「嗤う」「笑う」「哂う」「呵う」はすべて「わらう」と読みます。それぞれ意味が異なります。4つもあり、どの場面でどれを使えばいいのか混乱してしまうことってありますよね。そこで今回は「嗤う」「笑う」「哂う」「呵う」について詳しく解説していきます。楽しい時にはどれを使うのか、相手を馬鹿にしてあざけている時はどれを使うのかしっかりと覚えておきましょう。
「嗤う」・・・相手を馬鹿にして、あざけりわらう 「笑う」・・・嬉しさやおかしさの表現として表情を崩したり声を立てること 「哂う」・・・ほほえむ、含み笑いをする 「呵う」・・・あっはっはっと声を出してわらう
「嗤う」の意味は「相手を馬鹿にして、あざけりわらう」です。 人を蔑み笑ったり、嘲笑することを表します。 相手に対して馬鹿にした気持ちを強く持って「わらう」場合に使われます。 それ以外の「嬉しい」「楽しい」「面白い」といった感情を伴って笑う場合には用いません。 「相手の失態を嗤う」「裏で嗤う」などと使います。
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「笑う」の意味は「嬉しさやおかしさの表現として顔の表情を崩す、そうした気持ちで声を立てること」です。 しかし、「笑う」は広く意味を持ち、「嗤う」と同じ「あざわらう」や「哂う」と同じ「ほほえむ」といった意味も持ちます。 また「笑」には「花が咲く」「果物が熟して避ける」といった意味もあります。 さらに「表情がくずれる」の意味から、「ゆるんだりほどけたりする、ほころびる」といった意味も持ち、「足取りがしっかりしなくなる」といった意味で「膝が笑う」などと使われています。
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「哂う」の意味は「ほほえむ」と「含み笑いをする」です。 「哂う」にも「含み笑い=あざわらう」の意味があります。 しかし、「嗤う」ほど馬鹿にしているといったニュアンスは強くありません。 ただ「馬鹿にして失笑する」といった意味合いがあります。 「微笑む」といった意味もあることから分かるように、口角を上げてフッと笑うイメージです。 日常生活では、あまり「哂う」が使われることはありません。
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「呵う」の意味は「あっはっはっと声を出してわらう」です。 「呵々大笑(かかたいしょう)」という四字熟語があるのですが、この意味は「大きな声で笑うさま」です。 「呵」という漢字に「大声で笑っているさま」があります。 中国語においては笑い声の擬音語として用いられ、日本で言う「(笑)」や「w」とほぼ同じ使い方で「呵呵」が使われています。 ちなみに「呵」には、「大声で笑う」以外にも「息を吹きかける」「叱る、咎める」といった意味もあります。 この場合は「呵する(かする)」と使います。
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