ビジネスシーンでは上司や取引先などに対して、何かしらの情報や方法などを教えてほしいという場面がありますよね。そのような場合に使うのが「ご教授」と「ご教示」という言葉です。使い勝手が良く、かつ社会人らしいスマートな印象を与えられる「ご教授」と「ご教示」はビジネスで頻繁に使用します。では、「ご教授」と「ご教示」の違いについてご存知でしょうか。何気なく使っていた、同じ意味では?と思っている方も多いと思います。そこで今回は「ご教授」の意味や使い方、「ご教示」の使い分けについて解説していきます。
「ご教授」は<ごきょうじゅ>と読みます。 「教」は音読みだと「キョウ」、訓読みだと「おしえる」と読みます。 「教」は「おしえる」「おしえ」を意味します。 「授」は音読みだと「ジュ」、訓読みだと「さずける」と読みます。 「授」は「手わたす」「さずける」を意味します。 「教授」の意味は、
となります。 ”学術”は学問と芸術、”技芸”は美術工芸・芸術方面に関わる技術を意味します。 「ご教授」の「ご」は尊敬を表す接頭語です。 「ご教授ください」は「専門的な知識や技術を教え授けてください」という意味になります。 また、「比較的長い期間に渡って教えてもらう」という意味合いも含まれます。
「ご教授」は専門的な知識や技術をある程度の期間、継続的に教えてほしい場合に使います。 「ご教授」はよく、楽器やスポーツなどの習い事に関する場面で使われることが多いです。 「トランペットの基礎をご教授いただけませんか」といったように、長期間に渡っての訓練や鍛錬が必要な楽器やスポーツの分野では頻繁に「ご教授」が使われます。 ですので、「ご教授」は普段のメールで使うには、少々重たい内容になってしまいます。また、「ご教授いただきたい」レベルの内容であれば、メールで聞くのは失礼に当たります。 「ご教授」をメールで使う場面としては、主に芸術や音楽関係の先生、スポーツ関係や習い事でお世話になっている先生へのメールがほとんどです。
例文
「ご教示」は<ごきょうじ>と読みます。 「教」は音読みだと「キョウ」、訓読みだと「おしえる」と読みます。 「教」は「おしえる」「おしえ」を意味します。 「示」は音読みだと「シ」「ジ」、訓読みだと「しめす」と読みます。 「示」は「しめす」「物事を表して知らせる」を意味します。 「教示」は「知識や方法などを教え示すこと」を意味します。 「ご教示」の「ご」は尊敬を表す接頭語です。 「ご教示ください」は「知識や方法などを教えてください」という意味になります。 「ご教示」は「ご教授」と比べると、より単純で、教えてほしい事柄が明確な場合に使います。 ビジネスシーンでは、書類の書き方がわからない場合に質問したり、対処の方法について尋ねる場合に使えます。”長期間に渡って教えてもらう”ことを表す「ご教授」よりも、「ご教示」の方が使う機会が多いでしょう。 また、「ご教示」はアドバイスを求める場合にも使います。 「ご教示」は、メールなどと書き言葉として使用するのが一般的です。
例文
「指示」の意味は、
となります。 「指示」とは”指導する”・”指揮をとる”というようなイメージになります。 「指示」はよく「ご指示を仰ぐ」と使います。 「ご指示を仰ぐ」とは、”上司などに何らかの指導を受ける・指示を求めることをお願いすること”を表します。 他にも、「ご指示いただく」「ご指示願います」などと使われます。
例文
「ご指南」は<ごしなん>と読みます。 「指南」の意味は、
となります。 「指南」は「武術・芸能などを教え示すこと」を意味していて、「剣道を指南する」「将棋のご指南願います」といったように使います。”教える”という意味でも、「ご指南」は武術や芸能などの教えを表します。 「指南」は武術や芸能についての教えを表しているので、ビジネスシーンで使うことは少ないです。
例文
「ご指導ご鞭撻」は<ごしどうごべんたつ>と読みます。 「ご指導ご鞭撻」は、(目上の)相手の自分に対する教育や指導のことであり、それらを敬っていう表現です。 「指導」は「ある目的に向かって教え導くこと」、「鞭撻」は「鞭(ムチ)で打つこと」「怠らないよう強く励ますこと」を意味します。 「ご指導」も「ご鞭撻」のどちらも、「ご指導お願い申し上げます」や「ご鞭撻の程、よろしくお願いします」のように単独でも用いられますが、「ご指導ご鞭撻」とセットで用いられることが多いです。 「ご指導ご鞭撻」は、どんな場合でも挨拶やスピーチの「結びの言葉」「締めの言葉」として使います。 ビジネスシーンでは、目上となる上司や顧客・取引先などに対して引き続き変わらない付き合いをお願いする際の常套句となります。
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「教導」は「教え導くこと」を意味します。 「ご教導」は”学問的な理念や宗教思想などに基づいて、教え導くこと”を表しています。 ビジネスシーンで「ご教導」はあまり使いません。
例文
「教授」の同音異義語で「享受」という言葉があります。 「享受」の意味は、
になります。 「享受」は「与えられたものを自分のものとして受け入れ、楽しむ」という意味合いなので、「自由を享受する」「携帯電話の恩恵を享受する」といったように使います。 ”享受する内容”は、恩恵やメリットの他にも、自由や安全性、自然の恵みなど多岐に渡ります。 「ご享受ください」と使うことはできないので注意しましょう。
「ご教授ください」の英語表現を考えてみましょう。 かなりシンプルに考えると「Pleace teach me.」になってしまいますが、ビジネスシーンでは少し言葉足らずな印象を与えてしまうと思います。 代わりに下記のようなフレーズを使うとよいでしょう。
It would be greatly appreciated if you could explain the details.
詳細をご教授いただけると幸いです。
Is it possible to have your advice on that matter?
その件に関してアドバイス頂くことは可能でしょうか?
これらの表現を使えば、相手にとても丁寧な印象を与えることができます。
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「ご教授」について理解できたでしょうか? ✔︎「ご教授」は「専門的な知識や技術を教え授けてもらうこと」を意味する ✔︎「ご教授」は”専門的な知識や、技術を身につけるために教えてほしい”という場合に使う ✔︎ 教えてほしい事が明確であったり、単純な場合は「ご教授」ではなく「ご教示」を使う ✔︎「ご教授」の類語には、「ご指示」「ご指南」などがある