「ご指摘」は、敬語表現であり、目上の人やビジネスシーンでもよく使われる言葉です。今回は、「ご指摘」の正しい意味とビジネスメールなどでの使い方を、例文付きで解説します。また、「ご指摘」と「ご指導」の違いや、類語、「ご指摘」の英語も紹介しますので参考にしてください。
「ご指摘」は、「ごしてき」と読みます。 「ご指摘」は、「指摘」という言葉に、接続語の「ご」をつけた言葉です。 「指」は、音読みで「し」と読み、訓読みで「ゆび・さす」と読みます。 「指」の意味は「手足のゆび」または「さす・さし示す」です。 「摘」は、音読みで「てき」訓読みで「つむ」と読みます。 「摘」の意味は「つむ」または、「選び出す・あばく」です。
「ご指摘」の意味は「重要な点や問題となる点を取り上げて示すこと」です。 何か重要なミスを相手に「ここが間違えている」というように示されたり、「あなたのその態度はどうなんですか?」というお怒りの言葉といった問題に集点をあてて指し示すことを「指摘」といいます。 「ご指摘」とは、そういった注意などを相手から受けた場合に、相手を敬った言い方をしたもので、「ご指摘をいただく」というような使い方をします。
「ご指摘」は「ご」は尊敬を表す接頭語です。 接頭語「ご」には尊敬語・謙譲語・丁寧語の3つの意味がありますが、「ご指摘」は目上の人が指摘するときに使う言葉なので、「ご指摘」は「ご」は尊敬語にあたります。
ビジネスシーンではビジネスメールなどで「ご指摘」がよく使われます。 主に他社や取引先、顧客様から指摘があった場合に使われています。 また、資料など確認してもらう場合に「間違っているところがあったら指摘してください」といった意味で「ご指摘のほどよろしくお願いいたします」などと使います。
「ご指定ください」は、相手に指摘を求める場面で使用する言葉です。 「ご指摘ください」は、「ご指摘」に「くれ」の尊敬語である「ください」を付けた敬語表現です。 つまり、「何か指摘があれば教えてください」といった意味の言葉であるということです。 さらに「ご指摘ください」よりも丁寧な表現が「ご指摘のほどお願いいたします」となります。
「訂正点がございましたらご指摘ください」 「記入漏れ等ございましたらご指摘くださいますようお願いいたします」 「訂正箇所がございましたら、ご指摘の程よろしくお願いいたします」
「ご指摘の通り」は様々な場面で用いることができます。 相手の指摘に賛同する際や、指摘されたことについて報告をする際、そして指摘に対して謝罪をする際です。 相手の言った通りでした、といった意味で「ご指摘の通り」を使います。
「ご指摘の通りです」 「○○の件につきましては、ご指摘の通りでございます」 「ご指摘の通り、○○に不備を確認いたしました」 「ご指摘の通り、不備がございました。大変申し訳ございません」
指摘をされた場合、まず「ご指摘ありがとうございます」と感謝をしましょう。 クレームであったり、間違った指摘であっても目上の相手や取引先、顧客様を相手には感謝の言葉を述べるようにしましょう。 正しい説明をする前に感謝の言葉を述べることでクッション言葉になります。
「ご指摘ありがとうございます。早急に対応させていただきます」 「ご指摘いただきありがとうございます。確認次第、再度ご連絡いたします」 「○○の件について、ご指摘ありがとうございました。その部分につきましては下記の資料の通りになっております。ご了承くださいますようお願い申し上げます。」
指摘されたことに対して、対応をしたり訂正をする場合に「ご指摘を踏まえ」「ご指摘いただいた点を踏まえ」などと使います。 また指摘してもらったことへの感謝や、不備があった場合は謝罪をすることも忘れないようにしましょう。
「課長からのご指摘を踏まえ、新しく資料を作成いたしました」 「先日ご指摘いただいた点に関しましては、現在調査中でございます」 「ご指摘いただいた個所を訂正させていただきました、ご確認の程よろしくお願いいたします」
相手から指摘をされた際、その内容が正しかった場合は「ご指摘ごもっともです」「おっしゃる通りです」を使うと良いでしょう。 ただ、相手から指摘をされた内容が正しくなかった場合は使わないようにしましょう。 「ご指摘ごもっともです」「おっしゃる通りです」は相手に対して肯定・賛同の意味がありますので、正しくないことを肯定してしまうことになります。
「ご指摘ごもっともです。迅速に訂正させていただきます」 「ご指摘ありがとうございました。おっしゃる通りです」
▶「ご指摘」・・・「重要な点や問題となる点を取り上げて示すこと」 ▶「ご指導」・・・「ある目的に向かって教え導く事」
「ご指導」は、「指導」という言葉に尊敬を表す接頭語の「ご」をつけた言葉です。 「指導」とは、「さす・さし示す」という意味を持つ「指」という漢字と、「みちびく・案内・教え」という意味のある「導」という漢字を組み合わせた言葉です。 つまり「指導」とは、ある意図された方向に教え導くことをいいます。 例えば、「水泳を指導する」といったように何かを教えるというような場面で使用される言葉です。
「ご意見」とは、「意見」という言葉に、「ご」という接頭語をつけた言葉です。 「意見」の意味は、「物事や判断に対してもつ考え」です。 つまり、「ご意見」とは「考えを述べる」ということを、相手を敬い丁寧に言い表した言葉ということです。
「ご要望」は「ごようぼう」と読みます。 「要望」の意味は「物事の実現を強く望むこと」です。 尊敬を表す接頭語「ご」を付けた言葉が「ご要望」です。 つまり「ご要望」は、敬意を払う上司や取引先の相手といった、目上の相手が何かを欲したり望むときに使う言葉です。 「ご要望」とは「相手の漠然とした望み」を指していて、「目上の人が強くそうなって欲しいと思っている」という意味合いになります。
「ご教授」は「ごきょうじゅ」と読みます。 「ご教授」は、「尊敬を表す接頭語の「ご」を付けた言葉です。 「教授」の意味は、「学術、技芸などを教えること」です。 ”学術”は学問と芸術、”技芸”は美術工芸・芸術方面に関わる技術を意味します。 「ご教授」は専門的な知識や技術をある程度の期間、継続的に教えてほしい場合に使います。
「ご教示」はごきょうじと読みます。 「教示」は「知識や方法などを教え示すこと」を意味しています。 「ご教示」は「教示」という言葉に、尊敬を表す接続語の「ご」をつけた言葉です。 「ご教示ください」は「知識や方法などを教えてください」という意味で使われます。 ビジネスシーンで書類の書き方がわからない場合に質問したり、対処の方法について尋ねる場合に使います。
●注意 (意味:気をつけるように傍から言うこと、気をつけること) 「部長から言葉遣いについて注意された」 ●忠告 (意味:真心持って相手の欠点や悪いところを指摘して戒め(いましめ)さとすこと) 「ご忠告いただきありがとうございます」 ●アドバイス (意味:助言や忠告のこと) 「先輩からのアドバイスのおかげで、良いプレゼンができた」
「ご指摘」の英語表現を見ていきましょう。 英語に関しては尊敬語という概念はないので、「ご」の箇所はスルーでよいです。 「指摘」は「pointing out」「comment」「advice」などと表現すればよいでしょう。
Thank you for your advice.
ご指摘ありがとうございます。
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「ご指摘」について理解していただけましたでしょうか? ✓「ご指摘」は「ごしてき」と読む ✓「ご指摘」の意味は「重要な点や問題となる点を取り上げて示すこと」 ✓「ご指摘」という言葉自体が敬語表現である ✓「ご指摘」の類語は、「ご要望」「ご意見」など
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