ビジネスメールや挨拶などで見かける「ご指導ご鞭撻」という言葉。それとなくご指導いただくときに使う言葉であることはわかる方も多いと思いますが、果たして正しく使えてますでしょうか?そこで今回は「ご指導ご鞭撻」という言葉の正しい意味と使い方、類語などを說明しようと思います。
ご指導ご鞭撻は「ごしどうごべんたつ」と読みます。
「ご指導ご鞭撻」の意味は、目上の相手からの自分に対する教育や指導のことであり、それらを敬っていう表現になります。 「ご指導」も「ご鞭撻」のどちらも、「ご指導お願い申し上げます」や「ご鞭撻の程、よろしくお願いします」のように、単独でも用いられていますが「ご指導ご鞭撻」と合わせて用いられることが多くなっています。 ちなみに名詞の「指導」「鞭撻」にそれぞれ尊敬語の接頭辞である「ご」がついたものです。 また、それぞれの意味は以下の通りです。 「指導」 ある目的に向かって教え導くこと 「鞭撻」 1.鞭(ムチ)で打つこと 2.怠らないよう強く励ますこと になります。
尊敬語の「ご」が付いてることから分かる通り、目上の人に使われる言葉です。 目上の方や先輩、お客様・取引先などに敬意を持ち、今後も変わらないお付き合いをお願いする場合に使います。 同僚や後輩など、自分自身と対等もしくは目下の者に対して使うことは基本的にありません。
そして使う際に注意したい点は、どんな場合でも挨拶やスピーチの「結びの言葉」「締めの言葉」として使うことです。 これは「ご指導ご鞭撻」の言葉を使う際に、今後も変わらずよろしくお願いします、という思いも含まれるからです。 ですので、挨拶の冒頭でいきなり使うのはNGです。
「ご指導ご鞭撻」は「今後も変わらずお願いします」という思いが含まれている言葉ですので、お別れのシーンで使うと不自然です。 「ご指導ご鞭撻いただきありがとうございました」などと使うことはありません。 ただ、一区切りとして「ご指導ご鞭撻を賜り、ありがとうございました」と過去形で使うことはあります。 しかし、これも今後も関わっていくこと前提で使います。 何かを教えてもらったときや、年度の終わりなどで使うと良いでしょう。
ビジネスシーンでは、目上となる上司や顧客・取引先などに対して引き続き変わらない付き合いをお願いする際の常套句となります。 取引先相手への手紙やビジネスメールにおいて、挨拶の締めに使います。
「何卒、今後ともご指導ご鞭撻くださいますようお願い申し上げます」 「引き続き皆様方のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」 「この度は大変お世話になり、心より御礼申し上げます。今後ともご指導ご鞭撻をいただきたい所存でございます」
「ご指導ご鞭撻」は結婚式の挨拶やスピーチでよく使われています。 主に新郎による列席者に向けての挨拶で用います。 会社の人やこれまでお世話になった人も多い場面での挨拶になるため、スピーチの最後に決まり文句と言ってもいいほど使われます。
「まだ未熟な私達に、皆様方のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」 「何かと至らぬ二人ではございますが、今後とも今までと変わらずご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます」 「まだまだ至らないところの多い私たちでございます。皆様には今後ともご指導ご鞭撻のほど心よりお願い申し上げます」
それから「年賀状」などでも使われます。 上司や先生など目上の方へ送る年賀状の最後に使うと良いですね。 また、会社から出したり会社名を記載されるようなビジネス相手への年賀状にも使われます。 しかし、友人などに対する年賀状ではあまりに不自然になるので注意しましょう。
「本年もご指導ご鞭撻賜りますよう心よりお願い申し上げます。」 「本年も昨年同様、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。」
「ご指導ご鞭撻」を用いる場面は、自分自身の暮らしや環境に変化が起きた時にも使います。 例えば、仕事における転勤や部署異動、昇進などの変化があった場合、「今後も変わらずお願いします」といった意味で使うことができます。 またプライベートにおける転居や結婚などの変化があり、それを報告するも同様に「今後も変わらずお願いします」といった意味で使うことができます。
「大阪支社への転勤が決まりましたが、今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」 「この度昇進させていただきたくことになりました。これもひとえに皆様のご指導ご鞭撻の賜物でございます。心より御礼申し上げます」
余談ですが、人気漫画の「スラムダンク」の登場人物「流川楓」が「安西先生」に 「よろしくご指導ご鞭撻のほど…お願いします」 と、この言葉を用いたシーンも有名ですね。 何か先生や上司に嬉しい言葉や激励の言葉をもらった時に使うことができます。
ご教授は専門的な知識や、技術をある程度の期間、継続的に教えてほしい場合に使います。 「教授」の意味は「学術、技芸などを教えること」です。
「今後とも末永くご教授いただければ幸いです」 「データを送らせていただきますので、お気づきになった点がありましたら、ご教授くださいますようお願いいたします」
「ご教示ください」は「知識や方法などを教えてください」と使うことができます。 アドバイスを求める場合にも使うことができます。 「教示」の意味は「知識や方法などを教え示すこと」です。
「お忙しいところ恐縮ですが、議事録の作成方法をご教示いただきたく存じます」 「ご教示いただきました事柄につきましては、今後の参考にさせていただきます」
「ご指南」は武術や芸能などについて指導してくださいといった意味で使われます。 「指南」の意味は「武術・芸能などを教え示すこと」です。
「是非私に、茶道の作法をご指南ください」 「これまで丸5年間ご指南いただき、ありがとうございました」
「お導き」は「指導やアドバイス」のことを指します。 「お導きのほどお願いいたします」で目上の人に対して「指導やアドバイスをお願いします」と言っていることになります。
「今後共よろしくお導きのほどお願いいたします」 「ぜひお導きのほどお願い申し上げます」
「ご指導ご鞭撻」の英語表現を考えてみます。 「ご指導ご鞭撻」を直訳すると、 ご指導 ==> guidance、coaching ご鞭撻 ==> encouragement などになります。 なので「ご指導ご鞭撻の程感謝いたします」は「Thank you for your guidance and encouragement.」と直訳するとなるのですが、ネイティブはこんなフレーズはまず言いません! 「ご指導ご鞭撻の程感謝いたします」に一番近いフレーズは、 Thank you for your continued support.(日頃のご支援ありがとうございます) です。 このフレーズはビジネスシーンでも使うことがあります。
Thank you for your continued support.
日頃のご支援ありがとうございます
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「ご指導ご鞭撻」について理解できたでしょうか? ✔相手の自分に対する教育や指導のことを敬っていう表現 ✔目上の人に使われる言葉です ✔挨拶やスピーチの「結びの言葉」「締めの言葉」で使われる 社会人として、挨拶やスピーチをする場面は出てきます。 正しい日本語や丁寧な表現が出来るといいですよね。 また、使う際にはきちんと理解した上で使いましょう!