「sick」と「ill」の意味の違いと使い分けをしっかり理解していますか?どちらも何となく「病気の」という意味で覚えていませんか?「sick」と「ill」は、アメリカとイギリスでは違う使われ方をしています。また、文法的な違いもあります。今回は「sick」と「ill」の違いを解説していきます。
※音声付き例文がありますので、発音の確認にご活用ください。なお、音声はアメリカ英語になっております。
「sick」と「ill」はどちらも「具合の悪い、吐き気がする、病気の」などの意味を持つ形容詞です。 しかし、アメリカ英語とイギリス英語のニュアンス、後に名詞がフォローするか否かなどの差異があります。 「sick」と「ill」の違いを下記の表にまとめてみました。
アメリカ英語 | イギリス英語 | 名詞が後に | |
---|---|---|---|
sick | (be sickで)具合が悪い (feel sickで)ムカムカする | ムカムカする | 続く ◯ a sick boy |
ill | 重病である | 具合が悪い | 続かない ☓ an ill boy |
アメリカ英語において、「sick」は、「具合が悪い、元気がない」と「ムカムカする、吐き気がする」の2つの意味があります。 この意味の使い分けは、「be動詞」と一般動詞「feel」で使い分けることができます。 「I am sick.」だと「具合が悪いです」という意味になります。 一方、「I feel sick.」とすると「吐き気がします」という意味になります。 ちなみに「carsick」で「車酔い」、「seasick.」で「船酔い」、「airsick」で「飛行機酔い」、「have a hangover」で「二日酔い」になります。 「具合が悪くなる」は「get sick」といいます。 一方、イギリス英語では「sick」はどのように使っても「ムカムカする、吐き気がする」という意味しかありません。 「sick」は、後に名詞をフォローさせることができます。つまり、下記の2通りの書き方が可能です。
余談ですが、「be sick of...」で「...にうんざりする」という意味になります。 これはアメリカ英語でもイギリス英語でも、この意味で使います。 例文です。(アメリカ英語として和訳しています)
You look so sick that you should leave school soon today.
あなたとても具合が悪そうだから、今日は早退した方がいいわよ。
I ate too much for lunch today and I feel sick now.
今日ランチ食べ過ぎたので、気持ち悪い。
I got sick of Japan and left for the United States.
日本に嫌気がさして、アメリカに渡った。
アメリカ英語において、「ill」は入院が必要な程の重い病気のことを指します。よって、日常会話ではあまり使いません。 イギリス英語で主に使われる単語をアメリカで使うと、フォーマルで堅い響きになり、ニュアンスもその分重くなります。 「ill」の名詞は「illneous」で、「serious」という形容詞で強調して、「serious illness」とすると「大病、重病」という意味の名詞になります。 「metanlly ill」というと、「精神的な重い病気だ、精神異常だ」というニュアンスになります。 一方、イギリス英語では、「ill」は「具合が悪い」という意味で使います。 よって、アメリカ英語の「sick」=イギリス英語の「ill」ということになります。 文法に関してですが、「ill」のあとには通常名詞はフォローしません。 ☓「She is an ill girl.」などとは言うことできません。「She is ill.」になります。 例文です。(アメリカ英語として和訳しています)
She is ill and needs to go to hospital right away.
彼女は重い病気で、今すぐ入院する必要がある。
He is suffering from serious illness.
彼は大病で苦しんでいる。
Bill is mentally ill and can't deal with his daily life anymore.
ビルは精神病で、これ以上日常生活を対処することができない。
余談になりますが、「I will」の短縮形である「I'll」を、SNSやチャットなどでネイティブはアポストロフィーを省略し「I」を小文字にし「ill」と表記することがあります。 「ill go there.」は「そこに行くよ」になります。「病気がここに来る」ってなんだ??と誤解しないように注意してください。
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