「literally」という言葉知っていますか?「文字通りに」という意味なのですが、ネイティブは全然違う意味で使うことが多いです。そして正確には「literally」には4の意味があります。正式な用法が2つ、スラングの用法が2つです。今回は「literally」の正しい意味とネイティブの使い方を紹介します。
※音声付き例文がありますので、発音の確認に活用してください。音声はアメリカ英語になっております。
「literally」のコアの意味は「文字通りに」です。副詞です。 「文字通り」というのは「文字に記された通りに何の誇張もなしに」ということです。 「literally」は「L」と「R」が繋がっており日本人泣かせの発音なのですが、「R」の発音の際、舌をあまり巻かずに軽めに発音し、すぐに「L」の発音をするとスムーズに発音できます。下記の例文に音声が付いていますので、耳のトレーニングに使ってください。 反対語は「figuratively」で「比喩的に」という意味です。 「literally」は副詞ですが、語源は「literal」という形容詞で「文字の」という意味です。 スペルが似ている単語に「literary」という言葉がありますが、これは「文学の」という意味なので注意してください。 それでは例文を見ていきましょう。
I didn’t mean it literally.
文字通りの意味で言ってるわけじゃないよ。
He tends to take great people's quotes literally.
彼は偉人の名言を文字通り捉える傾向がある。
You should avoid interpreting your bosses' orders literally.
上司の命令を文字通り解釈するのは避けるべきだよ。
「literally」には「逐語的に」という意味もあります。こちらも正式な用法です。 「逐語」というのは、「解釈・翻訳などで、原文の一語一語に忠実に合わせていく」という意味です。「直訳」と同義です。 「文字通りに」と「逐語的に」は英和辞典では分けずに説明されていることが多いですが、ニュアンスは明らかに違うので分けて説明しました。 反対語は「意訳」ですよね。 「意訳」は英語で「free translation」です。 「translate...freely」で「...を意訳する」という意味になります。
When you translate too literally, sentences don't flow well or don't sound natural.
逐語的に訳しすぎると、文章の流れが悪くなったり、自然に聞こえなかったりする。
スラング「literally」の1つ目の意味は「本当に・ガチで」です。発言内容を誇張する表現です。 元々「文字通りで何の誇張もなしに」という意味の「literally」が、誇張された内容(大袈裟な話や比喩の話)を修飾するときに、「ガチで」という意味になります。 I literally understood what he said.(彼の発言した事を文字通りに理解した) これは通常の意味です。 I was blown off by the news.(そのニュース聞いて、ガチで吹っ飛んだよ) これはスラングの「literally」です。 この例文のように、ニュースを聞いて人間が「吹き飛ぶ」ことは本来あり得ないことです。が、それをあえて「文字通りに」を意味する「literally」で修飾することで、「文字通り、本当ににこんなにあり得ないことが起こったんだ」と強調・誇張しているわけです。
スラング「literally」は強調した表現なのだから、「really」や「seriously」と同義かと思うかもしれませんが、正確には違います。 なぜかと言うと「literally」は大袈裟な表現か比喩の表現しか修飾することができないからです。 例えば、 ◎ I am really tired. △ I am literally tired. 「疲れた」というには、あまり大袈裟な表現ではありません。なので「literally」を使って修飾すると少しネイティブは変な印象を受けるので注意してください。「疲れすぎてガチで死にそうだ」という文章なら「literally」は使うことができるでしょう。なぜなら「死にそう」というのはかなり大袈裟で誇張された表現だからです。「I'm literally dead tired.」のように表現することはできます。 また「Really?」「Seriously?」(まじで?)のように「Literally?」は言うことはできません。「Literally?」だと「文字通りに?」という意味になってしまいます。
英語圏の言語学者や文化人の中には、若者による「literally」のスラング用法を問題視する人が多いです。米国や英国の様々な媒体で「イライラする単語」として紹介されています。真逆の意味で使われているわけなので、ネイティブが気に障るのもなんだか頷けますよね。 日本語でも「ガチで」や「まじで」で連発すると、あまり良い印象はありませんよね。 使いすぎは注意ですが、ネイティブは結構使いますので、意味はしっかり理解しておきましょう!
スラング「literally」を使った例文を紹介します。
I was blown off by the news.
そのニュース聞いて、ガチで吹っ飛んだよ。
I literally almost died from laughing too hard.
笑いすぎて、まじで死ぬところだった。
There were literally thousands of people at the party last night.
昨夜のパーティーでは、まじで数千人の人がいた。
I literally have had no friends in my life.
人生でマジで友達ができたことがない。
スラング「literally」にももう1つの意味があります。「ただ、普通に」という意味で、「simply」「just」と同義です。 例えば、こんな感じで使います。 A:How did you get home after you got so drunk last night?(昨夜あんなに酔った後、どやって家に帰ったの?) B:Well, I literally walked home.(えーと、普通に歩いて帰ったよ) どうでしょうか? スラング用法の1つ目の意味である「ガチで」と訳すのは明らかに誤りですよね。 正式な意味である「文字通りに」の方が近いですが、「文字通りに」と訳すのは少し大袈裟な感じがしますよね。 この使い方の「literally」は特に意味はなく、言わなかくても文章が成立します。ですから「ただ」「単純に」「普通に」などと訳します。日本語も「普通に」という人がいますが、「普通に」ってなんだよ?と感じる人も多いのではないでしょうか?これは英語圏のネイティブでも同じで、スラング用法の「literally」がイライラすると言われるもう1つの理由です。
Then you literally cut the sausage down the middle as told.
それで言われる通りに、お前はただソーセージを真ん中で切った。
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