人に物を差し上げる際に使われる言葉に「進呈」「贈呈」「謹呈」「献上」があります。4つもあり、どの場面でどれを使えばいいのか混乱してしまうことってありますよね。そこで今回は「進呈」「贈呈」「謹呈」「献上」について詳しく解説していきます。目上の相手や目下の相手、式典などでどれを使えばいいのか、是非参考にしてください。
いずれも「人に物を差し上げる」という意味ですが、使う場面がことなります。 「進呈」・・・形式張っていない場面で、目上の人に物を差し上げるときに使う 「贈呈」・・・公式な場やかしこまった場面で、目下の者に物を贈るときに使う 「謹呈」・・・敬意を込めて目上の人に何か差し出すときに使う 「献上」・・・天皇陛下や王様など圧倒的に目上の立場の人に対して使う
「進呈」の意味は「人に物を差し上げる」「進上」です。 「差し上げる」という意味からも分かるように、相手を敬って用いられています。 ただ、形式張っていない場面で使われる言葉で、人に気軽に物をあげるとき、親しい人に個人的な贈り物を渡すときに使います。 ですが「呈」という字に「差し上げる」「たてまつる」といった意味があるため、目上の人にも使うことが出来るわけです。 個人的な贈り物をする際や、参加者に粗品を渡す際、企業側がポイントなどを付与する際にも用いられています。
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「贈呈」の意味は「人に物を贈ること」です。 「進呈」と意味合いは同じですが、「贈呈」は公式の場や形式張った場面で用いられています。 個人的に物を差し上げる場合に使うと大袈裟な表現となってしまいます。 そして「贈呈」は主に目下の者に対して、ねぎらいの気持ちを込めて使います。 ですが、みなさんが一番「贈呈」を聞くのは、結婚式での「花束贈呈」ではないでしょうか。 この際は両親に対して新郎新婦が花束を贈りますよね。これは目下の者に対してではありません。 このように、そこまで「目下であるかどうか」を気にしないで使う場面も多くなっていますが、目上の人に使うと失礼に当たる場合があるため注意が必要です。
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「謹呈」の意味は「謹んで差し上げること」です。 「謹」という字が使われていることからも分かるように、相手への敬意と、自分自身がかしこまっている様子を表しています。 そのため「進呈」「贈呈」よりもかしこまった表現になるため、目上の人に対して使います。 目下の相手に対して使うと不自然となります。 例えば、自分で書いた本や論文などを目上の相手に差し上げる場合に使うことが出来ます。 また自分で書いたものであるため謙遜の意を表するためにも使われます。
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「献上」の意味は「身分の高い相手に差し上げること」です。 ここにおける「身分の高い相手」とは、相当身分が高い人を表します。 そのため目上の相手であったとしても上司や先輩には使いません。 例えば天皇陛下や王様、総理大臣などといった圧倒的に目上の立場である相手に対して使います。 また宗教指導者や神などに対しても「献上」は用いられています。
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