「虚勢」と「見栄」の違いについて正しく知っているでしょうか。「虚勢を張る」「見栄を張る」などと日常会話においても使われますよね。使い方が似ているため、区別せずに使っているという方が多いかもしれませんが、実はそれぞれ異なります。そこで今回は「虚勢」と「見栄」の意味と使い方の違いについて解説していきます!
「虚勢(きょせい)」・・・うわべばかりの威勢(いせい) 「見栄(みえ)」・・・他人を意識して、自分をよく見せようとすること
「虚勢」は「きょせい」と読みます。 「虚勢」の意味は「表面だけの威勢」です。 「虚」は「うわべだけ、中身のない」、「勢」は「いきおい」を意味します。 「虚勢」は「見せかけだけ威張っている、表面だけ威勢が良いこと」と、ネガティブな意味合いです。 「虚勢を張る」という表現がよく使われます。「虚勢を張る」とは「自分の弱い部分を隠して、うわべだけの威勢を示すこと」を意味します。 「できないくせに虚勢を張る」「弱いくせに虚勢を張る」などと使います。 例えば、「ジェットコースターは平気と言っていたのに、乗ろうとしたら足がすくみ、結局乗れなかった」ということを「虚勢を張る」と言います。本当はできないのに、勢いや気合があるように見せかけることを表します。 「虚勢」の類語には、「こけおどし」「空威張り」「やせ我慢」「強がり」「武士は食わねど高楊枝」などがあります。
例文
「見栄」は「みえ」と読みます。「けんえい」とは読まないので注意してください。 「見栄」は動詞「見える」の連用形からきています。「見栄」は当て字で、公用文や新聞では「見え」と使われています。 「見栄」に二つ意味があります。 一つ目の意味は「人の目を意識して、うわべや外見を実際よりもよく見せようとすること」です。 「見栄を張る」は「よく見せようと、外面を繕うこと」を意味します。例えば「見栄を張って、ブランド品をたくさん買う」と使います。 良く思われるために、嘘をついたり、必要以上に外見を繕うことを表します。 「見栄坊」「見栄っ張り」という表現も使われます。 類語には、「気取り」「虚栄心」「世間気」「飾り気」「格好をつける」「はったりをかける」などがあります。 二つ目の意味は「歌舞伎の演技、演出のうちの一つ」です。 この意味では、「見得」と表記します。劇中で感情が高まった際に、役者が少しの間その動きを止めて睨むようなポーズをとることが「見得」になります。
例文