「多角的(たかくてき)」と「多面的(ためんてき)」は、字面と音が似ていますが、漢字も意味も違う言葉です。「多角的」の意味は、異なった角度から1つの事象を捉えることです。「多角的」になります。「多面的」の意味は、1つの事象の異なった側面を捉えることです。例えば、一つの映画を映像の技術、ストーリー性など様々な面から評価するという場合は「多面的」を使います。
どちらも「多方面にわたるさま」と同じ意味を持ちますが、使う際のニュアンスが異なります。 「多角的」・・・それぞれの立場に立つこと、異なった角度から1つの事象を捉えること 「多面的」・・・それぞれの側面を考えること、1つの事象の異なった側面を捉えること
「多角的」は「たかくてき」と読みます。 意味は「いろいろな方面にわたること」です。 これは、物事や事象が単純に一つのことと関わるだけではなく、多方面にわたっていることを表しています。 この意味は「多面的」と同じですが、使う際のニュアンスが異なります。 「多角的」は「角」という字が使われていることからも分かるように「多くの角度」といった意味合いがあります。 一つのことに対していろいろな角度がある、要するにそれぞれの立場があるということになります。 「多角的な視点」とよく使われています。 例えば企業が新しいプロジェクトを行う際に「お客様の視点」「企業側の視点」「以前のプロジェクトからの視点」など、それぞれの視点を考える際に「多角的な視点で考察する」と使います。
例文
「多面的」は「ためんてき」と読みます。 意味は「多くの方面・部門にわたっているさま」です。 これは、一つの物事に多くの側面があることを表しています。 「多面的」は「面」という字が使われていることからも分かるように「多くの側面」といった意味合いがあります。 「多角的」は一つの物事や事象に対する様々な角度、視点を表すと言いましたが、「多面的」は一つの物ごとや事象の様々な側面や在り方があり、見方がいろいろな方面にわたっていることを表します。 「多面的な魅力」とよく使われています。 例えば新しいRPGゲームが開発された際に「映像の美しさ」「ストーリーの楽しさ」「動きのなめらかさ」「音楽の綺麗さ」など、一つのゲームに対してたくさんの魅力がある場合に「多面的な魅力がある」と使います。
例文
「多角的(たかくてき)」と「多面的」の違いを、社会科の捉え方で比較してみます。 社会科では、「多角的」は歴史上で起こった物事を異なったさまざまな立場から見てみることを いい、「多面的」は歴史上で起こった物事を政治的な面や文化的な面など、さまざまな面から見てみることをいいます。