「論旨」と「趣旨」の違いについて正しく認識しているでしょうか?「論旨を明らかにする」「趣旨を理解する」などと使います。どちらも「旨」という漢字が用いられているので、同じように使っているという方が多いかもしれません。実はそれぞれ異なります。そこで今回は「論旨」と「趣旨」の意味と使い方の違いについて解説していきます!
「論旨(ろんし)」・・・議論や文章のなかで中心となる事柄 「趣旨(しゅし)」・・・①話や文章の中で述べようとする重要な事柄 ②ある物事を行う上での目的や考え
「論旨」は「ろんし」と読みます。 「論旨」の意味は「その議論や文章の中心となる事柄、内容」です。 「論」は「物事の筋道を分からせる」、「旨」は「おもい、考え」を意味します。 述べられている事柄の中で中心となる部分を表します。 「論旨」はビジネスシーンにおいて使われることが多いです。 特に、論文やプレゼンテーションに対して使われます。論文を作成したり、会議を行う際は論旨を明らかにしておくことが大切です。
というような使い方をします。 「論旨」を用いた四字熟語に「論旨明快(ろんしめいかい)」があります。 「論旨明快」は「議論や主張などの内容がはっきりしていて分かりやすいこと」を意味します。内容が明確で分かりやすいときや、分かりやすく説明してほしいとお願いする場合などに使います。 「論旨」の類語には、「主旨」「本論」「眼目」「骨子」などがあります。 「論旨」は「諭旨(ゆし)」という言葉と、漢字の形が似ているため混同されやすいです。 「諭旨」は「目上の人が目下に、物事の理由を言い聞かせる」という意味です。意味が異なるので注意してください。
例文
「趣旨」は「しゅし」と読みます。 「趣」には「心が向かうところ、意図、考え」という意味があり、「旨」は「おもい、考え」を表します。 「趣旨」には二つ意味があります。 一つ目の意味は「ある物事を行うときのもとにある考えや目的」です。 物事を行うにあたって、その狙いや目的を表します。 例えば、「訓練の趣旨を理解する」と使います。これは「訓練を行う目的や理由を理解する」という意味になります。 類語には、「理由」「目的」「ねらい」などがあります。 二つ目の意味は「話や文章などにおいて、述べようとする肝心な事柄」です。 話や文章などの中で、言おうとする内容を表します。「話の趣旨」「文章の趣旨」「質問の趣旨」などと使います。 類語には、「趣意」「真意」「心づもり」「本旨」「思案」「了見」「旨」などがあります。
例文 ①の意味
②の意味