「次点」は選挙やコンテスト、競技など当選・受賞で2番手を意味する言葉です。1番じゃないということでネガティブな意味合いで使うことが多いです。今回は「次点」の意味と使い方、類語、同音異義語、3番目を意味する言葉はあるのか?など徹底解説していきます。
「次点」は「じてん」と読みます。 「次」は、音読みで「ジ・シ」訓読みで「つぐ・つぎ」と読みます。 「点」は、音読みで「テン」と読みます。 「つぎてん」とは読まないので注意してください。
「次点」の意味は2つあります。 「次点」の1つ目の意味は「最高点に次ぐ点数。また、それをとった人」です。 例えば「100点」が最高得点だったとして、次に高い点数が98点だったとしましょう。 この場合の「98点」が、最高得点に次ぐ点数になるので「次点」になります。 そして、98点をとった人のことを「次点」ということができます。
「次点」の2つ目の意味は「当選者・入選者の次の得点。また、それをとった人」です。 選挙など投票数で何かを決める場合には、当選できなかった人の中で一番多い票、またはそれを取った人が「次点」です。 例えば、1位A氏1万票、2位B氏8000票、3位C氏7000票で、当選人数が2名の場合、7000票・C氏が「次点」にあたります。 2番目ですが、当選していれば、8000票・B氏のことを「次点」とは言わないので注意してください。
「次点」は、万葉集の訓点の一つでもあります。 「訓点」とは、漢文を読むためにためにつける「返り点」(レ点など)や「送り仮名」といった符号のことを言います。 訓点は時代の流れとともに変化しており、それに合わせて呼び名も「古点」→「次点」→「新点」と変わっていきました。 平安後期から鎌倉初期にかけてつけられた訓点を「次点」と呼びます。
「次々点」という言葉も存在します。 「次々点」は「じじてん」と読みます。 「明後日」「明々後日」のように「次の次の点」と解釈すると「3番目」を指す言葉なのではないかと思ってしまいますが、「次々点」は、「次点」と同義です。 「次点」の次にあたる三番目を意味する熟語はありません。
「次点」は、2番目の点数・人を言及するときに使う言葉です。 例えば、「◯◯さんは次点でランクインしている」だと「二番目の点数でランクインしている」という意味になります。 また、次点をとった人を指して「次点の◯◯さん」「次点の◯◯氏」ということもあります。
などの言い回しで使用されます。 「二番目の点数・得点」という意味で使用されていますが、「1位、2位、3位、」といった順位を表す言葉ではないので注意しましょう。
例文
「次点」は二番目の得点や点数をとった人を言及する言葉で、「次点者」「次点者候補」と表現することもあります。 「次点者」とは、そのまま「次点の者」という意味で「次点者の◯◯さん」といった使い方をすることができます。 「次点者候補」は、「二番目の得点や点数をとるだろうと予想される人」を指します。 例えば、選挙などで「二番目に投票数を集めて当選しそうな人」を指して「次点者候補」と言うことがあります。
例文
「次点」はオークションでも使用される言葉です。 オークションは、商品に1番高値をつけた人が商品を落札できるシステムになっていますよね。 オークションで言うところの「次点」は「二番目に高い値段をつけていた人」を指し、「次点の落札者」などと言い表します。 「次点の落札者」は「補欠落札者」となり、落札者が落札に同意しなかった場合などに「落札候補者」に繰り上がり商品を購入するチャンスを得ることができます。
例文
「次点」は将棋業界でも使用される言葉です。 将棋業界では、段級位の昇格において「三段リーグで二度の次点を取る」といった条件が決められています。 将棋では、3位の者に次点を与えられます。 通常だと「二番目」の人が「次点」となりますが、将棋では成績1位、2位の者が昇段者となるため3位の人が「次点」となります。
例文
「次点」は、競馬で使われることもあります。 競馬では、もっとも期待値の高い馬を「本命」といいます。 本命の次点の馬を「対抗」と言います。 つまり、本命の次に期待値の高い馬のことです。 「次点」自体は競馬用語ではありませんが、競馬で頻繁に使用される言葉です。
「時点」の意味は「時の流れの、ある一点、時機」です。 例えば、「今の時点では〜・・・」という使い方をします。 「今の時点」というのは、「時の流れ」で言う「今」を指していて「現時点」と言い表すこともできます。 「時点」は「〜のその時は」というニュアンスで使用され、「過去」「現在」「未来」どれにも使用することができます。
例文
「辞典」は、言葉を一定の順序に配列し、表記・読み方・意味・用法などを説明した本のことです。
など、色々な種類の辞典があります。 「これって何ていう意味だろう」「こういう時は何という言葉を使えばいいのだろう」と疑問に思ったときなどに使用するものです。
「次位(じい)」の意味は、「次の位」です。 一番目から見て、次の位や、地位、順番を指す言葉が「次位」という言葉です。 「次点」も、二番目を指す言葉なので「次位」は類語にあたると言えるでしょう。
例文
「二位(にい)」は、競技など順位をつけるものにおいて、二番目の順位や成績を残した人を指す言葉です。 「次点」は「最高点に次ぐ点数。また、それをとった人」であり順位を指す言葉ではありません。 順位の意味で使用したい場合は「一位」「二位」「三位」という表現を使用します。
例文
「ニ等」は、「二番目の順位」「第二の等級」です。 上述した「二位」と同じように、段級や順位を数えるのに用いる言葉です。 順位において「ニ等」と言っても「二位」といっても意味は同じになります。
例文
「二着」は、主に「2番目に終えた競技者」を指す言葉です。 例えば徒競走をしたときに、一番目にゴールをした人が「一着」二番目にゴールをした人が「二着」となります。 この場合は「着」は「到着」の「着」を意味していて、到着の順序を指す言葉になります。 「着」は「着る」「衣服を身につける」という意味もあって、「二着」で「洋服が2つあること」を指している場合もあります。
例文
「次席(じせき)」の意味は、「席次が二番目であること」です。 また、その席次の人を指します。 「席次」とは、儀式など催しものにおける座席の順序のことです。 国会の席順を指して使用されることが多いですが、一般的には結婚式などの席順を指して使用されることが多いでしょう。 さらに、役職で次の地位に当たる人を指す言葉でもあります。 例えば「官庁」や会社などにおける「局」「部」「課」などの次の地位にあたる人です。
例文
選挙やスポーツで「2番手、準優勝」を意味する英語は「runner-up」です。 ちなみに「当選者」は英語で「winning candidate」です。
「2番目」という意味で幅広く使える単語には「second best」があります。 ただし「1番目ほどよくなく、あまり求められていない」というネガティブなニュアンスが強いです。
I don't want to settle for second best.
1番じゃなきゃ嫌だ。
アカデミックの世界での2番目、つまり「次席」を意味する英語には「proxime accessit」があります。 「proxime accessit」はラテン語で「he came next(彼は次にきた)」という意味になります。
いかがでしたか? 「次点」という言葉の意味を理解していただけたでしょうか。 ✓「次点」の読み方は「じてん」 ✓「次点」の意味①は「最高点に次ぐ点数。また、それをとった人」 ✓「次点」の意味②は「当選者・入選者の次の得点。また、それをとった人」 ✓「次点」の意味③は「 万葉集の訓点の一」 ✓「次点」は2番目の点数・人を言及するときに使う ✓「次点者」「次点候補者」と表現する場合もある