「指南」と「指導」という言葉をご存知でしょうか。「指南してもらう」「ご指導ください」などと使います。どちらも何かを教えてもらう場合に使う言葉です。では、「指南」と「指導」の違いは何でしょうか。あまり違いはなさそうに思いますが、実は意味が異なります。何気なく使っていた、区別することなく使っているという人も多いかもしれません。言葉を正しく使うためには、しっかりと違いについて理解する必要があります。そこで今回は「指南」と「指導」の使い分けについて解説していきます。違いを適切に知って、上手く使い分けできるようにしましょう!
▶︎「指南」・・・剣道や舞踊などの武道・芸能を教え示すこと ▶︎「指導」・・・目的に達すため教え示すこと
「指導」という言葉ではどんなことでも教え示すことができます。 一方、「指南」は教える内容が武芸や技芸に限定されています。 どちらを使えば良いか迷った場合は「指導」を使うのが良いでしょう。
「指南」は<しなん>と読みます。 「指」は音読みで「シ」、訓読みで「ゆび・さす」と読みます。 「指」は「ゆびでさすこと。おしえること」を意味します。 「南」は音読みで「ナン・ナ」、訓読みで「みなみ」と読みます。 「南」は「方角の一つ。みなみ方向」を意味します。 「指南」の意味は、 1.南を示すこと 2.教えること。教え示す人 です。 「指南」は「歯車の仕掛けによって、上に備えられた人形の指が南に向くように作られた指南車」に由来しています。 だんだんと「指南」と略されて、「正しい道や方向に教え示す」という意味で使うようになりました。 「指南」はただ「教える」ということではなく、剣道や華道などといった武術や芸能を教え示すことを意味しています。 例えば、「柔道を指南する」「囲碁のご指南願います」などと言います。 知識や学問について教えてもらう、という場合には「指南」は使えません。 目上の人にお願いする場合は、尊敬語「ご」をつけた「ご指南」を用います。「ご指南ください」「ご指南願います」とします。 囲碁や将棋などでも、格上の人と勝負するときに『一局、ご指南ください』と言います。
例文
「指導」は<しどう>と読みます。 「指」は音読みで「シ」、訓読みで「ゆび・さす」と読みます。 「指」は「ゆびでさすこと。おしえること」を意味します。 「導」は音読みで「ドウ」、訓読みで「みちびく」と読みます。 「導」は「ある人についていく。みちびく」を意味します。 「指導」の意味は「ある目的や意図されたところに向かって教え示すこと」です。 「指導」は教える内容は限定されていないので、幅広く使うことができます。 主に、学問や研究について用いることが多いです。 「指導者」「指導員」「指導書」「演技の指導」「勉強の指導」「指導する」「指導される」「指導を受ける」などと言います。 目上の人にお願いする場合は、尊敬語「ご」をつけた「ご指導」を用います。「ご指導ください」「ご指導願います」とします。「ご指導〜」と言うと、「実力不足の私を引っ張ってください」というニュアンスが込められます。 よく使う表現に「ご指導ご鞭撻」があります。目上の人に対して、変わらない付き合いをお願いする際の常套句です。
例文
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