得」についてまとめます。 ✔「会得」の意味は「十分に理解をして自分のものにすること」 ✔「会得する」の形でスキルやコツを身に付けた時に使う ✔「会得」の同義語「習得」「体得」 ✔「会得」の対義語は「アンラーニング」 ✔「会得」の英語は「learn」